#044 大宝石の旅の壁、それはとても典型的な海賊(おそらく自称)でした。
「…………今なんて?」
「あのツインテール付け外しできるの。ちなみに正式名称は『超高性能最新式マルチエクスカイザーコンパクトロケットランチャー常備軽量型αΩオムニバス伸縮可能今なら最新式モデル洗濯機がセットでついてお値段そのままイチキュッパお電話大変込み合ってますのでご予約はお早めにツインテール(装着可能)』っていうの」
唐突なアクアンの説明に言葉を失ったタケル。カナとポポも思わず手が止まる。そして口を開いたのは
「……それ深夜テンションで適当につけたでしょ」
ポポだった。思わずアクアンが反論する。
「いやまぁ確かにやりすぎたと思うわよ!?でも話題性は重要じゃない!?現に注目は出たのよこれ――」
「……売れなかったのですか」
「……ウレマセンデシタ」
*
そんなこんなで船着き場に到着したタケル達。ちょっと支度してくるから待っててとアクアンに言われ、先に来た状況である。
すると、向こうから見慣れた姿の男が現れた。ダークだった。そして後ろにはチョコンと黒いゴスロリ少女の姿もあった。
「お、タケルか。久しぶり」
「ダークさん。久しぶり……ってその譲さんは?」
「詮索するな。察せ」
「え、あ。はい。でどうしてここに?」
「まぁ事情があってきたぐらいだ。今回は一緒に冒険ということはなさそうだ」
「そうか。まぁ頑張ってくれ」
二人は素っ気なく会話を終わらせ別れた。すると少女がカナに近づき、囁いた。
「アタシ、ヘラベル。よろしくね★」
カナは思わずえっと声を上げたが、すでに姿はなかった。不思議に思ったが、間髪入れずに出会いが起こった。
それは大きな船が船着き場に着いたときだ。おおきなドクロの絵が帆に描かれたもの。海賊ということかとタケルは思った。しかし周りの皆は平然と日常を送っているのには違和感を感じた。
「おうおうおう!お前たちか!大宝石の財宝を狙ってるやつは!」
現れたのは如何にも紅くて大きなキャプテンの帽子、フックを手に付けている巨漢。典型的な海賊リーダーの姿だった。また、オレンジ色のバンダナの少女もいた。恐らくカナと同じ背丈かと。
「吾輩はキャプテン・オークロック!時の海賊王とは俺のことよ!」
ぽけーっと見つめるタケル。そんな名は知らないと言わずとも伝わってしまった。
「やっぱ悪名高くないですよこれ、ゼロもそう思います」
「う、うるさいわ!そりゃ最近財宝ウハウハで悪さする必要がないからだな!やろうと思えば略奪・侵略ぐらいできるわ!ただ――」
「面倒くさいから。ですよね。すみません変なちょっかいしてしまって」
「ふん!だが大宝石は話は別だ!時の海賊王のプライドにかけてぜーーーーんぶ頂いてやる!覚悟しろ!お前たち!早速出発じゃ!」
イエッサーと甲高い声とともに猛スピードで船が移動していった。その勢いの波でタケル達はびしょ濡れになってしまった。
「一方的になんだったんだこいつら……」
「ほんっとムカつくわねあいつら!今度会ったら覚えておきなさい……!」
「でもやばくないですか。このままじゃあいつらに取られてしまいますよ!」
そんなこともあろうかと!と現れたのはアクアンとリンゴだった。
『替えの服も用意しておいたぜ!すぐ出発だ!』
「やはり現れたわね海賊!今度こそ勝つわよ!」
波乱の船出。果たして大宝石争奪戦に勝つのはどちらか。




