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カードバトル/ダブルディティー  作者: KIRIー
インターバル編 紫宴パート
18/91

決着 総駕&紫宴

「行けHELHEIM(ヘル)δp(ドラ)άκωv(ゴン)ドゥクスにアタック」

     

 紫のオーラを纏ったヘルドラゴンが紫の炎を吐き出す。


ードゥクスのタイムクリスタルを紫炎が包み込む…

ドゥクス TC(タイムクリスタル)残り7へ。


「チィッ、私のターン!」

タイムクリスタルを半分近く失ったドゥクスにターンが回る。


TC(タイムクリスタル)の解放値はこのターン4つ‼︎」

私の手札のゲートカードは一枚、ここは手札を温存したい…、

止む終えないか…。

「コスト4、ライトニングキャットをサモン!

ライトニングキャットで天流寺総駕にアタックだ」。


シャァァア!


ライトニングキャットは全身の毛並みをビリビリと逆立て、総駕のクリスタル目掛け飛び掛かる。


総駕 TC(タイムクリスタル)残り7。


「まずい、、TC(タイムクリスタル)がっ」

「ターン終了だ」。


焦る気持ちを落ち着かせ総駕はカードを引く…

「俺のターン…来たっ」

"ドッグン""

引いたカードを見た総駕の心臓が大きく鼓動する。


「俺はタイムクリスタルゾーンにゲートカード-スペーシャルゲートファイブをオープンアップ!」。


ドローしたカードはフルチェンジ、それをフィールドに投げる

「更にタイムスペル!フルチェンジでカードをドロー‼︎」

総駕が勢い良くカードを引くーー

ーー直後、レルの声が響き渡る

「その瞬間、私はタイムスペルを発動!」。


「⁉︎」

「ウオッチナンバー!これによりこのターン、互いのトラッシュのカードをカードの能力で選ぶ事は出来ない」

 レルが場に投げたタイムスペルのエフェクトが解決されると、カードから鎧の番人が現れる。


「ジョーカーのスキルを封じに来たのか!」

「当然だ、二度も同じ手は食らわない」。


「ストレートに突き進む、サモン、ダイヤルゲートファイブ!」

「来るか!」

「スペシャルディメンションサモン!

来てくれ!∞No.の道化師(インフィニティナンバージョーカー)


