#024 未来の希望に託された機械~リンゴ~
ドクターKが隠していた万物の未来の結晶。それは赤くて丸めのスーパーでよく見る果物。まさしくリンゴだった。想像より遥かに違っていたタケルは思考が追い付かないのかその場で固まっていた。
「なんじゃ、豆鉄砲食らったような顔しおって、この形状が素晴らしく理想的なのじゃよほれコードアップル。何か喋ってみい」
『了解。初めまして、だな。タケル。俺はリンゴだ。これでも結構役に立つんだぜ?』
「……?」
果物がしゃべる光景にますます理解が追い付かなくなるタケル。リンゴはお構いなく自己紹介をはじめ、次々と機能紹介をしていった。それをタケルはただただ聞くしかなかった。
一通り紹介を終えた後、ドクターKが口を開いた。
「タケル。お前さんに頼みがある。今は違和感なく会話できる段階まで到達したのじゃが、最大の課題である『自分の意志を持つ』この手伝いをしてほしい。これからもっと広い世界に行くのじゃからババァの仕事ついでにリンゴに見聞を広めてほしいのじゃ。大丈夫。紹介の通りリンゴはバッテリーがあれば今までより格段に良い生活と仕事ができると保証しよう」
「まぁ断る理由もありません。これからよろしくお願いしますリンゴさん」
『そんなかしこまらなくていいぜ。タメで頼む』
「あ、あぁ、リンゴ。よろしく」(もう自我芽生えてないか……?)
こうしてリンゴがタケル達の仲間に加わった。
「あ、帰りなんじゃが早速リンゴが役に立つぞい。遠慮なく使ってみい」
「はい。リンゴ、もしかして早く帰れる方法があるのか」
『了解、タケル。CODE:fly 目的地:E22,F9,Z1に設定』
するとリンゴは研究室の外へ出て変形を始めた。その変形速度は凄まじく、コンマ数秒でハンググライダーの形状に変形が完了した。
「は、速い……しかもつかむ場所がわかりやすい!」
『さぁタケル、持ち手をもちな。すぐ出発するぜ』
「え、でもハンググライダー初めてなんだが……ええい何とでもなれ!」
タケルはハンググライダーを持ち手に手をかける。するとすぐにリンゴは出発した。
ギュオンの音とともに勢いよく飛び出し、一瞬で森と町の景色が一望できた。
すると、タケルは景色よりも気になることができた。それは体感だ。普通滑空には準備が必要なのにどうして生身で体感できるのか。その疑問を投げかけずにはいられなかった。
「なぁリンゴ、なんも準備してないのにどうしてすぐ飛びたてたのか?」
「こっちの最新技術はバリアで空気抵抗を少なくしてんだ。それにバリア内は無重力、疲れもないだろ?物理的に無理だと思ってもあのドクターKは成し遂げちまうんだぜ」
「へ、へぇーー」
そうこうしているうちにタケルの拠点にたどり着く。着地も無事に終わり、カナとポポがベランダから姿を現した。
「タケルさん!?なんですかそれ!?」
「すごい!大家さんがいっていたものでしょ!面白そうなものもってきてんじゃない!」
「た、ただいまぁ」
続けて大家も姿を現す。無事にとってきたようだなと一先ず安心した様子と同時に重要な仕事をタケル達に言い渡した。
「さて、3日後だが、お前さん達に大仕事じゃ。今度は宇宙に行ってもらう」
「「「えっ……」」」




