#048 遭難
「はーい、そこに並べー。これからの行動を決めるぞー」
キャプテンが一声かけると乗組員及びタケル達、そして4体の大精霊がその場へ集まった。ある程度人数確認を済ませたタケルはキャプテンの隣に立った。
「えー知っての通り俺たちは船が謎の揺れによって漂流してしまった。この状況で宝石の取り合いより生きてここから帰ることでキャプテンと合意した。つまりここからは共同生活で指示を出す。異論はあるか?」
真っ先に手を挙げたのはゼロだった。
「大宝石は誰が管理するの?」
「それなんだが、結局現状持ってる状況のままだ。俺がエメラルド、他はキャプテンが管理することになる」
「共同生活の期限は?」
「んーー……とりあえず都に着くまでだな」
「つまりそれ以降はまた敵対するってこと?」
「そうなるな」
「わかった。じゃあ今日はひとまず飯と寝床をつくりましょうか」
その後、てきぱきと役割とこなし、時には談笑しながら夜になった。一夜で作成した小屋とヤシの実を腹に納め、寝静まったころ。
タケルはキャプテンから話がしたいとの約束されたため、砂浜に出た。
「よぉ。月を見ながら飲むヤシの実は興が乗るなぁ。こうして対で話すのが吾輩の趣味でよぉ。ちょっと付き合えや」
「さっきまで敵だの言ってたくせによくもまぁそんな態度がとれるな」
「がはは。いつ何時敵や味方に変わるのか誰もわかりゃしねぇのに。そんなことより吾輩の野望でも聞けや」
さえぎる暇もなくキャプテンは話を続ける。
「吾輩の目的はな、未知の宝を探すのが目的なんだ。他人の物をとるのは性に合わねぇ。真っ新な宝を見つけ、集める。それだけが目的だ。幸い賛同してくれる輩も多く生活が成り立ってるがな」
ぼんやりと頷くぐらいしかできなかったタケル。キャプテンはさらに話を続ける。
「タケルだったな?お前さんを見たところ、迷ってるようだな。人生に」
「……うすら寒いこと言うんじゃねぇ。ただでさえ寒いのに。」
タケルはしばらく俯いた顔を上げ、宙を見る。潮風にあたりながら大きく瞬く5つの星を見つめ、これから先のことを考える。
「そうだな……正直何も考えてない。ただ元いたところに帰るぐらいだな」
「……そうか。でかいことを考えると足元すくわれるもんな」
タケルはキャプテンと思っていた場所と食い違いを感じたが、問い詰めないことにした。
ふとしたときに海面に魚が跳ねていた――魚――。
(そういえば魚って喋っていたよな……もしや……)
タケルは立ち上がり、魚に声をかける。
「そこの魚ー」「なにー」
反応があった。タケルが続ける。
「俺たち遭難、都に助け、頼めるかー」
「いいよー」
そのまま魚は水面に沈んだ。
「ふっ……こんなにも身近に伝手がいたなんてな。吾輩が足元をすくわれたわ。」
キャプテンはそのままヤシの実をがぶ飲みした。




