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カードバトル/ダブルディティー  作者: KIRIー
Iステージ編
2/91

タイムリンク

「ここは?…」

 気がつくと天流寺総駕(てんりゅうじそうが)は殺風景な、真っ白な空間に立っていた。

こうなると上も下も分からなくなって気持ち悪くなって来る。


 部活から帰ってきた俺は、疲れてベッドで寝ていたのだが、ほっぺをつねると痛いことから

「夢じゃないな」。


辺りを見回しても、"白"

ひたすらに白だけが広がる。


 すると唐突に後ろからまるで何かに声がこもって反響する声が聞こえてくる…

「気がつきましたか?」


 話しかけて来たのは、ピエロの仮面を着用し、タキシードにシルクハット、まるで道化師の様な男が立っていた。

「あんたは、、誰だ⁈」

総駕は警戒するように男に質問をした。



 質問に対して男は首を傾げてから、はっとした様子でわざとらしくポッんと手をうち、片手でシルクハットを取り、頭を下げる

「申し遅れました、天流寺 総駕様!…」。


 道化師の様な男は俺の名を知っていた、驚いた。

そして同時に疑問が二つ浮かび咄嗟に口に出しそうになり掛けたが様子を伺う…。


「私目は、パラパラと申します以後お見知り置きを総駕様…」

 パラパラと名乗る道化師の様な男は仮面越しだが確かにニタァッと笑った気がしたーー

ーーまるで俺の心の中を見透かしたかのように。


総駕はパラパラに二つ質問をする事にした、

だがパラパラは俺の心の内を知っているかのようだ

「総駕様は二つの疑問をお抱えのようですね?

心配せずともお答え差し上げましょう、まず一つ!

自分はなぜここに居るのか?」


驚愕した、このパラパラと言う名の謎の男に…

この男の仮面の下から除く眼光はまるで全てが見えていると語っている。

頷くとパラパラは話しを続ける

「選ばれたのですよ…総駕様は」


「選…ばれた?」

 総駕の特徴と言えば…顔立ちは普通だけど、パステルピーチの髪色に髪型はストレートでサイドが所々跳ねてるのが特徴だろうか。


そんな総駕だが何かに選ばれる節が特に見当たらない。


「ええ…とあるゲームのテストプレイヤーとしてね… と、

まぁこの様にしてテストプレイヤーを集めたので、 二つ目の疑問の総駕様の情報、経歴も把握済みで…ス」

ージジジジー


突如パラパラの体が歪み始めた、例えるなら今は映らないアナログテレビの様に。

「ちょっと待てよ!全ッ然話がつかめねぇよ!…ッオイ

聞いてんのかよ」

ジジジジ、ジー


雑音と共に突如パラパラの姿は消えたが、その直後突然と視界が光に包まれた--

「ッ⁈一体何だ何が起こってる…」


・・・


「今度は何処なんだ…!」

 総駕はハッとした、パラパラと言う名の謎の男に出会い突如謎の光に包まれ今に至る事を思い出す。


「、、マジ、かよ…」 

目前には先程とは打って変わり人が何百!いや何千⁉︎

それ以上もの人が白い空間に集まっていた…!!。


ざわざわと会話をする者もいれば、

辺りをキョロキョロと見渡す者、ガムを噛みながら腕を組み俯く者、スマホをいじりながら焦るものまで人其々。


ーズッ…

 突然頭上に一本の黒いスジが入る

それと同時にほぼ全員が、息を飲む。

ーズッーーズガガガガ

…ビジュン__

頭上に広がる巨大な黒い画面のモニター

皆が皆その画面を食い入る様に見る。


そしてその直後に人らしき影が移りやがて鮮明になる…

現れたのはパラパラだ。


「皆様こんにちは、会うのは二回目でしょうか?中には始めて会うお方も居るかも知れませんね?…そこのお嬢さんは始めてのこんにちはかな、ではでは本題に入りますよ?」。


 パラパラが画面に映り一区切り着いた時ざわつきが起きた

その集団の一人がパラパラに対して異を唱える。


「テメーは一体何なんだよ?消えたと思えばぬけぬけと現れやがって早く帰らせやがれ」

…ざわつきがさらに増した

『そうだふざけんな

帰らせろ!

帰らせろ!

 帰らせろ!

