25話
「タマキ…、おいタマキ!」
「う、うん…」
「良かった!気がついたか!」
「あ、あれ…?」
どうやらおれは眠ってしまっていたようだ。
「いやぁ…ははっ、まさか魔王級を一人で倒すなんてな!」
「えっ、いやっ!あれは…」
俺は自分が見た出来事を話そうとした、が
(いやダメだ…とても信じて貰えるとは思えない…)
「うん…あはは…」
俺はそのまま会話に流される事にした。
「あの魔王が消えて、血塗れのお前が倒れてるたんだ、流石の俺も肝を冷やしたぜ…」
「いやはや、流石タマキ殿だな!」
「チッ…!せっかく暴れられると思ったによ…」
(夢だと思って居たかったが、手に握っていた麻袋が現実だと裏付ける。)
「なぁ、もしもの話なんだがおとぎ話のような話が現実に起こったらどう思う?」
「なんだよタマキ、まさか新しいスキルでも習得したのか?」
「い、いや…そう言う事じゃなくて…」
ダイヤはちゃらけて話す。
「はぁ…、じゃあ例えばどんな事だよ?」
「あぁ、例えば魔王級を一瞬で屠る。みたいな…」
と、俺が言った途端、ダイヤは目を丸めて大声で笑った。
「あははは!そりゃありえねぇよ!」
「そんな奴居たらもっと有名だろうし仮にお前がそうだったとしても変だぜ?」
「はぁ…そうだなよなぁ…」
俺は俺自身が一番強いと思っていた。
が、比にならないような強さを持った男。
しかし現実だと裏付けること麻袋。
(ダメだ…疲れすぎて意識が…)
「すまんダイヤ…限界過ぎて…」
「あぁわかったよ、コハクあとは頼んだ!」
「あいわかった!」
男はコハクに背をわれて、微睡の中に落ちた。