アイミ・アカリ・レオナ・ミキは備品!(5)
レオナはサクラと同じクローンだった。受精卵の遺伝子を操作してこの研究所を設立した女性と同じ遺伝子を持つ人間として誕生した。
元々年齢差はひとつしかなかったが、その女性の「冷凍睡眠」実験のために数年間眠らされていた間に年齢差が生じてしまった。しかも、その時の後遺症で下半身の神経系が破壊されてしまい、歩行が困難になる障害をおってしまった。
そのため、レオナはサイバロイドにされて久しぶりに自分の足で歩けるようになって嬉しくってしかたなかった。しかし、これには問題もあった。サイバロイドにされた女性はサクラ以外は備品扱いにされる規則になっていたからだ。
サクラが着ていたサイバロイドのスーツをレオナが着れる様に調整して着せていた。だから「姉」のお古を「妹」が着たようなものだった。
「レオナ、いままでだったらこの研究所の主任研究員の一人として働けたのに、それを着ていたらモノ扱いよ。それは我慢してね」
「お姉ちゃん、それは覚悟の上よ! そのかわり自分の足で立てるようになったのだから。それに機械の研究をしてきた私が機械と一体化して気持ち良いのよ! 本当は一生このままいたいわよ」
「その気持ち分かるわよ。私は一生サイバロイドは着続けるのは無理だけど、レオナは堪能してね。でもモノ扱いというのは不憫よ。あなたとわたしは違う魂を持つ別人だけど、遺伝子は同じクローンなんだから・・・」
そういって、サクラは外骨格に覆われたレオナの身体をそっと抱きしめていた。