帰らせろ!』

ざわつきの集団が反旗を翻すかのようにして規模を拡大させてゆく。

 

パラパラは少し困った素振りを見せるがすぐに何かを考えたのか…咳払いをする。

…パラパラは再び話しを再開しはじめる

「落ち着いたらどうかね…今、君達の身柄を預かって居るのは私だ。と言う事はつまりはどうなるか少し考えれば分かるんじゃ無いか?」

パラパラが静かに威圧感を与えるかの様に話すにつれざわつきが収まり始める。


「ふぅ…では、まず皆様に集まって頂いたワケですが

Distraction the Dimension time…通称DDT。

これは我々が考えたカードゲーム」


「皆様の中には分からない方も少なく無いでしょうから、解りやすく言うならトランプの延長線上のゲームです。トランプならご存知でしょう?ーー

皆様に集まってもらったのはゲームのテストプレイヤーとして集まって頂きました」。


 パラパラがシルクハットの位置を直す間に、静かに立つ金髪逆髪の男は、サングラス越しからモニターに注意を始めて注いだ。


「集まって貰ったのは総勢…4億人、、!!」

4億⁉︎俺を含めほとんどの集められた人々は驚愕した、

中には世界人口の約18分の1などと口に出した者もいた…。

18分の1…凄い人の数だ…

「一体どうやって4億人もの人を集めた…。

ただのゲームじゃ無さそうだ」

俺は疑問で仕方なかった。


「4億人もの方々に集まってもらったのには別に深いワケはありません…"我々"は貴方方をこの平行世界、言わばパラレルワールドでテストプレイをして頂こうと思っております…」。


 平行世界、パラレルワールド…だって??

聞いた事があるが、実在したのか…

同じ時間を流れるもう一つの反転世界。



「おいどうゆう事だよ」

一人の短気な若い男はパラパラを睨む様に質問をする。


「パラレルワールド…それ以外に説明する事はありませんね。

次に」

短気な男の質問はさらりと受け流されパラパラは説明を続ける

「DDTについてですが…ここに集められた方々は

カードゲームをプレイされて"CSなどの大きな大会で良い戦績を収めた方から、そうでは無い全くと言ってカードをプレイした事が無い方まで十人十色ですね…」

CS(チャンピオンシップ)とは数百人集まるような大規模なカードゲームの大会。


そこで話しを割るようして数人の男たちが前に出る

「ディザスター!僕達が呼ばれたのってこれのようだね」

3人の男の内の1人がディザスターなる男にそそっかしく話しかける。


「おい慶次、、あんまはしゃぐな!目立つだろ」

もう1人の黒髪の鋭い眼光を持つ男伊達が慶次に腕を掴まれ、前に連れられた。


そしてもう1人、ディザスターとはさきほどまで静かに立たずんでいた金髪、逆髪の男だった、そしてディザスターなる男が口を開く

「…そのDDTとやらだが、ルールを教えてもらおうか」。

サングラス越しからモニターを見据えるディザスターをパラパラは不思議そうに首傾げながら見降ろす。


「ほう…貴方はギネスブックにも指定されているTCGのCSなどで何度も上位に名を挙げている…ハンドルネーム"ディザスター"その名に相応しく災害の如く大会に現れ、その世界では名が馳せているとか」。


 俺も聞いた事がある、ディザスター…毎回オリジナリティを貫きデザイナーデッキを唯一使用し、毎回TCGの環境をも左右するプレイヤー。


「ルールは他のゲームとあまり似つかないでしょう、ですが今までのゲームでの経験は多少は活かされるのでは無いかと思い私は貴方の様な方々を集めました」


「ですが…無経験の方でも、このゲームは大差無くプレイ出来るばずです。何故ならみんなDDTは初心者そのため無経験の方も多く集めました」。

「…そうか、それだけ聞ければ充分だ」。

パラパラはディザスターを見降ろす、ディザスターはパラパラを一度目で流すように観ると 、背を向け、人混みへ戻って行く。

俺もTCGはよく遊んでいるがこのゲームは見てもいないが、異質な気配を感じる。


パラパラは再度話し始める

「この部屋は、あと数分もすれば奥の扉が開きます、この他にもこの部屋と同じように部屋がいくつか有ります、数分後に貴方方と同じようにこのパラレルワールドに4億もの人々が生活するでしょう」。


「…ですが…テストプレイがされず仕舞いになる可能性も有りますね。それでは話に成りません、なので、4日!4日以内にテストプレイに参加しない方々は強制的にドロップ扱いになります。あと…言い忘れて居ましたがゲームに負けてもドロップ、敗退扱いですよ」

