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目覚めたら大好きなアニメの悪役令嬢でしたが、嫌われないようにしただけなのに全員から溺愛されています。  作者: 月影みるく


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第16話 過保護ルール制定!

魔法の練習が終わった、その日の夜。


 私は自室のソファに座らされ、目の前の光景をぼんやりと眺めていた。


(……なんで、こうなった)


 部屋の中央には、父と母。

 その隣に、ユリウスお兄様。

 レオンハルト王子。

 そして、エリオス、セレス、カイ、ノア。


 全員、真剣な顔をしている。


「では、ルクシアに関する今後の方針を決める」


 父の低い声で、会議が始まった。


(会議……?)


「まず第一に」


 父が指を一本立てる。


「ルクシアの単独行動は禁止だ」


(……え)


「えっ?」


 思わず声が出た。


「屋敷内であっても、必ず誰かが付き添うこと」


「当然だね」

「当たり前だよ」


 ユリウスとレオンハルト王子が、即座に頷く。


(即賛成!?)


「第二」


 父は続ける。


「魔法の使用は、必ず大人の立ち会いのもとで行う」


「はい」

「もちろんです」


 今度は母とエリオスが頷いた。


(……私の意見は?)


「第三」


 さらに指が立つ。


「体調が少しでもおかしいと感じたら、即座に申告すること」


「異変を感じたら、すぐに知らせてください」

「無理は絶対にだめだよ」


 セレスとノアの声が重なる。


(……包囲網)


「第四」


 父は何事もなかったかのように続ける。


「就寝時間は必ず守ること」


「第五」


「外出は原則禁止」


「第六」


「疲れたら、すぐ抱っこ」


(……え?)


「それ、必要ですか?」


 思わず聞き返すと。


「必要だ」

「必要だよ」

「必要だと思う」


 三方向から、即答が返ってきた。


(全会一致……)


 レオンハルト王子が、真剣な顔で言う。


「ルクシアは、守られるべき存在だから」


 ユリウスも、強く頷いた。


「無理させるくらいなら、過保護でいい」


 ――こうして。


 **『ルクシア過保護ルール』**が、正式に制定された。


 ◆


 ……その翌日。


(……ちょっとくらい、いいよね)


 私は自室の扉の前に立っていた。


 目的は、ほんの数歩先の廊下。

 誰もいない今なら、少しくらい――


 そっと、扉を開ける。


 一歩。


「ルクシア」


(早っ!?)


 背後から聞こえた声に、全身がびくっと跳ねた。


 振り返ると、そこにはユリウスお兄様。


「どこ行くつもり?」


「えっと……お、水……」


「言えば持ってくる」


 にこり、と笑う。


(圧)


 その瞬間。


「ルクシア?」


 今度は反対側から、レオンハルト王子の声。


「一人で動いちゃだめって、決めたよね」


(挟まれた)


 さらに。


「今、単独行動でしたよね」

「心拍、少し上がってます」

「大丈夫?」


 いつの間にか、エリオス、セレス、カイ、ノアまで集まっていた。


(……包囲網、完成)


「……ごめんなさい」


 小さくそう言うと。


「ほら」


 ユリウスが、私を抱き上げる。


「移動はこうするって決めただろ」


(抱っこもルールなの!?)


「水、持ってくるね」


 レオンハルト王子は、すでに準備万端だ。


(……自由とは)


 でも。


 抱き上げられた腕は、驚くほど優しくて。

 みんなの表情は、本気で心配していて。


(……まあ、いっか)


 私は小さく息を吐いた。


 過保護ルールは、破る前にバレるらしい。


 そして今日も私は、

 大切に守られながら、生きている。


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