総駕の呼び出したジョーカーに紫宴は満足気な表情をする

「来たね総駕」

「ああ!お前からもらった力でミストバタフライは俺が攻略して見せる」

総駕は紫宴と顔を見合わせる

「期待してるよ…」

紫宴は素っ気なく呟く。


「舐められたものだ、そう上手く行くかな?」

レルの目は総駕を真っ直ぐ捉えていた。


「スペーシャルゲートはトランナイトディメンションモンスターを呼び出したならコスト3以下をトラッシュに送る、パラダイムシフトをトラッシュに!」

レルの表情を見た総駕は、確かに前回とは心構えが違うと確信した。

 あの時、レルは俺をただのプレイヤーとしてしか認識していなかった。

そこから来る、驕りや傲慢さがあったかも知れない、だが今はそう言ったものが全く感じられない!。


対等の立場で認められた事はこの際危険度が上がった事になる。


「聞かせてくれ」

レルと向き合った総駕は質問する、強引にゲームが始まり戦う事になってしまい聞けずにいた事を

「何だ」


「俺にはパラパラがしようとしている事は分からない、だけど、正しい事をしようとしている訳じゃ無いのは分かる」

総駕が話を言い終える前にドゥクスが割って入る

「なぜ、そう言い切れるのかしら? 私は彼が正しいと思って協力してる」

「こんなに関係無い人を巻き込んで、人と人が消し合うように仕向けているからに決まってる」

「関係無いか、まぁそう思ってればいいじゃない」。


「⁉︎どう言う事だ」

「無駄だよ総駕、あのおばさんに聞いても答えはしないと思うよ」

紫宴は呆れたように言った。

「っ、レルお前はどうなんだ!」

「レルちゃんだって同じよ、?」

ドゥクスがレルを見る。


「…パラパラが正しいかは分からない、だが私にはこうするしか無い!」

「お前は本当は何が正しいかわかってるんだろ?だったら何で戦わなくちゃいけない」

「未来を切り開く為だ!」

「未来⁉︎、こんな戦いの果てにロクな未来なんてあるわけ無いだろ!」

「総駕、今僕達の未来はこの戦いに掛かっているのも事実だ、残念だけど戦うしか無い」

紫宴は総駕に進行を促す。


「っく」

総駕は唇を噛み締め次のカードを正面に翳す

「タイムスペル発動、ワンポーカー今ディメンションモンスターが場に居るプレイヤーで効果を解決させる!行くぞ!」

総駕とレルがデッキホルダーを叩く、互いに排出されたカードを公開する。


「私が引いたのは、コスト4サイレントノイズ!」

「俺が引いたのは!!コスト13‼︎(ノーアーマー)(クラブキング)‼︎」


「又してもお前は限界値を超えるのか⁉︎」

レルが総駕が引き当てたカードを見て目を見開く。


「コスト13⁉︎」

 総駕の引いたカードにドゥクスが驚愕する、これには同様に紫宴も驚かずにはいられなかった

「まさかオーバーリミットモンスターを投入してるとは思わなかったよ」。


「前回もこの、ワンポーカーとコスト13を引いたお陰で勝てたんだ、紫宴のお陰だよ」

「⁉︎…」

 総駕のこの発言は紫宴を震わせた…。

僕のお陰?、いや…それは紛れもなく君の力だ。

まぐれの一回なら分かるが二回目ッ!やっぱり君は、途轍もない可能性を秘めているのか⁉︎、僕はそれを知りたくなった…。


「この瞬間ワンポーカのエフェクトが解決、(ノーアーマー)(クラブキング)をディメンションソウルへ!」


「だがジョーカーのステータスは変わらない!」


「いいや、ジョーカーには、まだお前の知らないエフェクトがある!」

「何⁉︎」


 総駕が手札のカードをドロップする。


すると、道化師の姿をしたジョーカーの周りに風が渦巻く…

「ジョーカーはディメンションソウルを3つ以上全て排出し、手札を一枚捨てることで、ソウルのトランナイト一体のステータスと10分の1のパワーを得る」

ジョーカーのエフェクトが処理された次の瞬間、風が切り裂かれる。

ーー風を切り裂くのは棒状の武器、そして姿を表すのは妖精の様な緑色の衣装に換装したジョーカー。


「ジョーカーの元のパワーは2500、そしてキングの力は13000、その十分の1のパワー1300が吸収され、現在のパワーは…」


「3800っ!」

ミストバタフライのパワーを超えられたレル、そしてドゥクスは総駕を警戒すると共に策を巡らせる

「まずいわねレルちゃん」。


「だが能力で戦闘は回避できる、一度場を離れれば小賢しい能力も無力化される」。

冷静に分析したレルだったが総駕はそれを許さなかった

「今のジョーカーにそれは効かない!(ノーアーマード)(クラブキング)のエフェクトはターン中1度フィールドから居ない扱いに出来る、そしてターン中好きなタイミングで能力を終了出来る」。


ジョーカーのエフェクトを聞いたドゥクスが小馬鹿にする

「はっ?それじゃあミストバタフライは攻略出来ないわよ、どうやって倒すつもりよ」


「馬鹿だなぁ、気付かないの?」

それを紫宴は煽り、ドゥクスが腹を立てる

「な、何だっていうの! 」

「彼女は気付いてるみたいだけど?」

指摘されたドゥクスがレルを見ると、固まるレルの姿

「どうしたの‼︎」

「あのエフェクトの前では、ミストバタフライは羽撃けない…、此方のエフェクトを使用したタイミングに合わせてジョーカーが場に居ない状態になれば処理が行えず、ミストバタフライは場に残る、更にその直後にジョーカーを場に戻せば戦闘が行われる」。


「それじゃあっ」

「相性最悪って事だね、ナイスだ総駕」

紫宴が笑い顔を見合わせた総駕が頷く。


「バトルだ!インフィニティナンバージョーカーで、ミストバタフライにアタック!」


∞No.の道化師(インフィニティナンバージョーカー)

現在のステータス、パワー3800/エフェクト

このカードは1ターン1度場に居ない扱いにできる、この能力は好きなタイミングで終了できる。


「クラブロッドショット!」

 ジョーカーの攻撃がバタフライに迫る…。

ジョーカーの手に持つ等身ほどもある、先端がクラブの杖は緑色のエネルギーを放つ、放たれたエネルギーはバタフライを拘束し、

ジョーカーの一突きがバタフライに衝撃を与える!。


「ぐっディメンションソウルを取り除いて破壊を免れる、、更にカード、ドロー」

レルのタイムクリスタルが一つ砕かれ、残りが11となる。


現在のTC(タイムクリスタル)

総駕・ドゥクス7つ、レル11、紫宴12。


 ジョーカーの一撃が放たれた辺りはひび割れ、攻撃が終わっても修復はされない。

…時空の歪みが生まれた…。


レルがドローした直後、総駕が更に畳み掛ける

「まだだ、ミストバタフライには苦しめられた、あの時と同じ轍を踏んで溜まるか!」


「!?」

「タイムスペル!イカサマカジノ!」

総駕がカードをフィールドに解き放つ。


イカサマカジノ

タイムスペル

トランナイトモンスターのみ使用しているなら使える。

相手だけ手札が増加するエフェクトを使用した場合、引いたカードの内一枚をトラッシュしなければならない、更に同一のカードで手札が増えた場合ペナルティが課せられタイムクリスタルが一つ失われる。