 ここでまたざわつき始める、

そして人混みの中、か細い声で尋ねる青年が一人いた。

「負けると…敗退すると

ど、、どうなるんですか」

青白い顔をしながら尋ねる青年に対して、パラパラは頭の後ろをぽりぽりかきながら不気味に答える

「さぁ〜どうなるんでしょう〜フフフ 。

貴方方には後ほど一人一人支給品をお渡しします、そして、一回戦をこれより行ない、そうですね…テストプレイヤーが二億人になるまで戦って貰います」。


「二億人敗退するまでどうか頑張って下さい…追尾でこの世界であらゆる暴力行為は禁止されておりますので悪しからず、

では皆様のご健闘を期待して居ります…」

プチんと頭上のモニターは消えると同時に、この白い部屋の空気が一気に重たくなったのを感じた。


「敗退したら…一体…どうなるんだ」

 俺たちは戦う事を強いられた…。

未知のカードゲームのプレイヤーとして… 。

そして、この世界と敗退したらどうなるのか分からない恐怖で人が人との警戒を強めたまま、扉は開かれ、部屋の外に皆、ゆっくりとした足取りで向かうのだった。


● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●


 俺の名は天流寺 総駕 16歳は平凡に暮らしていた、そして同時に人生は代わり映えの無いものだと思っていた。

だが突如として平行世界(パラレルワールド)にパラパラなる男に引き摺り込まれた。


 そして、4億人もの人々が得体の知れないゲームのテストプレイヤーとして集められた…。


 この世界に反逆するかーー

ゲームに負けるかーーどちらか一方でも条件が満たされれば、一回戦、二億人になるまで戦うというゲームと世界から敗退してしまう。

 敗退するとどうなるかは伝えられはしないものの、この世界への絶対服従が義務付けられたも同然だ。


 そんな中で俺はどうすれば。

困惑のまま、気が付くと265号室と書かれたドアの前に立っていた…


×月25日


「ここ…か」

消えかかる声で身も心も疲れ果てたまま265号室へと入りベッドへフラフラと吸い寄せられ体を横にする…。


 俺達は、あの白い部屋から解放された後部屋を出るとその前にはいくつものロッカーがズラリと並んでいた。


 そこには其々の名前と番号が書かれていた。

その番号は手首にいつの間にかタグを付けられていた為把握出来た。


 名前の書かれている横には指紋を認識する装置があり、俺たちはロッカーを開けた。

中には鍵とタブレット端末のような物、後はそれの充電器、タブレット端末にはDDTの詳しいルールアプリ。

そして個人に用意された宿へのルート。

この世界のマップ機能がアプリとして備わっていた。


 まずは頭を整理する為、宿に向かう事にした…。

到着後タブレットを操作しこの世界の状況を把握する。

 プレイに必要なカードを集める店も幾つかあるようで、マップに印されていた。


 このDDT、カードゲームを行うには44枚以上のカードがルール上必要とされる。

そして、カードを束にした物をデッキと言う、デッキを作らなければテストプレイには参加出来ず4日後に無条件敗退が課せられる。

 が--だんだんとまぶたが重くなって行き、そのまま爆睡した…。


・・・


×月26日 午前


〜災害〜disaster


「ディザスター!デッキが完成したよ!」

 落ち着きがなくうろちょろする青年、慶次をフッと笑うようにディザスターは見ていた。

ディザスターは二人のチームメイトと共に行動していて、カードを収集し、ようやくデッキを完成させたのだった。


「ディザスター…これからどうする」

今度は同じチームメイトの落ち着きある青年の伊達が話かける

「…そうだな、まずはこのDDTを体験して見ないと始まらない」

ディザスターはそう告げると、街を散策する。

 仲間の青年二人もディザスターを追いかける様にしてついて行く。

仲間からの信頼は厚くディザスターも仲間を大切にしている。


 ショップを後にしてからディザスターの周りをうろちょろする慶次はディザスターに忙しなく話をかける

「ディザスターさん、向こうでDDTやる台見たいなの見かけたよ」無邪気にはしゃぐ慶次に礼をいう

「いつも助かるぞ、慶次」

慶次はニカッと笑う。


 慶次を先頭にディザスターと、 もう一人のチームメイト伊達の順に狭い路地を進む、そこには正方形のステージ台があった。


「…これは」。

 ディザスターはステージに近づきステージ台を観る。

そこにはカードを配置出来る様に窪みと模様が彫られていた。

ステージ台の左手にはディスクがあり、カードをセット出来るように隙間が開いていた。


 まじまじと見ているとステージの向かいに男が立っているのが見えた。

男もこちらに気づいたようだったのでディザスターは男に声をかける

「おい。良ければ俺とDDTで対戦をしてくれないか?」。

