#029 惑星イエロー ビリっと覚醒しました
「イエローは砂漠みたいな感じですね。ただ空が常に暗くてところどころに稲妻が走ってます……」
水樹がつぶやく通り、周辺には稲妻が走っており、コア探しどころか外出すら難しい天候。実際着陸するときに不時着寸前になっていた。
「どうします?止みそうにありませんが」
「リンゴ、避雷針になれないか?」
『なれますぜ』
そう答えるとすぐさま変形し、建物より高いもの棒がそびえたった。その瞬間、稲妻がリンゴの避雷針に集まってきた。と同時に凄まじい轟音が各々の聴覚を襲ってきた。
「ちょ、うるs…とめ…mみが…」
『?あぁ、すまん防音を忘れていた……よしこれで大丈夫か』
リンゴはすかさずバリアのように防音を施すと雷の轟音が一瞬で止んだ。ただし耳鳴りだけ残して。
「頭がいたい……これはリンゴが貼ってくれたバリアから外れないようにしないと」
『皆の歩調に合わせて進むんで、一緒にコアを探しますぜ』
ということで、リンゴのバリアから外れないように行動することになった。
最初は歩幅のブレを調整しつつゆっくり進んでいたが、次第に合わさると自然に歩くスピードまで戻した。
*
道中では坂が多く、砂道で崩れやすい状態が続いている。足を取られないよう地面を見て進むタケル一行。
が、進みづらそうにしていたポポ。体力の消費が激しいのか遅れ気味になっていく。
「た、タケルさん……ここメチャクチャ疲れます……んーーあっ」
ポポが遅れを戻そうと思い切り飛ぼうとした瞬間、坂が崩れ転がり落ちていく。
雑に返答をしようとしたとしていたが、ポポの悲鳴でピンチに気づいたタケルは振り返り手を伸ばそうとしたが、すでにポポはバリアの外に出でしまった。ポポは急いで戻ろうとするが、獲物を見つけたとばかりに稲妻がポポへ一点に収束するように落ちてきた。
そしてーー
その光はポポを包み込むように捉えた。光は刹那に消え、残ったのは黒い物体のみの光景がタケル一行に
衝撃を受ける。
「ポポーーーー!!!」
タケルの呼び掛けるも反応がない。やってしまったのか、俺がポポを粗末に扱ったのか。今更自らの過ちを省みていたが、次の瞬間、黒い物体がもぞもぞと動き始めた。
「なんでしょう、力がビリビリ湧き上がってーーっ!?」
そしてむくりとポポの顔が上がる。
「思い、だした。この雷操れる!」
ポポは電気を身をまとい、弾丸のようにタケル達の目の前まで来た。
防音のせいか事態がわからなかったタケルは思わず声を出す。
「うおっ!?ポポ!何が起こってるんだ!?」
「さっきの雷のおかげで一部ですが、思い出せました!雷を自在に操れるようなのです!このままコアまで探しに行きますので瓶をひとつお願いできますか!?」
「あ、はいどうぞ……」
カナは恐る恐る瓶をポポに手渡す。少し、電気を感じながらも渡していく。受け取ったポポは一直線に向こうへと跳んでいった。
ポポを追うように進み、2,3分ほど経つとポポが戻ってきた、白くて小さな手には黄色く光る瓶があった。
そして、それを追うように雷が止んでいった。
「いやーすごいですこの力!私も役に立てることができるとは!!これで仕事一瞬で終わりますよドヤァ」
「わかった、分かったから……しかし、思ったより順調に回収できるな……このまま終わればいいのだが」
タケルは空に浮かぶ黒い星を不安そうにしながら次の星へ向かうことにした。
*
水樹は考えた。今回の取材について、コアの暴走を現地で調べたところ、何者かによって魔力の異常な増幅が見られたこと。しかし、その方法が未だ掴めずにいた。
「大丈夫ですか、あまり根詰めしすぎてはだめですよ」
マネージャーの田中がコーヒーを置く。水樹と田中以外は寝ている中、黙々と資料を基に記事を書いているところだった。
「やはり、今回のコアの暴走は何者かによって起こされている可能性が高いです。魔力増大の原因がイーストオーシャンの4つの宝石が元になっているようで、それを加工している技法を辿るとシティノースにある魔法学園がある都市、それも一つの技法だけではない……資料だけだとこれぐらいですかね……黒幕までは未だわからずです」
田中は水樹の仕事ぶりを微笑ましく思いながらも、寂しくも感じた。彼は水樹が歌って踊るアイドルの姿を見るのが好きである。しかし、突然迷い込んだこの世界にとって仕事を選ばずにいられない。それでもいつか夢見る姿が見れることを信じ――
「資料の整理ぐらいなら手伝いますよ」
と一言、隣に座った。
「……タケルさん、同じ地球人同士話しかけないのですか?」
「話したところでだろ、さっさと飲み物飲んで寝る」