「引いたカードを捨ててもらう」

「…」

レルは無言でカードをトラッシュする。


「なんなのあの子は⁉︎…ミストバタフライを使う度にディスアドバンテージを負う事になるなんて…」

ドゥクスは総駕への警戒を強めた。


「あれが天流寺総駕の力だ、彼奴は何か可能性を見せるんだ」

この時のレルは不思議と笑っている様にも見えた。


「いいメタだ総駕」

流れをつかみ余裕が生まれた紫宴が笑う。


ドゥクスが流れを変える為にレルに助言する

「レルちゃん天流寺が気になる気持ちは分かった、でも今はヘルドラゴンを持つ、奴から。

正直今のジョーカーはヘルドラゴンより厄介、だけど、桜紫咲から潰せば勝率はぐっと上がる!」


「分かっている」

レルは不思議と心を熱くさせられていた。


「俺はターン終了だ」

総駕がターンを終え、レルにターンが回る。


「私のターンだ!、行けミストバタフライヘルドラゴンをアタックだ!」

レルは気持ちを切り替え、ターン開始と共にすかさず紫宴に攻める。


ミストバタフライ

パワー2500vs2400

ヘルドラゴン


ミストバタフライは体を霧状に変え、ヘルドラゴンを包み破壊する、紫宴のタイムクリスタルが破壊され蝶の姿に戻る。


紫宴 TC(タイムクリスタル)残り11。

ヘルドラゴンは何事も無く破壊された為、総駕は首を傾げる。


 あれ程迄に警戒され、ましてや大会の賞品となったカードがあっさりとやられた事に拍子抜けする

「普通に…倒された、のか?」。


他のプレイヤーの顔色を伺うが、ドゥクスとレルは緊張して見える、そして紫宴は何事も無かった顔をしている…。


「私はミストバタフライのエフェクトを使いカードを一枚引く」

TC(タイムクリスタル)に余裕があったレルは、イカサマカジノの効果でタイムクリスタルを失うが手札を補充した。


レル タイムクリスタル残り10。


「ターンエンド…」

レルが静かにターンエンドを宣言し紫宴にターンが回る。

「僕のターンだ、、」

キリキリと張り詰めた中、紫宴はニタっと笑った

「さぁ蘇れ…ヘルドラゴン!」。


「ッ⁉︎」

倒されたカードが蘇る⁉︎…総駕は理解する、

ドゥクスとレルの表情に余裕が無く、紫宴は余裕さえ見せた事を…


「僕のタイムクリスタルを一つ捧げヘルドラゴンは場に戻る」

紫宴 TC(タイムクリスタル)残り10へ。

 次の瞬間、紫宴がタイムクリスタルを捧げたと同時に先程ヘルドラゴンが破壊された場所に異変が起きる。

 紫の炎が走り、炎が円を描く、その炎が勢いを増す、

…そして再び…ヘルドラゴンは姿を現す。


「死を体験したヘルドラゴンは死の世界より力を得た、エフェクトによってパープルカウンターを一つ場のモンスターに置くことが出来る、対象はミストバタフライ!」

紫宴がバタフライを効果の対象に取ると、バタフライの体の一部が紫色に点灯する。


プォォオ…

点灯した箇所の胴体は心臓部でゆらゆらと燃えている、バタフライが蝕まれているのが見て取れる。


「次の持ち主のターン、パープルカウンターが乗ったモンスターは破壊される…」。


現在、フィールドの状況はレルの場にディメンションモンスター、ミストバタフライ。


同様に総駕の場にはインフィニティナンバージョーカー。


ドゥクスの場にノーマルモンスターのライトニングキャット。


そしてターン進行中の紫宴の場には、ヘルドラゴン。


TC(タイムクリスタル)の残数は

総駕・ドゥクスが7つ、

紫宴・レルが10と試合は一見、拮抗している。


 場を見極めた紫宴は当初の予定どうりにドゥクスにこのターンも仕掛けに掛かる、ライトニングキャットはコスト4のパワー1300、紫宴の操るヘルドラゴンには及ばない。


「サモン、パープルナイト」

紫宴は新たに紫の騎士パープルナイトを場に出しバトルフェイズに突入する。


「行けヘルドラゴン、ライトニングキャットにアタック」

ヘルドラゴンは口を開き、紫炎を吐く、その炎がライトニングキャットを焼き払おうとする、だが…!この瞬間から情勢が覆る事になる…。 


「タイムスペル発動、待ってたわ!」

 ドゥクスの雰囲気が変わる、場に放たれたタイムスペルを見て紫宴は顔色を変えた

「何ッ⁉︎」

予想外のカードに紫宴は咄嗟に手札に手をかけるが対抗策は無い。


「ムフフ、このタイムスペルはカウンターカード、報復!」

 ドゥクスの発動した報復のエフェクトが発揮される。

場のライトニングキャットとヘルドラゴンが互いの手札に戻される、更にその直後、紫宴のクリスタルが砕かれる!

「グッ⁉︎」

紫宴 タイムクリスタル残り9へ。


余裕を見せていた紫宴が顔を歪めた事でドゥクスが笑う

「ずっとこの時を待ってたのよ!」。


「何が起きたんだ!」

 総駕は一瞬の出来事で追いついていなかった、それを聞いたドゥクスが得意げに言った

「教えてやる、タイムスペル報復は、自分の場のモンスターよりコストが大きいノーマルモンスターがアタックしてきた時、其れ等を手札に戻し、自分より相手のクリスタルが多ければ相手のクリスタルを一つ破壊する」。