向かいにいた男はげっそりとしており、こちらの誘いに驚いていた。


男の名は中島。


ディザスターのチームメイトの伊達は今の発言で額に汗を浮かべる

「ディザスター、いくらあんたでもゲームに負けたら何があるか分からないのにいきなり対戦なんて危険だ!」

 伊達はディザスターを止めようと必死だった。

ディザスターの表情には曇りはなくむしろ自信で満ち溢れてる。


その表情をみた慶次はニカッと笑い伊達の肩にポンと手を載せる

「ディザスターが負ける訳無いだろ?伊達」。

「それはそうだが、このゲームの前では初心者と何ら変わらない」

その会話を聞いた途端にげっそりとした表情の男はディザスターに問う

「あんた負けたらどうなるか分からないようだな」。


問いに対してディザスターは簡単に返答する

「ああ。」

すると男は目を見開きながら、まるで何かに怯えたような目をする

「俺は知っている負けたらどうなるか…」。


伊達は男の発言に驚きを隠せない

「ディザスター…あいつはきっと誰か倒している…経験者だ」。

 伊達はディザスターに改めて注意を呼びかける、がディザスターは先程にもまして自信に満ち溢れる表情をする

「…初心者だろうが経験者だろうが構わない」。


「でも負けたらっ」

 伊達はそれ程までにディザスターを心配していた、

だがディザスターは伊達にはっきりと伝える

「負けないさ、でも負けちまったらそれまでだと諦めがつく…だがやってもいない事にビビってたら何も出来ない、俺は力の限り全力を尽くして戦う」

ディザスターはステージ台の前に立つとサングラスを外し、正面の男を見据える

「で?俺と勝負してくれるのか」

ディザスターは男を見据えたままデッキを取り出す。


すると男はディザスターに返答をする

「いいだろう」

 げっそりとした男はデッキを取り出しステージにセットする、この男は思考した…

『こいつは俺との勝負が恐らく初めて。なら、俺は勝てる可能性が多いにある。しかもだ俺はさっきこの場所で1人倒し、そいつから奪ったカードでデッキを強化した…あの中で1番強そうなあいつを倒せばあの仲間の二人も倒したも同然、ついてる」

男のげっそりとした頬が左右に広がる。


「準備は良いな?」

ディザスターは男に確認を取る

男は頷く。

慶次はニコニコしながらステージに注目し伊達は緊張しながらステージを見守る。

『「サバイブ」』

男とディザスターは同時に叫ぶ。


ステージ台左側に数字が表記された巨大なプレートが出現

『「タイムクリスタルセットアップ」』

 掛け声により、巨大なプレートの上にクリスタルが並ぶ。

お互いの左手にあるディスクの上に縮小されたクリスタルが浮かび上がる!。



幕は切って落とされる

「先行はもらう」。

先行は男のターンからだ先行はカードをドロー、山札から引く事は出来ない。

初手札は互いに7枚

「俺はカード一枚タイムクリスタルゾーンにセット」。


 タイムクリスタルゾーンとは1から12まで数字が振られていて、1ターンに一度好きな数字の場所にカードをセット出来る。

そして、カードをセットする事でタイムクリスタルゾーンのセットされた数字と同じ数字を持つクリスタルが輝く。


「ターン終了」

ゲームに動きはなくディザスターにターンがまわる

「ドロー。カードをタイムクリスタルにセット終了」

ディザスターもターンを終了する

そして2ターン目も互いに動きは無く終了する。


第3ターン

男のターン

「ドロー、そろそろ本番だな

タイムスペルカード-ソニックタイム」


タイムスペルカードとは

タイムクリスタルにカードがセットされている事によりそのコストに見合ったそれぞれの能力を発揮する事ができる。

 

 現在、男のタイムクリスタルゾーンには3枚のカードがセットされており、クリスタルが3つ光を放っている。

「ソニックタイムの効果により手札を二枚タイムクリスタルゾーンにセットできる」

するとタイムクリスタルが先程は3つだけ輝いていたが、効果が解決するとさらに二つ輝いた。


 つまり合計5つのタイムクリスタルが輝いている

「タイムソニックを使用した場合モンスターをサモン出来ない、運が良かったな」

男はディザスターを挑発するようにしてターンを終了した。

「俺のターン…現在俺のタイムクリスタルは3つ輝いている、カードが三枚セットされているからな

よってコスト3までのモンスターをサモン出来る」


 サモンとはモンスターを召喚し、下部として戦わせる事ができる。

モンスターにそれぞれパワーとコストが書いてあり、タイムクリスタルが輝いている数以下のコストをもつモンスターを1ターンに一度だけサモン出来る。

 挿絵(By みてみん)

 現在タイムクリスタルゾーンの輝いている数は3つ、コスト3以下のモンスターがサモン可能。


「サモンDISASTERプリンセス」

するとサモンと同時にモンスターがステージの上に浮かび上がる!


