披露会のことよね
「はいはい、わかっていますわよ。お前がお人形にした女の子の披露会のことよね。いいようにしていますよ」
真那は今となってはアナクロにも思えるスケジュール帳をペラペラめくりながら確認していた。
「ところで、お人形さん大丈夫? 披露会の時に”早く人間に戻して”なんて騒がないかしら? まあ、それも余興なんてゴマ化すのも面白いけどね」
「それは大丈夫ですわ。今回の被験者はみんな”ロボフェチ”の傾向がありますから。まあレオナとわたしと同じ性癖というわけですわ。
なんだって、自分の身体が機械に包まれた快感といったら・・・また着たいですわ」
真那は少々呆れたという表情をしていた。もっともこの研究所を始めたのも自分が機械を着れるようにする装備がほしいとはじめたものであったが。
もっとも、今は一年三百六十五日予定が詰まっているので、”娘たち”のように開発したスーツが着れないのが残念で仕方なかった。
「それはそうとレオナも着たんだよね? どう、歩けるようになった?」
「ええ、歩けますわよ。これでお母さまが言っていたレオナの下半身サイボーク化計画は凍結でいいですよね? 一応試作品も完成しているけど気が進まなかったからよかったわ。でもお母さまは少々残念だと思っておられるのですか?」
「それはないわ! あの子たら私の少女時代と同じ姿形をしているからこっちも気が引けたわよ! まあサイボーク計画は適当な被験者がいたら凍結解除してもかまわないわ!」