ジュュュー…

紫宴のクリスタルが散り、紫宴は正面を向く。


「でも、僕のアタックはまだ残ってる、パープルナイト!行けっ」

「さて、どうしたものか」。

 ドゥクスはタイムクリスタルにそこまで余裕がある訳じゃない、だが精神的な余裕がここに来て見て取れる、総駕は薄々だが危機感を感じる。


「受けてあげるわ!」

ドゥクスが手を横に振り払いダイレクトダメージを受ける。

バキンッバキンッ‼︎

クリスタルの砕けちる音が響く…

ドゥクス TC(タイムクリスタル)残り5へ。


「ターン、終了」

紫宴はターンを終える。


「私のターン、、来たわ…」

ドゥクスが引いたカードは二枚目のゲートカード、これにより二枚のゲートが揃う事となる。


「私を怒らせた事を後悔しながらお前は消える!桜紫咲‼︎」

ドゥクスは手札から素早く二枚のカードを取り出す

「私は二枚のゲートカード、パストオブペインをタイムクリスタルゾーンに表で、更に場に1枚をサモンする!」。


「3体目のディメンションモンスターが来るっ!」

総駕は身構え手札を見る、防御札は幸い1枚ある…

「スペシャルディメンションサモン!

サーメペインナイトメア」

ドゥクスがディメンションモンスターを呼び出すその声は憎悪が篭っていた。


 呼び出されたサーメペインナイトメアは壊れたバイオリンを手にする、怪しげな西洋人形の見た目をしたモンスターだった。


「この瞬間、ディメンションソウルに入ったパストオブペイン二体のエフェクト!自分のTC(タイムクリスタル)が相手より4つ以上少ないなら、相手のTC(クリスタル)を一つ破壊し更にカードをドロー出来る!さぁ奏でなさい!サーメペイン!」

 ドゥクスが宣言したと同時に、サーメペインナイトメアが壊れたバイオリンを奏で、歪な音色が紫宴のタイムクリスタルを二つ砕く…!!


ドゥクスの腰元のホルダーからカードが2枚手札に流れるように加わる。


「ック…」

紫宴 TC(タイムクリスタル)残り7。


拮抗していた勝負だったが一気に戦局が変わった。


「バトル!サーメペインナイトメアでパープルナイトにアタック」

ドゥクスのアタック宣言。


 サーメペインナイトメアから黒い影が伸びる、黒い影は床を伝い辺りが黒く染まる、闇がパープルナイトを包もうとする!


「タイムスペル発動」

紫宴が攻撃を間近にTS(タイムスペル)を構える、発動されたスペルによってパープルナイトの辺りの黒い影が引き始める。


「このカードは、死の侵食。能力はトラッシュから蘇生したモンスターを使用していたなら使える、モンスターがアタックされた時、それをトラッシュに置き攻撃を無力化させ、相手モンスターは次のバトルを行うまで全モンスターの能力を使用できない」

 紫宴の発動したこのタイムスペルによってパープルナイトは残影になり姿を消す、そして、バトルが終了する。


しかし、これを見たドゥクスが笑う

「フッ、バカだね仲間の首を絞めるなんてね」

皮肉そうに言った言葉に総駕がピクリとする

「っ⁉︎」

「あら、彼は気が付いてないみたいよ、何も言わずに使うなんてかわいそうじゃない?」

ドゥクスは紫宴を見る、総駕も視線を向けるが紫宴に動じた様子は無い。


「なら私が教えてあげるわ」

「今発動されたタイムスペルであんたのジョーカーの能力も封じられたのよ」


「‼︎」

総駕は動揺したが、今のタイムスペルを使わなければ紫宴はダメージを負っていた為許容する。

「だがパワーは負けてない」


「ターンエンドよ」

ドゥクスは静かにターンを終える。


サーメペインナイトメア

パワー:2700


ターンが周り総駕はカードをドローする。

「確かに、能力を封じられたのは苦しい…

だが、それはレルも同じはずだ」


「バトルだ!∞No.の道化師(インフィニティナンバージョーカー)でミストバタフライにアタックだ!」


「いい判断だ、よく狙いに気がついてくれた」

総駕のアタック宣言に紫宴が頷く。


「紫宴の発動したタイムスペルの能力はミストバタフライにも影響している!今なら確実に追い詰められる!」

ミストバタフライのディメンションソウルは1つー

アタックが通れば次のレルのターンにパープルカウンターによって破壊される、そうなればレルは倒したも同然だ。


∞No.の道化師(インフィニティナンバージョーカー)のアタックがミストバタフライを貫こうとする、だか対面するレルは無表情のまま、その理由はドゥクスにあった

「誰が追い詰められたって?」


ドゥクスの手にはタイムスペルが掴まれていた

「タイムスペル!リフレクターペイン。

このカードは自分の場にサーメペインナイトメアがいる時、他のモンスターがアタックされているならアタックをサーメペインに移せる!」


「だがパワーはジョーカーの方が上だ!行けッ!クラブロッドショット‼︎」

∞No.の道化師は飛び上がり、矛先はサーメペインに変わる。

ーー等身ほどある杖を構え急降下する!