DISASTERプリンセス

パワー500/コスト3

能力は無し。


「すげぇモンスターが現れた」

伊達は驚きで思わず口を開ける

「ディザスターのモンスターは名前までDISASTER!」

楽しそうに慶次はDISASTERプリンセスを見ている。

するとDISASTERプリンセスは慶次に手をフリフリと降る

「わぁすごいね!手を降ってくれたよ〜かわいぃ」

慶次ははしゃいで飛び跳ねている。 


「行けDISASTERプリンセス

プレイヤーにアタック

タイムクリスタルを破壊しろ」


ウフフフフ

プリンセスはクスクスと笑いながら、中島のタイムクリスタルを暴風と共に破壊する。

タイムクリスタルは12と11が破壊され、残りが10までとなる。


中島 TC(タイムクリスタル)12⏩10。

「クゥウッ」

中島は暴風に目をつむる。


そこでディザスターはフッと笑う

「プレイングミスをしたなぁ…お前。」。


中島の頬を汗が伝う

「何…?」

ディザスターは人差し指を立てながら語る。

「…タイムクリスタルゾーンの1~12 好きな数字の場所にカードをセット出来る、そしてカードをセットされた数以下のモンスターをサモン出来る」


「そのモンスターでプレイヤーへとアタックして与えられるダメージは2、よってタイムクリスタルは数字の大きな方から2つ減少する…これがどういう事か分かるか?…」

ディザスターの問いに対して中島はハっとした。

「そっ、そうか…

…カードをセットする場所を安易に選ぶと、そのセットした数字と同じ数字をもつタイムクリスタルが破壊された時セットされたカードが無駄になる⁉︎」


「だから必然的にカードをセットするなら理由が無い限りは数字の小さなタイムクリスタルから力を解放していく事になる。

アドバンテージをタイムスペルで稼いだはいいがこれで損だな…」。


 男は歯ぎしりをしながらディザスターを睨む

『俺はソニックタイムを使ってクリスタルの力を5まで解放した、でもその時解放したクリスタルの数字は5と11つまり、ソニックタイムを使って、加速したは良いが、手札を二枚使ってまでして解放した11のクリスタルをさっきの攻撃で失い、意味を無くした。

つまり手札を一枚無駄にした…

俺は初めてゲームをした時もバラバラにカードをセットして行ったがそのクリスタルが破壊されなかったが為にこのルールを把握していなかった…』

男は動揺し焦りが表情にでる。


 それを読み取ったディザスターは静かに言った

「…お前、初心者か?」


その発言に対して伊達は異論を唱える

「そんな訳が無いだろ!あいつはゲームに敗北した人間がどうなるか知っているんだぞ。」


 もしかしたら、ひょとするとこのディザスターなる男は"馬鹿"なのではないか。

 そのもしかしたらに掛けても良いのではないかと

「あっああ、俺はゲームを初めてやるんだ、お前と同じだ!ゲームに敗北した奴を見ちまって知っているだけなんだよ…ッ」

男は動揺した様子でディザスターに返答した。


「そうか…ならば…

…次の俺のターンは攻撃しないでおこう…」

中島は確信するーこいつは本物の馬鹿だ。


「ディッ⁉︎ディザスター⁉︎

そんな事して負けたら笑えない冗談だ!それに攻撃しないって…いくら奴がプレミしたからと言ったても、絶対勝てない」

ディザスターは静かに言った

「伊達…俺は試合をする時、常にフェアである事を望んでいる。 だから俺は"絶対"と言う状況が好きじゃ無いし、絶対と言うフィールドも無いと思っている」。


「別に"手加減でもハンデを与えた訳"でも無い…俺が相手ならそんな事されたら、許せないしな。ただ純粋にフェアに勝ちたいと思っているだけだ」

伊達はワクワクとした表情をみていると、何も言えないと思ってしまう。


「ありがてぇ… じゃあターンをもらう」

 男の動揺した表情は一変しカードをドローした、そして力強くクリスタルにセットし、それの力を更に解放する。 


男はカードを降りかざす

「俺のクリスタルの力は5まで解放済みッ

よってコスト5のモンスターをサモンする

サモン!トロールコング!」

トロールコングがステージ台に現れると、飢えた獣の様にディザスターのクリスタルを見つめる。


トロールコング

パワー2000/コスト5

能力は無し。


「ゆけぇトロールコング!

