四体のサイバロイド・ガール
アイミ・アカリ・レオナ・ミキの四人、いや四体のサイバロイドが研究所の中庭に集合していた。四体は人間の組織を内蔵した機械少女人形だ。もちろん、人間体に戻すのは可能だが、いまは機械としてなりきるための慣熟起動試験をしていた。
サイバノイドは人間の肉体の内外を包み込むことで、人間らしい外観を奪い最初から機械として生まれていたような感覚を与える一種の機ぐるみだった。サイバノイドに覆われた人間は絶えず人間としての尊厳を否定され、モノ扱いされる事に耐えなければならなかった。
この時、レオナ以外の三人は戸惑う感情しかなかった。全身が金属や特殊有機素材に覆われ、体内にも違和感があったからだ。特に下腹部と腹部の違和感は酷かった。何か別の生命体に侵食されているような感覚に襲われていた。
その感覚を後で男性経験のあるアイミとアカリに言わせれば、男を受け入れてしまったようだと例えた。敏感に感じる部分に違和感があったのだ。しかもなんか心地よかったからたまらなかった。
「そこのレオナ以外の三人。変な気分にならないでよ。管理プログラムが壊れてしまったように思われるようなことをしないこと! 今はあなたたちは機械少女人形なんだから!」
サクラの手厳しい声が中庭に響いていた。




