アイミ・アカリ・レオナ・ミキは備品!(4)
サクラに早く慣れなさいといわれたが、アカリは自分の身体が機械そのものにされたような感覚に、ただ驚愕していた。
身体の表面は硬質の外骨格に覆われ、視界には様々なデータの羅列が映し出されていた。また呼吸はしておらず、背中から熱交換システムの静かな動作音だけが聞こえていた。
アカリは人間ではなくなってしまったと悲嘆にくれてしまった。しかし涙は出てこなかった、眼窩にはなにやらコーディング剤に覆われているようで、本来の瞳を開けることが叶わない状態だった。アカリが知覚している画像はフェイスガードに装着された外部カメラの映像を直接脳漿に伝達していたのだ。
それで、おもわずアカリは自分の身体を手で撫で回していた。すると硬いはずの身体に触れるとなんともいえない快感に襲われたのだ。それはまるで一種のエクスタシーのようだった。自分はこんな身体にされたので異常な状態になってしまったというのだろうか?
「わたし、機械になった身体が気持ち良いよう! ロボットがこんなふうにエクスタシーを感じるなんて考えてもみなかったわ」
そういってアカリは自分の身体を撫で回してうっとりしていた。もしこれを生身の女性が同じ事をしていたら、ただエッチだと大多数の人間が思うところであるが、機械はこんなことをしていたら狂ってしまった機械にしか見えないところであっただろう。
だが、ガイノイドアカリの内臓は灘崎朱莉であり、彼女の肉体を部品の一つとして組みこむことで誕生したのがアカリだった。アカリは機械に生まれ変わってきたのだ。