DISASTERプリンセスを破壊だぁ

トロルボンバー!」

トロールコングがドシドシとDISASTERプリンセスに近づくと手にもつ棍棒でなぎ払う!。


「クッ…」


ディザスターTC(タイムクリスタル)12▶️11


プリンセスの破壊とクリスタルの破壊を見ていた慶次はゴネる

「ひどいよあんな倒し方!

ゲームだから…仕方なぃけど、でも何でライフが減ってるのさ、

おかしいよ!プレイヤーには攻撃が通って無いし、その頭の悪そうなモンスターは能力を持ってそうに見えない」。


 伊達は言った

「このゲームではルール上モンスターが破壊されてドロップゾーンに行く場合同時に、プレイヤーのクリスタルを一つ破壊するルールがある」。


「そんなぁ…」

クリスタルが散って行くのを確認し男はターンを終了。


 そしてディザスターはカードをドローする。

「俺のターンカードをタイムクリスタルにセット、クリスタルの力を4まで解放して …ターンを終了」

ディザスターは静かにエンド宣言をした。 


「ホントにやりやがった…」

今の状況で何もせずターンを終えたのは慶次も伊達も驚いていた。


ターンが回ると、その本性を表すかのように高笑いを始める。

「馬鹿ァだよなお前」

「…......」

ディザスターはうつむき顔を上げようとはしない。


「かっこつけてるのか手札事故か、何かは知らなねえが

何もせずにターンを終了したりィイ

俺を初心者と勘違いしたりィ

お前って奴は馬鹿だよなぁ」


「俺はさっきここで一人、雑魚を葬ったばかりなんだよ!」。


 伊達は男に対し怒りを露わにする

「やっぱりあいつ、初めて何かじゃなかったんだ…!

ディザスターを馬鹿にしやがった」。


「それがどうした?お前達のプライドなんてもんは知ったこっちゃない…そろそろフィニッシュにしようじゃねぇか…

クリスタルは6まで力を解放したァ-コスト6と少々重いがさっき雑魚から奪ったカードの中にあったカードを披露しよう。

サモン-デビルクロークナイトっ!!」

姿は悪魔の様で立ち姿は騎士の様にスラリとしている、漆黒の鎧が輝く。


デビルクロークナイト

パワー2400/コスト6

能力???


男はニダァと笑いモンスターに指示をする

「ゆけぇトロールコング!奴の時間を貪り食え」

クリスタルが割れるたびに、バキンッバキンと砕ける音が路地に響く

ディザスター TC(タイムクリスタル)11⏩残り9。


ディザスターは俄然俯いたままだ。


「お前?何も出来なくて泣いちゃってるのかなぁ?

泣いてもぶっ殺すデビルクロークナイトォタイムクリスタルをぶち壊せ」。


破壊音が鳴り響く--バキンッバキンッバキンッ

タイムクリスタルは3減少した。 


ディザスターTC(タイムクリスタル)9⏩6


「なぜだプレイヤーへの攻撃でタイムクリスタルが破壊される場合、2つなハズだなのになぜ3減少したんだ!」

伊達は驚きデビルクロークナイトについてタブレットで検索を掛けようとする、すると慶次は妙に真剣な表情をする。


「きっとあれは、デビルクロークナイトの能力だよ…」

「なっ、、」。


男は頷く

「そのとうりだデビルクロークナイトが与えるプレイヤーへのダメージは3になるそうゆう事だ!」。


ディザスターのタイムクリスタルは残り6、ゲーム開始時の半分になっていた。

ディザスターはじっと俯くばかりで動きがない。


「おいおい諦めちまったのか?ゲームを始めるまえの威勢は如何したんだァ⁇」。


「フッ…」

ディザスターは鼻で笑うと顔を上げる、その表情はワクワクそのものだった。

「何がおかしぃ!」

男はディザスターの態度に腹を立てたのか声を張り上げた。


「お前…実に滑稽だな…無様だ勝った気になって生きがる、生きがる強さじゃ俺の強さには敵わないな」

「はっ?」



ーーディザスターはカード引く。


「ドロー」

引いたカードを見て、何かを確信した表情を見せる。


「テメェが何を引いたか知らねェが!この絶対的フィールド!トロールコングとデビルクロークナイト、更に次のターン雑魚モンスターで例えお前が壁モンスターを出してもピッタリライフ、タイムクリスタルが尽きるんだ‼︎」