「罠だッ!総駕ッ‼︎」

紫宴が声を張る。


「ッ⁉︎」

「攻撃を受けたサーメペインはリフレクターペインにより攻撃される前のモンスターの数値分パワーを上げる、つまり、ミストバタフライのパワー2500が加算されるのよ‼︎‼︎」


サーメペインナイトメア

パワー2700≫5200 VS パワー3800

∞No.の道化師(インフィニティナンバージョーカー)


「なっそんな、、、」

総駕は足元から力が抜けた感覚になる。


「さぁ!喰らえ、リフレクターペイン‼︎」

サーメペインナイトメアはミストバタフライの影を吸い込み全身から黒いオーラを溢れ出す、黒い影でサーメペインが巨大にさえ感じられるーそして、∞No.の道化師(インフィニティナンバージョーカー)の等身ほどの杖の攻撃は闇に阻まれサーメペインナイトメアの奏でる音響によりジョーカーの全身が砕け散る‼︎…。



 ディメンションモンスターの∞No.の道化師(インフィニティナンバージョーカー)はディメンションゾーンに表向きで戻る。

…ソウルだったカード3枚分と自身が破壊された事で1つと、バトルによって1つ、合計5つのタイムクリスタルが砕かれる!


バキンッバキンッバキンッバキンッバキンッ


その威力は凄まじくジョーカーの破壊と共にクリスタルが砕かれ総駕は膝をつく…

総駕 TC(タイムクリスタル)残り2へ。


絶望的な状況の総駕をドゥクスが更に追い詰める

「サーメペインナイトメアのエフェクトが発揮される、このカードはモンスターと戦った終了時タイムクリスタルを一つ破壊する!」


「グァァアアア‼︎」

総駕 TC(タイムクリスタル)残り1つ。


 フラフラとした足取りで総駕は立ち上がる…

俯いたまま、静かに宣言する

「……ターン…エンド…」。


「かわいそうに、せいぜい恨むんだな仲間によって窮地に立たされた事を」

ドゥクスは勝利を確信した表情を見せた。


ターンはレルに移る

「私のターン、ドロー」

「この瞬間、パープルカウンターが取り除かれ

ミストバタフライは破壊だ」

紫宴がミストバタフライを指差すと心臓部の揺らめく紫の炎が燃え広がる

「ディメンションソウルを取り除き破壊を免れる」

レル TC(タイムクリスタル)残り9。


ミストバタフライのディメンションソウルを取り除いた事によりパープルカウンターが取り除かれクリアな状態に戻る。


「バトル」

 レルの告げたバトルの声が総駕の心拍数を一気に上げる。

総駕のタイムクリスタルは残り1つ、どんなアタックでも受ければ敗北する…。


「ミストバタフライ、桜紫咲にアタック!」

一瞬、胸を撫で下ろすがそのアタックはどの道致命傷になり兼ねない、紫宴は手札からカードを出す

「タイムスペル発動!ディメンションガード-ディメンションモンスターが相手の場だけにいるならアタックを無効にして一枚ドローする」

紫宴の発動したタイムスペルによってミストバタフライはタイムクリスタルを目前に障壁に阻まれる。


「ターン終了だ」。


「僕のターン、サモン、、ヘルドラゴン」

 紫宴はカードを引き手札に戻されたヘルドラゴンを再び場に出す、しかしドゥクスとレルの操るディメンションモンスターの攻撃力に及ばず停滞する。

「ターン、エンド…」。


「私のターン!とうとう貴様らも終わりだな」

ドゥクスがカードを引く。


「桜紫咲、お前は先のターンが実質的なラストターンだった、ディメンションモンスターを呼び出す唯一のチャンスを逃すとは」ー


ーー総駕はこの言葉にハッとし、俯いていた顔を上げ正面を見据えた。

 そうか…紫宴のタイムクリスタルは残り7つ、クリスタルの開放値は5つ、あと2つクリスタルを破壊されたらもうカードはセット出来ない、そうなればゲートカードは使えずディメンションモンスターは出せない、、。



「このターン開放値を5つに、サモン

クラッシュペイン!」


クラッシュペイン

パワー:2400


「バトルだ! 行けッ!サーメペインナイトメア、ヘルドラゴンにアタック‼︎」


この攻撃が通れば、サーメペインのエフェクトと合わせ紫宴のタイムクリスタルは2つ減少する…総駕の手が動く…!

「タイムスペル発動!」

『「⁉︎」』

紫宴を含めたプレイヤーが総駕を凝視した。


「タイムスペル、トランフォースシールド

モンスターのアタックを無効にする!」


「総駕⁉︎…どうして!」


ヘルドラゴンを目前にしたサーメペインナイトメアが、総駕の手に持つカードから放出される障壁に阻まれる…!。


「目の前で運命が変わるなら、、俺は変えてみたい‼︎」

「‼︎」

紫宴の心が揺れ動く…。


 ドゥクスのアタックが阻まれた事により、紫宴のタイムクリスタルは僅かだが余裕を残したままになる。

ドゥクスが睨む

「貴様ッ、よくも邪魔してくれたな、ならば貴様から消してくれる!行けクラッシュペイン、天流寺に止めを刺せ!」。


 総駕は身構え、目を瞑った…この世界に来てからの記憶がゆっくりと思い出される、そこにはデッキの持ち主が浮かぶ。

「始めてDDTの戦いを見た時俺は消えていったあの人に何も出来なかった…自分を守って何も変われなかった、だけど今は…少しは変われたかな?」

、、再び目を開く…クラッシュペインの手に持つ回転する刃が総駕のクリスタルを目前に止まる!


