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ハチャメチャな世界でわたしが奮戦する物語   作者: タラコパスタ
はじまりの物語 グリモンド王子との邂逅
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グリムンド・フォン・アスタリカ第一王子との出会い

街を出て開けた広場に行くと、グリムンド王子が馬に乗る練習をしているのが見えてきました。

よく見ると少し離れたところに10名ほどの兵士が囲むように見張っていました。

一応、護衛はついているようですね。


王子に声を掛けます。

「グリムンド王子でしょうか?」

「そうであるが、そなたは誰じゃ」

「聖女のジュリエッタと申します。このたび王宮より王子にレベル上げや基礎教育などを協力するように申し付かった者です。」

「そうであるか。分かった。そなたは聖女なのであろう。無理やり剣の修行をしろとかは言わないよな。」

「剣の修行は言われておりませんが、レベル上げには協力するようにと言われております。自分のスキルには回復魔法と蘇生魔法がありますのでかなり厳しい修行をしても死にそうな目にあっても、お命の保障はさせて頂けますよ。」と笑って言います


するとグリムンド王子は少し考えた上で、真剣そうな面持ちで

「厳しい修行も死にそうな目に合うのも嫌だが、レベル上げの修行は必要だと考えている。修行をする前に少し話したいことがあるのだが時間を貰っても構わないか?」

この返事には驚きでした。てっきり修行は嫌いなのかと思っていたので、なにか話が食い違っているなあと思いました。

場所を変えて、更に詳しく話を聞きたく、教会を選びました。

教会には懺悔室というノイズキャンセリングの魔法を施した部屋があり、外部からは会話を盗み聞きすることはできません。

という訳でロードの街の教会に向かいました。

懺悔室に入ると予想通りに、『あたりまえ』のように室内に盗聴器が仕掛けられていました。

人間、聞けないとなると聞きたくなるものです。

盗み聞きは簡単に人の弱みを握ることもできます。

ノイズキャンセリングの魔法は部屋の壁に施されていますが、部屋の中に盗聴器があれば盗み聞きは可能です。

この盗聴器を見つけて集音部分に思いっきり爆音魔法を炸裂させたところ、どこかでドサっとものが倒れる音がしました。おそらく盗み聞きしていた人は耳の鼓膜が破裂して失神したのだと思います。


しばらくは耳が聞こえない不自由な生活になりますが、実は鼓膜は数か月で勝手に再生するので気にする必要はありません。

盗み聞きしようとしている方が悪いのですから自業自得です。

まあ、わたしに依頼してくれれば特別サービスのボッタクリ価格金貨100枚で、耳の鼓膜を再生してあげますよ。


懺悔室でグリムンド王子と向き合っているとぽつりぽつりと話はじめました。

「余は、命を狙われておるのじゃ。今までも剣の修行と言いながら何回も何回もそれは数えきれないくらい命を狙われておる。そこで剣の修行を断ってきたのだが、最近は命を狙うのも露骨になってきておって、そろそろ厳しいなあと思ってたところじゃ。そこで王都からロードの街に逃げてきたのじゃ」

なるほど、本来は王宮にいるはずの第一王子がロードの街にいたのはそういう理由だったのですね。

「はあ、それではわたくしのことは信頼できると・・・」

「そなたは勇者パーティ『龍の輝き』にその人アリと言われた、当代きっての回復魔法の使い手のジュリエッタだろ?聖女になったようだな。

実は余は、その人が自分に害意があるかどうかが自然と見分けられるのじゃ。いわゆる人物鑑定というやつじゃな。王宮にいる連中は父上母上を除けば皆信頼に値しないものばかりなのじゃが、そなたは一目で信頼が出来るとわかったぞ。」

「はあ、信頼頂けるのは幸いですし、その様子ではレベル上げにもご協力頂けそうで何よりです。」

「そうじゃな。この町は低レベルの魔物しかいないようなので、ここである程度レベルを上げてから仲間を募ってダンジョンにも潜ってみたいな。」


なんとやる気満々じゃないですか。これは思わぬ幸運でした。


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