男は言い聞かせるようにしてディザスターに宣言する。


「言ったハズだ絶対何てありはしない…DDTの真意を教えてやろうーー」

「ーー時空の扉を開き、時空より現れたディメンションモンスターが時をも破壊するそれがこのゲーム」


「俺は勝利のキーを引き込んだ…

それを使うにはお前を欺く必要があった。

まぁ予定より一つ多くタイムクリスタルを失ったのも事実だが」


「俺が騙されていた⁉︎欺いていたたのはむしろ俺のはず…」。


「…初めに言ったろう…初心者だろうが経験者だろうが構わないと。よって欺いたとは言い難いと思うがね」

「ーー俺が(さき)のターン何もしなかったのには意図があるーー

ーー自分のタイムクリスタルを減少させる事」

ディザスターの自信に満ち溢れる姿で男に動揺が走る。


「よく見ておけ…俺はこのチャージフェイズにカードはセットしない、そしてメインフェイズ タイムスペル

ディメンションオープンディスチャージを発動」。


エフェクトによりデッキからDISASTER時空の干渉人を

“表向き“でタイムクリスタルにセットアップ

これによりタイムクリスタルの解放値は5 。


「よってコスト5までのモンスターがサモン出来る、そしてサモン

ゲートモンスター DISASTER時空の干渉人!」


ディザスター以外の者が疑問視した!同じモンスターを何故二枚を展開するのか…⁉︎


「時空の干渉人が2枚⁉︎なにが起きる」

「ディメンションゲートが開かれしこの時、時空の歪みより現れる災厄の龍!DISASTER時空の干渉人はタイムクリスタルゾーンと場に存在し自身のタイムクリスタルが7以下の時、エフェクトを発揮する。DZ(ディメンションゾーン)を開きDM(ディメンションモンスター)をスペシャルサモンする!」


「スペシャルサモン!?

ディメンションモンスターをスペシャルサモンだとオ⁉︎」


「スペシャルディメンションサモンDisaster(ディザスター) Schwarz(シュバルツ) EVIL(エビル) Dragon(ドラゴン)


悪魔龍--エビルドラゴンの名を呼ぶと、空がヒビ割れその歪みから現れる、漆黒の身体に赤き眼光。


出現したDisaster Schwarz EVIL Dragonのカードの下には場とタイムクリスタルゾーンの時空の干渉人、さらにデッキより時空の干渉人を呼び出し計3枚を束ねている。


これをディメンションソウルと呼ぶ。


Disaster Schwarz EVIL Dragon

パワー3??0 /コスト-

能力: 不明


[ギュオオォォオーー]

EVIL Dragonの咆哮が響き渡る。


「EVIL Dragonのエフェクト

このカードはソウルを1つ使用し、相手の場の登場時のこのカードよりパワーが低いモンスターを破壊する。

Disaster Schwarz EVIL Dragonのパワーソウル1つに付きパワーを250上昇する…つまり3750以下の相手のモンスターを破壊」


「3750⁉︎そんなデタラメな!コスト5で出現したモンスターに俺の…モンスターが…」

男の表情は凍りつき小刻みに震え出す。


「俺が破壊するのは…デビルクロークナイト」


[ギュオオォォーーーン]

悪魔竜の凄まじい叫び、直後に黒い槍がデビルクロークナイトを破壊する。


 男のタイムクリスタルは10から9へと減少する

「そんな⁉︎俺のデビルクロークナイトがっ」。

「さすがディザスター♡」

慶次と伊達はデビルクロークナイトの消滅に満足する。


「元々は…お前のモンスターでは無いんだろ?