「諦めるにはまだ早いんじゃないか?総駕!」

 そこには紫宴のタイムスペルの力によってアタックを封じられたクラッシュペインの姿があった。


「紫宴!」

「タイムスペルは必要な時使おうと思ってたからね…パープルシールド!手札のパープルゲートを公開してノーマルモンスターのアタックを無効に出来る!」。


「よくも貴様ら…ターン終了だ」

2体のモンスターのアタックを終えドゥクスはターンを終了する。


そして、自分自信周ってくる事が無いと思われた総駕のターンが始まる…。


「君は凄い奴だ」

 カードを引く総駕を横に紫宴は呟いた…

「普通なら人は何より自分を優先してしまうハズだ、なのに君は自分が負けを覚悟して他人を優先した…僕は君を最後まで信じる」。


「俺のターン…!」

 緊張のドロー、手札を握る手からは汗が吹き出る…

タイムクリスタルは残り1つと後がない、立ち上がる足は今にも力が抜けそうだ。


けど…進むしか無い!


「ドロー、、お前は…!」

総駕が引いたカード…それは、ハートがプリントされたかの様な毛並みを持ち此方を見つめる目をしたキュートな小動物…

「ハートフルエース」。


…極限の状況下でこのカードを引いた事に諦めていたかも知れない…この世界に来たばかりの俺だったら。


「サモン!ハートフルエース」

総駕の呼び出すハートフルエースをドゥクスが笑う

「ハンッそんなペットで今更何が出来る?」


「ペットじゃない相棒だ!」

場に現れたハートフルエースに信頼した眼差しを向ける総駕の姿がレルの目に映る。

「天流寺総駕、お前は何を魅せる…」

レルは胸の高鳴りを自覚する。


「トラッシュにあるトランフォースシールドのエフェクト、ハート、ダイヤ、スペード、クラブそれぞれ1種類がフィールドかトラッシュにあるならデッキからトランナイトの属性をもつタイムスペルを加えられる、俺が加えるのは…ワイルドカード‼︎」


「そのカードを使いこなすとはね」

 紫宴はスッキリとした表情をしていた、たった今加わったカードは自ら総駕に託した1枚でもあったからだ。


「ワイルドカードだと⁉︎」

余裕が消え、動揺をみせるドゥクス


「タイムスペル!ワイルドカード、このカードは場のコスト1のエースの名を持つトランナイトがいて、タイムクリスタルが3つ以下ならディメンションゾーンに表で存在するトランナイトディメンションモンスターを呼び出せる」


ワイルドカードが場に放たれ緑に輝く光と4種のスート♠︎♣︎♦︎❤︎と1から13の数字が渦を巻きハートフルエースの周りを舞う。


「まさか⁉︎そんな事が」


「スペシャルディメンションサモン!

