掛け合う十首 春夏秋冬
〈花〉
春風に 揺れる心は 木漏れ日の
葉擦れの音も 君と思えば
馬鹿らしい 男子の輪には 入らずに
少し澄まして 佇むあなた
たくさんの 女生の中に 君探す
かぶる声にも 艶があるから
喇叭吹く 吹奏楽の 物の音は
さぼっていると 丸分かりだな
〈納涼〉
夏前に 思い告げねば 覚悟決め
茶化す声さえ もはや消え失せ
背伸びして まとう浴衣で 大人びる
手を引くよりも 褒めてほしいぞ
上衆めく リードしようと はりきれど
人混み多し 花火はじまる
瑠璃色で あふれた夜空 歓声に
紛れるように 交わす口先
気持ち替え 誘う海辺は 晴れ模様
目を射る水着 天日と託つ
つかの間の 長い休みも 一息に
終わるほど乞う 真夏のセピア
〈月〉
秋草の 結ぶ絆は 文化祭
どこを回ろう 「だれ」は悩まず
ズームイン 自主制作の オムニバス
出来の悪さが 笑みを誘う
浮かれれば イベントごとは すぐ終わる
合唱コンも 体育祭も
もうちょっと 普段の日にも 会いたいな
小さな不満 募らせて問ふ
〈雪〉
冬ざれを 横目で見つつ 肩を抱く
触れる人肌 このありがたみ
見失う 待ちゆく人の 往来に
あなたを探す この好意まで
デートの日 待ちに待ってた クリスマス
けれども君は 何も言わない
いつもそう 私ばかりが お洒落して
単にあなたは 思い出作り
理が非でも 君との縒りを戻したく
何度も悔いた 話がしたい
〈花〉
彩りを 添える花なら だれでも可
そんなあなたと 別れるは善
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次回作へのモチベーションアップにもつながりますので、なにとぞよろしくお願いいたします。(*・ω・)*_ _)ペコリ