表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
若き元社長の、創造能力。  作者: 大岸 みのる
第二章:六部・若き元社長の、記憶喪失。
59/60

プロローグ

 日中、夜間問わず暗闇に包まれた洞窟。壁に掛けられた青い炎のみが、この湿度の高い空間を照らす。

 ただならぬ雰囲気を放つ数人が、ある者を中心に集まった。


「……団長。目標の居場所が確認できました」

「ふふん、さすが早いわね」


 団長と呼ばれた女は機嫌良さそうに目を細める。

 彼女はオレンジ色の髪を揺らし、ローブを纏った者の頭を撫でた。


「よくできましたっ!」

「ありがたきお言葉」


 片膝を着き、低姿勢で団長に頭を下げる。


「別にもったいないとかないと思うよ! ただ、みんなで仲良くしたいじゃん? ね?」

「……ええ、そうですね。仲良く」


 ローブを纏った男の声は低く、自分の玩具を没収された子供。

 しかし、そんな男の雰囲気を気にすることもなく、団長は笑顔を洞窟に放ち続けた。


「天からの贈り物だよね! これで、大人しくアタシのものになってくれればいいけどさ!」

「それは難しいんじゃないですかね」


 男は立ち上がり、バジリーナに微笑む。不気味な笑みを受けてもバジリーナの顔色は一瞬も変化はない。

 むしろ、更に上機嫌になったかのようでもある。


「そうだね。でも、だからこそ、アタシは君を仲間にしたんだよ?」

「ええ、団長の目的はなんでしたっけ?」

「えー、また説明しなきゃダメ?」


 おねだりをするような顔でバジリーナは、男を直視。ビキニアーマーという妙に露出の多い団長の魅惑ボディと合体すれば、どんな男も心が高鳴るものだ。

 この男もまた例外ではなかった。

 団長は唇に人差し指を当て、しーっと静かに囁く。

 男の耳元で、悪魔の吐息が掠る。


「……この世界で一番強くて恐れられる存在になることだよっ」

「え、ああ、そうですよね」


 甘いフェロモン全開の団長の言葉と吐息に、何を話していたのか忘れかけていた男。

 すぐに我に返り、己の悲願をつぶやく。


「……俺様の目標は、九星 大地を倒すこと」


 自ら団長は男と距離を置いて、背を向けた。


「でも、本当に倒しちゃダメだよ。アレは『天井天下無双魔王譚バジリーナちゃん計画』には必要な人間なんだから」


 バジリーナはそう言って微笑んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