∞No.の道化師(インフィニティナンバージョーカー)‼︎」


キューーー‼︎


 凛々しい顔をキメたハートフルエースを囲う、4種の模様と13種の数字の陣が時空の歪みを生み出し、インフィニティナンバージョーカーが再び姿を表す。


「ジョーカーのディメンションソウルは2つ、ソウルを2つ取り除きトラッシュにあるトランナイトのステータスを得る、対象はダイヤシールドクイーン!」

 ジョーカーのエフェクトが解決されディメンションゾーンにダイヤシールドクイーンが送られる。


「バトル、∞No.の道化師(インフィニティナンバージョーカー)でミストバタフライにアタック!」

 ダイヤの煌めく衣装を纏ったジョーカーがミストバタフライに迫る。


 あらゆる能力を受け付けないダイヤシールドクイーンの加護によってバトルは成立する

∞No.の道化師(インフィニティナンバージョーカー)パワー3000 VS パワー2500

ミストバタフライ


 ジョーカーの持つ巨大な大鎌がミストバタフライを真っ二つに切り裂き、光の粒になってフィールドから消滅する。


バキンッバキンッバキンッバキンッ


レルのTC(タイムクリスタル)が4つ減少する。


「ターン終了」

バトルを終えた総駕はターンを終了。


「ドロー」

 ターンはレルに移るがここへ来て手札も少なくディメンションモンスターも失い、TC(タイムクリスタル)も5つとなり悟った様子を見せた。


「私からもお前に聞きたいことがある」

「…なんだ?」

「なぜお前はジョーカーを失い、タイムクリスタルが風前の灯火の状況で諦めなかった」


「俺が俺を変えたかったからだ」

総駕は真っ直ぐ前を見据えて言い切る、レルは少し笑い続けて話す

「そうか、ならば私も最後にお前からの問いに応えよう」


レルにドゥクスを含めた視線が集まる

「負けたプレイヤーについて」。


「レルちゃん⁉︎」

「「⁉︎」」

総駕と紫宴は息を飲む。


「ドゥクス、私はパラパラの選ぶ道の他に可能性があるならそれを見たくなった」


「そう…」

ドゥクスはそれ以上何も言わなかった。


「負けたプレイヤーは現在…放心状態でパラパラの管理下にある!…」

「っ、放心…状態⁉︎」


「彼らは今は何処にいるかは分からないが別の場所に居る」


「そんな事が本当に…」

動揺する総駕とは違い紫宴は冷静だった

「それを僕達に伝えて何が目的なんだい?」

「ただ人が持つ未来を変える力を見て見たくなった、それだけだ」 。


「私はアイスブロックをサモン、ターン終了だ」。


「総駕大丈夫か?」

「ああ…」

「無理も無いな、今度は僕の番だ」

紫宴はカードを引き手札からパープルゲート2枚を取り出す

「パープルゲートをタイムクリスタルゾーンにオープンセットアップ更にサモン」

2体のゲートが揃った事により辺りにビリビリと紫の稲妻が走る。


「スペシャルディメンションサモン!パープルリムーブ‼︎」

フィールドに姿を表したモンスターは大蛇の姿をしておりジロッと鋭い目でサーメペインナイトメアを睨む。


「パープルリムーブのエフェクト、ディメンションソウルを2つ取り除きサーメペインナイトメアのディメンションソウルを2つ取り除く!」

 パープルリムーブが自分のディメンションソウルを丸呑みにしサーメペインを睨むと、サーメペインを覆う影が引いて行く。


「これでサーメペインナイトメアのディメンションソウルは0、次の総駕のターンで処理出来る」

「バトル!ヘルドラゴンでアイスブロックにアタック!」


ヘルドラゴン

パワー2400 VS パワー 2300

アイスブロック


レルのタイムクリスタルが減少し残り4へ。


「パープルリムーブでレルにダイレクトアタック」

パープルリムーブがタイムクリスタルを連続して嚙み砕く!。


レル タイムクリスタル残り2へ


「ターンエンド」。


「まだ終わりでは無い、ドロー。

クッ…私はコスト4のブラストペインをサモン

バトルだ」

「サーメペインナイトメアでパープルリムーブをアタック!」


サーメペインナイトメア

パワー2700 VS パワー1500

パープルリムーブ


総駕、紫宴共にバトルを止める術は無い


バキンッバキンッバキンッバキンッ


「グァッ!」

紫宴のディメンションモンスターが破壊され、一気にタイムクリスタル失う。


「紫宴!」

総駕が叫び、紫宴はダメージを堪えた

「平気だ、このダメージは覚悟していた、後は決めろ総駕!」。


ドゥクスの新たに呼び出したブラストペインのパワーは1400、総駕と紫宴の場のモンスターを倒す事は出来ない

「…ターンエンドだ」。


総駕のタイムクリスタルは残り1

紫宴 タイムクリスタル3

レル タイムクリスタル2

ドゥクス タイムクリスタル5


「紫宴はパワーの低いディメンションモンスターをあえて出してタイムクリスタルを失う覚悟をしてこの状況を作った…決める

ドロー!」

引いたカードはダイヤルブーツー、トランナイトの二回攻撃を可能にするカード

「手札のダイヤルブーツーを捨て、ジョーカーはこのターン二回攻撃を可能にする!

バトル!サーメペインナイトメアにアタック」


∞No.の道化師(インフィニティナンバージョーカー)パワー3000 VS パワー2700

サーメペインナイトメア


 ジョーカーとサーメペインが打つかる!。

サーメペインの奏でる音響破がジョーカーを破壊しようとするがジョーカーは物ともせず突き進む!

「ストレートに決めるぜ!」


ジョーカーの一撃によりドゥクスのタイムクリスタルが一気に4つ砕かれる!


