ロードの街へ
今、私の滞在しているところは、ハンブルクという港町です。
北には竜や魔物が跋扈する炎龍山脈、東には帰らずの森と呼ばれ、魔物が跋扈しています。
西は海に面していて海の魔物が多数生息しております。
ハンブルクはいわば魔物討伐の前線基地の役目を担う街です。
南側には道が開けており、ロードの街まで徒歩で4日、そこから更に王都シュバインタルトまで徒歩で8日です。
ニケ神の託宣は南に向かえと言ってましたので、乗り合い馬車で移動することにしました。
徒歩で4日の距離も、乗り合い馬車なら僅か1日で済みます。
馬車の利用者は、騎士の方が大半です。
王都シュバインタルトとハンブルクの間の交代要員の兵士さんなのでしょうね。
今回は、何かあっても騎士さんたちが私を守ってくれるので安心です。
朝から馬車で移動したこともあり、その日の夕方にはロードという小さな街に着きました。
やっとまともな部屋で寝れそうです。
とりあえずは、ロードの街に着いたら真っ先に行くのは教会です。
聖女としての責務は神への祈りを欠かさないことです。でもその代わりに教会で寝泊まりができ、お布施をすれば食事も頂けます。お布施をしなくても食事を頂けたりすることもあるんですけどね。
教会で祈りを捧げた後に、食事を頂き、生活魔法で身体洗浄を行ってから寝床につきました。
でも色々な事があったので寝床についてもなかなか眠れません。
そこでとんでもない事に気が付きました。
勇者パーティを抜けたのに冒険家ギルドに届け出をしていませんでした。
夜が遅いので、もう冒険家ギルドは締まっているかなと思いましたが、幸い明かりが見えましたので冒険家ギルドに入っていきました。