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目覚めたら大好きなアニメの悪役令嬢でしたが、嫌われないようにしただけなのに全員から溺愛されています。  作者: 月影みるく


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1/7

第1話 目覚めたら、悪役令嬢でした。

異世界転生/悪役令嬢ものです。

のんびり破滅回避するつもりが、溺愛されていくお話です。

 ――あれ?


 ぼんやりとした意識の中で、私は目を覚まそうとした。

 けれど、まぶたは重く、身体はまるで言うことをきかない。


「……あー……」


 喉から漏れたのは、言葉にならない小さな声。

 その音を聞いた瞬間、嫌な予感が胸をよぎった。


(……声、赤ちゃんじゃない?)


 最後の記憶は、深夜のベッドの上。

 大好きなアニメを何度目かも分からないくらい見返しながら、

「この悪役令嬢、顔が良すぎるんだよなぁ……」

なんて考えて、そのまま眠りについたはずだった。


 なのに。


「まあ……なんて愛らしいお子なのでしょう」


 優しい女性の声と同時に、ふわりと身体が抱き上げられる。

 視界が少しずつ開け、ぼやけた世界の中に、豪華な天蓋と知らない天井が映った。


(……ここ、どこ?)


 そして、差し出された小さな鏡に映った姿を見て、私は固まった。


 絹のように美しく、透き通るような白色の髪。

 宝石のように澄んだ青い瞳。


(……え)


 見覚えがありすぎた。


(これ……私が大好きだったアニメの……)


 ――ルクシア・ノクティス。


 物語の中で、誰よりも美しく、誰よりも嫌われ、

最後には断罪される運命の悪役令嬢。


(嘘でしょ……)


 心臓がどくん、と大きく跳ねる。


(私、転生してる……?

 しかも、よりにもよって……)


 頭の中に、原作の展開が一気に流れ込んできた。

 傲慢な態度、誤解、孤立、そして破滅。


(……無理。そんな未来、絶対無理)


 でも、ふと気づく。


(……今は、まだ赤ちゃん)


 つまり、まだ何も始まっていない。


(だったら……)


 私は、小さな胸の中で決めた。


(嫌われなければいい)


 悪役にならなければ、破滅しない。

 誰に対しても優しく、誠実に生きれば、未来は変えられるはず。


 ――嫌われないように生きよう。


 その瞬間、ふわりと、淡い光が私の周囲に舞った。


「……光?」


 ざわめく大人たちの気配。

 息を呑む音が、はっきりと聞こえる。


「まさか……光属性……?」


 この世界では、

光属性は“世界に一人だけ”と決まっている。


 そして今、その力は――

確かに、私の中で静かに息づいていた。


 けれど。


 誰も、まだ知らない。


 この胸の奥に、

もう一つ、名付けられていない何かが――

確かに、息づいていることを。


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