「グッ、こんな事が⁉︎」

ドゥクス タイムクリスタル残り1


「終わりだ!∞No.の道化師(インフィニティナンバージョーカー)でブラストペインにアタック!」


∞No.の道化師(インフィニティナンバージョーカー)パワー3000 VS パワー1400

ブラストペイン


ジョーカーの一撃がブラストペインを破壊し

ドゥクスの最後のタイムクリスタルが砕け散る


「負けた…だと」

ドゥクスは立ち尽くす、

脳裏に浮かぶのは総駕の人を動かす真っ直ぐな理想を体現した姿だった…。


「ターン終了」

総駕は静かにターンを終了する、


ージジジジジー


この時、ジョーカーが1度目に作った時空のヒビが広がっていた…そして今の2度の攻撃でまた空間がヒビ割れ音を鳴らしていた。


「私のターン」

レルはホルダーに手をかけカードを引こうとするが手を止める

「…」

「気づいているだろうが私に勝ち目はない」

レルのタイムクリスタルは残り2つ、コスト2までしかサモンできない。


「ドロー」

レルはカードを引き覚悟を決めた顔をする、

最後のターンを終えようとするのを総駕は察する

「待ってくれ」

ターンエンドを告げようとする寸前だった

「なんだ…」

「パラパラは一体何をしようとしてるんだ?」


「ど直球すぎだね、けど総駕らしい」

総駕の質問はあまりに真っ直ぐで思わず紫宴が笑った。


「以前話したが、完全なる世界を作る事だ

確かに奴にはそれが出来る」


「それが放心状態にするって事なのかよ⁉︎」

総駕は感情的に言った

「貴様らには解るまい、絶望した者達の痛みが!」

ドゥクスだった、総駕に対し声を荒げた

「身勝手な他者を傷つける人間が蔓延る世界など滅びるべきなのだ!そしてパラパラが作る世界こそがユートピアとなる!」


「ユートピア、ね…なんだか光の結社見たいで腹立たしいな」

紫宴はドゥクスの言ったユートピアと聞いて、光郷院と重なり嫌悪感を抱く

「あんな低俗なカルトと一緒にするな、

我々は世界全てを塗り替え世界を創造する!」

「へぇーそいつは凄いね」


ドゥクスと紫宴のやり取りを見てレルが言った

「実際私はそれが出来る事を知っている、

桜紫咲お前に言っておく、パラパラの持つ力は本物だ」

「まぁそっちの子が言うと少しは信憑性あるね」

「キッ、つくづくムカつくわねアンタ」

ドゥクスが紫宴を睨む。


「お前達がパラパラを信じるのには何か訳が在る、何と無く伝わったよ…そして彼奴にはそれを解決する絶対的な力があるって事か?」

総駕は真っ直ぐレルを見据えるとレルはコクリと頷き話し始める。

「私がこの世界に来る前の話だ…」


「そこは豊かとは言えない国だった、

当時私はその国の孤児院を支援する為訪れていた。

この国は内戦が行われていたが、それでも

子供達の笑顔が溢れていた、私は生き甲斐とさえ感じていた、だが…

日に日に激しさを増す戦争は孤児院にまで届きそうだった。

その場を離れる事を余儀無くされた、ある日!

一瞬で奪われた…何もかも、子供達の命は潰えてしまった。


同じ人間の手で!!


子供達には未来があった、可能性も、夢も希望も、私はそんな中ただ茫然と生き残り世界を呪った。…


そんな私に転機が訪れる、、

それがこのパラレルワールドとの出会い、

私はこの世界に呼ばれたのだ、そしてこの世界に私よりも先に居たのがパラパラだった、

パラパラは「私達はこの世界に選ばれた」

と言った。

そして私を見ると彼は同類だと口にし世界に絶望したとすぐさま言い当て私は彼に経緯を話した。

すると彼はこの世界を統べる力を持つと言いDDTのある力を見せた、そしてその力ならばもう一つの世界、地球をも変える事が出来るそう断言した…」


「その力がお前がパラパラを信じた理由なのか?」

総駕の問いに再びレルは頷き答える

「そうだ、彼奴が見せた力はDDTを統べる

創世龍の力!」


「創世龍…!」

「総駕、やっぱり僕の考えは正しかった

それこそがマスターキーの様な存在だ」

「創世龍の力は絶対的で抗えない、そう思っていた…」

「だけど、今は天流寺なら創世龍を超えて何か別の可能性を見せるような気がするって事かしら?」

ドゥクスがズバりと言い当て、レルがドゥクスを見るとその目からは憎しみが消え去りスッキリとした表情をしていた。


「創世龍を倒せばこの世界から戻れるのか?」

総駕が真っ直ぐな眼差しでレルの目を見つめるそんな時だった…

ーービリッ!ビリッ!ーー

「何だ⁉︎」

突如ヒビ割れた空間が広がり、ジョーカー攻撃し残した時空の歪みが1つになる!

その歪みに吸い込まれるように風が流れ始める…

「これは⁉︎、どう言う事だ…演出じゃ無いな」

歪みが何かを吸い寄せようとする事に紫宴が気がつく

「恐らく、調整段階のデッキホルダーと48のタイムクリスタルによって何らかのエラーを起こしたのだろう!レルちゃん!この勝負は私達の負けだ今すぐ投了(サレンダー)して」

ドゥクスがホルダーを外しレルも同じくホルダーを外しデッキを取り外すが歪みは消えない…


「どうなってんだ⁉︎」


ーーピュゴオオオーー

時空の歪みは風を先程にも増して勢い良く吸い込み歪みがより開き始める


「調整段階とは言え、ホルダーはテストプレイヤーを使って完璧だった‼︎」

悪化する状況にドゥクスが同様を見せる。


「テストプレイヤー⁉︎まさか」


「この場所では敗北者に永遠とホルダーを使ったDDTの対戦を行わせていた」


「ようやく繋がった、だからこの場所に敗北者を集めていた、しかし放心状態で実験的なテストプレイを行わせている現状を知られるわけにはいかなかったって事か」


時空の歪みが完全に開き二箇所のホールになる

「ウワァァア」

「くっ、マズイな」

ホールは総駕と紫宴を引き寄せる!

レルとドゥクスはホールが開く逆位置にいた為その場に何とか踏み止まる…


ジリジリと2人の足元を吸い寄せようとする

「総駕!捕まれ!」

紫宴は総駕に少しずつ近づきその手を伸ばす

「ック…うぉおおお」

少しずつ総駕が手を伸ばすが風と共に吸引力が増して行く


ーーピュゴオオオーー

「うっうぁあああ」

総駕の指が紫宴の指に触れる寸前、真っ暗闇のホールに体が一気に引っ張られる!

「総駕ッ‼︎」

紫宴が叫び手を掴もうとするが自分自身も総駕とは別のホールに引き寄せられてしまう…


「天流寺!創世龍の能力は」

風が吹き荒れる中でレルがその場で堪え伝えようと試みる。


「うわぁああああ‼︎」

レルが振り絞った言葉は風に掻き消され

総駕の身体が時空の穴に完全に飲みこまれる‼︎


「総駕ァァァーーーー」

「天流寺総駕…!」


総駕が時空の闇に飲みこまれたと同時にフィールドにいたモンスターが全て消え去り、紫宴も同時に暗い闇の中に飲み込まれる…。

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