俺がお前の様な下衆にやられた者の魂を供養したまでだ」

「…くぅぅ」。


Disaster(ディザスター) Schwarz(シュバルツ) EVIL(エビル) Dragon(ドラゴン)でアタック。

更に、エフェクトこのカードのパワーが3500になったターン、攻撃時にこのパワー以下の相手のモンスターを破壊する」

男のタイムクリスタルは9から8へと減少する。


「そしてプレイヤーにアタック!」

" Schwarz(シュバルツ)

Lance(ランス)

Again(アゲイン)"

挿絵(By みてみん)


黒槍が男のタイムクリスタルを立て続けに破壊する

タイムクリスタルは8から6へ。

「クッ。まるで衝撃を実際に感じるみてぇだ」


「やったぞディザスターと奴のクリスタルが並んだ」


不敵な笑みを浮かべる男。

ターンを終了を宣言をするディザスター。


「ドロー…ふへへ。」

ドローしたカードを確認した男は不気味に笑う。

慶次はそんな男を引き気味で見ている。

「なぁ?カードゲームで最強の能力って指折り数えるなら何があると思うよう⁇」

男は問う。


ディザスターは答える「ーー破壊だ」

手札に影響を及ぼす能力

手札増強、破壊、

盤面に影響を及ぼす

能力無効、破壊、 

墓地に影響を及ぼす

除外、つまりは墓地破壊

ゲージやチャージなどコストを置く場所があるゲームならブースト、破壊

「やはりどの状況下でも最強のスキルだな」

ディザスターは言う。


「そのとうり

いくら強力なカードも、は・か・いされちゃー

意味ないよねぇ」

男は EVIL Dragonを見据える、

伊達は嫌な予感がした

「まさかッ」。


「ピーンポーン!大正解。俺が引いたのは ‼︎

タイムスペル!クラッシュクラクション!

能力により、相手の場のモンスターを破壊する!」

男が唱えたタイムスペルにより黒い霧が漂い悪魔龍を包み込む。


「死ねぇえデスクラッシュ!」


そして黒い霧は怪しく輝き始め突如、炎を飛び散らせながら爆発。

爆風で黒い霧が充満して、フィールドは見えずモンスターの有無は不明。

「フハッハハハ、ハッハッハッ

カードを何枚も積んで出したせっかくの切り札カードもこれじゃあな!!」男は高笑いをする。



しかし、ーー黒い霧が晴れると表情を曇らす。


「、、⁉︎ああっ⁉︎アッ」

その視線の先には赤き眼光の漆黒の悪魔龍ーー

ーーEVIL Dragon…。

「何故ッ?何故ッ!!効果が適用されない!!」

興奮しカードを何度もフィールドに叩きつける。


だがカードの効果は解決済みと言わんばかりのエラーの警報

「クソがぁああ、、インチキだぁあ」

男は泣きじゃくりながら エビルドラゴンを見る。

「 残念だがディメンションモンスターはディメンションモンスターで無ければ倒せないと言うルールがある。」

「ディメンションモンスターはこのゲームの軸になる、だから大層にカードを何枚も積んでまで出す必要性があるのさ」。


「うそだっ…」

男は泣きじゃくり、ターン終了を宣言。


「最後に貴様の名を聞いておこう」 。


ディザスターの問いに男は慌てて答える

「俺は中島新太、向こうでは会社員をやっていた

どうか助けてくれ。頼む」

サラリーマン中島は路上で土下座を披露する。


「貴様には心底飽きれた…」

「あれゃディザスターさん、怒っちゃうよ」

ディザスターは凄まじい気迫と剣幕で新たにDISASTERプリンセスを場にだす。 


「見苦しい中島。

もはや消すのに惜しみなど無い

DISASTERプリンセスでアタック」。


中島残りタイムクリスタル6>4。

「終わりだ! Disaster Schwarz EVIL Dragon

でファイナルアタック」。


中島-タイムクリスタル4⏩残り2。


ディザスターの動きが止まる

「やっぱり生かしてくれるのか⁉︎

あんたぁいい奴だぁ〜」

ディザスターを見つめる中島。


「…やっぱあんた馬鹿だッ」

ボソリと呟く中島。

ディザスターには聞こえない発言だ、だが慶次は聞いていた

「ダメだディザスターさッ、、」

「惜しみは無いと言ったはずだEVIL Dragonのエフェクト…このカードのディメンションソウル2の状態で相手に攻撃をヒットさせた時、それが2回目の攻撃ならディメンションソウルを2使用し、相手のタイムクリスタルを2破壊する」。


驚愕の表情のまま中島は固まる

TIME OUT


EVIL Dragonの咆哮が共にゲームの終了を告げた…。


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― 新着の感想 ―
[良い点] カードゲームを舞台にしたデスゲームで設定はとても面白かったです。 描きたいのが何よりもデュエルシーンということもすごく伝わってきました。 ゲームのルール説明はもう少し簡単にあらかじめ語られ…
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