#043 到着――アクアマリン・スカイライン からの~……謁見
イーストオーシャン。9割が海を占めている星は辺り一面が青に染められている。陸地でもほとんど緑の木々に覆われており、リンゴの船で泊める場所はほとんどないといっていいだろう。
今回の目的地アクアマリン・スカイラインの都市は陸地ではなく、海上に浮かぶ都市となっている。
リンゴの船はそこの平地で泊めることになった。
難なく目的地に到着したタケル達がまず目に入ったのは海流が空中でアーチを描いて流れていること、白い建物が水の力で浮かんで立っていること、自然の力が身に染みて感じる光景だった。
「物理法則どうなってんだこれ……」
「どう?ここは水のマナが特に豊富だからここでしか見られない綺麗な水の景色がいっぱいあるの。それに、この星の出身の多くはその環境のおかげで水中でも活動できるのよ。」
アクアンが歩きながら説明すると一匹の魚がこちらへ寄って来て——
「へいらっしゃい!とれたてのネタが入ってるよ!一つどうかい?」
魚が差し出したのは寿司だった。おそらくこの魚のネタのものだった。
「俺、夢見てるのかな。魚がネタを持って来てる」
「味は流石のとれたて新鮮だけどね」
「カナ。お前は違和感なく食うのか。倫理観どうなってんだ」
「いやーあまりの美味しさに私まで食べてしまう客もいますが。もれなくアナフィラキシーショックを起こしたので控えるようお願いしますね★」
「いや、聞いてないし食べないが」
次から次へと体験したことがない現象が続き、タケルは広場で座り込んでしまった。
「どうなってんだココ、今までよりなんか疲れる、早く帰りたい」
「珍しく情けないですねー。私がビリビリでマッサージしますか?」
「ポポさん。その心配はありません。なぜなら城はそこにありますから!」
アクアンがビシッと指を差した先に白い城が建っていた。青空の砂城の如く美しくも儚さを感じさせる趣き。
と、タケルは仕方なく重い腰を上げ、後を追いかけるように城へと向かった。
*
城に入るとすぐそこに王と女王らしき者がタケル達に声をかける
「おお、よくぞこられた、若き者達よ、其方の功績は予々より聞いておる。是非我々の望みを叶えてくれることを期待しているぞ」
「まあまあ、王ったらせっかちなんだから、アクアン、案内ご苦労様。冷蔵庫にウォーターシャーベットあるから食べていいわよ」
ありがとうございます!と颯爽とかけていったアクアン。タケルは聞いたことない食べ物に疑問を持ちながらも王の話を優先して聞くことにした。
「ふむ……少し忙しなかったな。では細かな内容を説明しよう。まず、4つの大宝石を回収してほしいとのことだがここから南西、南東、北西、北東にそれぞれ島がある。そなたらには我が用意した船を使って回収をしてほしいのだ。」
しつもーん。とカナが口を開く。
「こんだけでかい国なら軍勢でも使って回収したほうが効率的なんじゃ?」
「もっともである。しかしそこにはそれぞれ大精霊が住んでおるのじゃが、最近暴れん坊になってしまって手をつけられない状態になっておる」
「あーなるほど、むやみに犠牲を出したくない系ね」
「あはしもいっていい?」
アクアンがシャーベットを口に頬張りながら現れた。はしたないわよと女王に怒られたが、王は一つアクアンに問う。
「娘よ。そなたは冒険というものを経験してみたいか?かなり苦しく辛い思いをするかもしれんぞ?」
「ううん、私は経験を得るチャンスだと考えるわ。それはこの国に貢献する一つの力添え。王にとっても私にとってもいい結果をもたらしてみせます」
元気な印象から一転、アクアンの姿は凛々しく映った。王は頷き、了承した。
*
王都の会話を終え、アクアンが住む小さな家に移動したタケル達。アクアンが食べていたウォーターシャーベットを執事が用意して出迎えていた。
「これって……かき氷か?にしては綺麗な真ん丸だ。まるででかい水滴のような……味は……うぉ、滑らかな食感と口が潤うのどごし、癖になりそう」
タケルの食レポにストレートヘアーのアクアンも頷く。
「そうでしょ?私の大好物なのよ。形を保つのが難しいからここでしか食べられないけどね。ほかの二名はすっかりヤミツキになってるようね」
アクアンの言う通りポポとカナは無言で食べ進めていた。思わず苦笑いしたタケルは再度アクアンの姿を見て疑問に感じた。
「あれ、髪切った?」
「?ああツインテールのこと?あれ付け外しできるの」




