ニケ神からの託宣 南へ
さて、基本スキルの譲渡も終わり、去って行く勇者パーティに手を振りながら、これからどうしようかとぼんやりと考えていました。
お金はあるし、レベルも95というのは、一般的な人からすれば並外れた戦闘力を意味しております。それがたとえ回復術師であったとしても。
回復術師になる前は教会の修道女をしていたところを、者アーサーに請われて「龍の輝き」に入ったのでした。
数々のダンジョン効力をこなしてきた結果が、レベル95という数字に現れています
元修道女いうこともあり、教会に戻ると言う選択肢もありましたので、重い足を引っ張って教会に向かいました。
教会の中に入ると夜が遅いということもあり、人は誰もいませんでした。
ニケ神像の前で祈りを捧げていると、突然天上より頭に声が響いて来ました。
「ジュリエッタよ、汝に託宣を授ける。
そなたを聖女して認定するので、これからは聖女と名乗り、聖女としてこの世界に貢献し、聖女としての人生を歩みなさい。
更にこの後は、この街を出て南に向かいなさい。そこで新たな出会いがあるであろう。
なお、報酬の前渡しとして我ニケ神より3つのスキルを与える事とする。」
どうも勇者パーティにスキルを譲渡したのが神様の目を引いたのか、お気に召されたようです。
貰ったスキルを見ると、ストレージ、テレポート、鑑定となっていました。
ストレージは、収納魔法の一種でこの世界ではマジックバックが普通に存在しております。といっても1kg程度のものを収納するのがせいぜいですが。
与えられたストレージは次元収納とも呼ぶべきもので破格の大容量と複製などの機能を備えた優れものである事が後程に分かってきました。
テレポートは、今いる場所から別の場所へ空間を繋いで移動する高位の転送魔法です。
鑑定ですが、普通の鑑定は物体の鑑定を行うもので毒物か可食物かどういう物質なのかを教えてくれるのですが、わたしに与えられたのは規格外で遠隔からの人物鑑定なども行えるようです。
折角のニケ神からの贈り物なのでありがたく頂戴しておくことにしました。
お祈りしながら「スキルをありがたく頂戴致します、仰せのままにこれより南に向かい新たな出会いを探しに行きます」と念じた。
その日は、夜も遅かったことから教会に宿泊させて頂くことにしました。
主人公のステータス
聖女 ジュリエッタ ♀ Lv95
基本スキル :蘇生Lv50 聖領域Lv25 回復Lv20 身体強化Lv20
ストレージ(∞) テレポート(∞) 鑑定(∞)
特殊スキル :スキル譲渡
称号 :聖女(ニケ神によるクラスチェンジ) 献身者 ニケ神の祝福