#046 なんか手際良くないですか?
「あれって……」
洞窟の奥でタケル達がたどり着いた先には海賊と大精霊が交戦していた。
「くそっ……あいつが邪魔で大宝石に近づけん!」
「大丈夫ですかーウチ暑いんで脱ぎたいんですけど」
「それは表現的にダメじゃ!ていうか突っ立ってないで手伝え!」「へーい」
ゼロがよっこいせとカラの宝箱を持ち上げると大聖霊に向かって覆いかぶせた。頭ぐらいしか入らなかったが目隠しには効果的だった。混乱する大精霊に占めたとオークロックは大宝石へ一直線に走り出した。
「いけません!止めないと!」
アクアンが後を追いかける。ごつごつした道を渡り走った先は赤く輝く大宝石が、しかしすでにオークロックの手にかけられていた。
「ガーハッハ!もろたで大宝石!これがキャプテン・オークロックの実力よ!」
部下の手柄は上司のものといわんばかりの口上で大宝石を掲げたオークロック。すかさずスタコラさっさとアクアン、タケル達を突き飛ばして洞窟へと出て行った。
「うぅ……なんて手際のよさですか。ただの馬鹿だと甘く見すぎていました」
「ポポ。そんな偏見捨て置け。腐ってもキャプテンを務めているんだ」
タケルがポポを慰めるとリンゴはレーダーを確認した。そこにはオークロックの位置が表示されていた。
『ま、最終的に4つこっちの手に渡れば大丈夫だ。最も先にこっちが手にするのが最善だったけどな。因みに次はサファイアを狙って進むようだな』
「ってことはもう船出したのか……行動が早すぎるな。ここはあえて別の宝石を狙うか」
「すでに向こうに1つ渡っているし、アリかもね」
タケルの提案に賛成した一行はひとまず船に戻りエメラルドを探すことにした。
*
「ところでアクアン。前に海賊にあったとき「今度こそ勝つわよ!」って言っていたが、因縁とかあったのか?」
「あぁ、あれね。昔も似たようなことで争奪戦したことあるの。大宝石とは別のものだけどね。その時は執事もいたけど……結果は散々だったわ、すばしっこいし、部下の統率はピカイチだし、敵ながら流石といったところね。けど負けた時にアイツが吐いたセリフ「所詮は箱入り娘……か」て言われたときは腹が立ったわ。だから今度こそギャフンと言わせてやるのよ!」
過去の惨敗に溜息をつくアクアン。だからこそ今回の戦いはリベンジに燃えていた。
と、今回の件で疑問を持ったタケルは話題を切り替える。
「ところで、大宝石を4つ集めると言っていたが、何のために集めるんだ?」
「あー……そういえば結局端折ってたわね。とある理由で4つの大宝石の魔力が必要になったのよ。あ、理由はちょっと機密事項で。悪いことじゃないから安心して」
「そうか?まぁ大家からの依頼だから俺たちも断る意味はないからなぁ」
船旅に揺られ、次なる島へと向かうタケル一行。道中は魚を釣るなりテーブルゲームをしたりして時間を潰していった。
*
次に到着したのはエメラルドの大宝石が眠っている島。上陸したタケル達に待ち受けていたのは緑の植物に覆われたトンネルだった。
「あー前に緑の星の出来事を思い出しますね……前が見えなくなるほど生い茂った時はちょっとトラウマです」
「今更、逃げ出す選択肢はないがな。ほら行くぞ」
洞窟の中も植物が多い印象だった。かき分けながら進んでいくと奥に緑色に光る宝石を見つけた。
「あれか……?随分と早く見つかったな」
「あれ、またポポがいないわよ」
カナがポポを探すとある植物がもごもごしてる様子が一つ。もしやと思い声をかけると――
助けてくださいと求める声が、ポポだった。またですかとカナが火をつけて植物からポポを出してあげると
ビュオォォォ!と突風が吹き荒れた。吹き飛ばされながらも大きな岩につかまり、岩陰に隠れることはできたが、大宝石に向かっては向かい風になっているせいで進むことができない。
絶体絶命である。




