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友達 八
「…澄風さんは、とても優しくて面白い神様だね。」
二人を見送った後、揺れる木漏れ日を眺める愛嘉理の言葉に吾生は微笑んだ。
「そうだね。いつも僕のことを気に掛けてくれるんだ。本当に感謝してるよ。」
「そっか、大切な存在なんだね。」
「うん。」
吾生は深く頷くと、悪戯な笑みを浮かべた。
「澄風はね、あんなに尊大な態度だけど実はとても謙虚なんだよ。」
「どういうこと?」
「そのままの意味だよ。自分のことが大好きなのは本当だけど、その一方で無力感に苛まれてたり。態度と裏腹な思いが結構あるんだ。」
「本当は人間のことが好きだったり…?」
「そう、何だかんだ優しかったりね。そこが澄風の魅力でもあるんだけど、何だか他人事には思えなくて…。」
愛嘉理には、吾生が少し悲しそうな顔をしたように見えた。
「吾生にも、隠してることがあるってこと?」
「え?ああ、うーん、どうかな…?」
誤魔化す吾生に、愛嘉理は真剣な眼差しを向ける。
「言いたくないなら、言わなくても良いよ。でも吾生がそうしてくれたように、私も吾生の力になりたいんだよ。それだけは忘れないでね。」
「うん、ありがとう。」
吾生は儚げに笑った。




