#021 初めての休日~やっと一息つけます
宴会を終え、翌日の朝。依頼はなし。
タケルたちにとっては久しぶり……というより初めての休日を迎えた。
「ふわぁ……そういえばどたばたしすぎてまともに休んでなかったな」
未知の世界に迷い込んでからずっと動きっぱなしだったのを思い出し、どっと疲れに襲われるタケル。このままずっと寝てようかと思い込んでいたが、
(たまには出かけるのもありか……)
そう思い立ち、ポポたちに提案しようと試みた。
「町に出かけですか?そういえばよく知らずに来ているので一通り見ておきたいですね」
「私も行くわ。魔法の材料と本がある店をチェックしておかないと」
ということで三人で一緒に出かけることがきまった。
*
町とはいったものの、人口は数百人程度の規模。充実してるものといえば食品類が多かった。カナが求めていた本はあるにはあるものの数が少なく、材料ぐらいしかあてにならない結果だった。
「やっぱり本はセントラルに行かなきゃ難しそうね……あ、イカ焼きおいしい」
「タケルさん!美味しい唐揚げが美味しいです!」
「そりゃ美味しくなかったら詐欺になるだろ……普通のおにぎりは普通にうまい」
というように三人は食べ歩きをしながら町を一周した。
「こんにちは、最近こしてきたタケルさんですね」
「あなたは……パン屋さんの娘さん」
「そうよ。名前は覚えてる?」
「えっと……nnandake」
「ココエさんですよ!タケルさん!」
タケルはポポに小声で助けを求めていたが、普通にココエにばれていた。
「もう……タケルさん。ちゃんと名前は覚えておいたほうがいいですよ。そういえば向こうに見える湖には行ったことがあるかしら?」
「いえ、行ったことはないはず」
「あそこは大物が釣りやすいことで釣りの名所になっているの。キャンプも向いてるから今日はあそこでキャンプなんてどう?貸し出しもやってるみたいだし」
「そうか……行ってみます。ありがとうございます」
タケル達は湖に行くことにした。ココエはカナを呼び止め、小声でささやく。
「後で、行くわ」と。
*
「ここの湖の名前……ダイ湖っていうのですか。大物が釣りやすいからなのでしょうか」
「ここのネーミングセンスだれがつけたんだ……」
タケル達が到着した湖は山に囲まれたところにあり、水面から鏡にみえる山が太陽に照らされ輝いていた。貸出場から向こうはキャンプ場となっていて、大物目的の常連がキャンプ場で準備を行っていた。
「ようこそダイ湖へ、何か貸し出しをご利用でしょうか」
「あーじゃあキャンプ用の一式と釣り用をお願いします。お代はいくらですか」
「お代はいらないです。そこまで不況じゃないですよ。あ、ちゃんと返さないと弁償が発生しますが」
(なんとも珍しいな……)
道具を一式貸し出したタケル達はキャンプ場で準備を始めた。
「テント建てるの難しいわね……」
「これって餌なんですかね……なんか手?足がにょろにょろしてるんですけど、あと黒い」
「思ったより大きい魚が多くいるな……捌くの大変そうだ」
*
とりあえず、釣りの場所を確保したタケルは釣竿をふり、釣りを開始した。投げ方は適当だった。
当然、近いところしか飛ばず、魚が釣れない時間が続いた。
「つれてますかー?」
キャンプの準備を終えたポポとカナがタケルに声をかける。
「全然、というより遠くに飛ばん」
「魔法の風で飛ばす?簡単な魔法なら無詠唱ですむわ」
「まぁ、ないよりましか……」
二人はせーのと息を合わせ、ブイがうまく遠くに着地した。だんだんと連携が取れていると二人は感じた。
「で、釣れるかどうかだが……おぉ?あ、やば」(バシャーン)
タケルが力を引く前に思い切り前に引っ張られ、そのまま湖にフォールインしてしまった。
「あーやっちゃいましたねこれ」
「あ、ココエさんと……」
カナが振り向くとそこにはココエと筋肉がもりもりある男性だった。
「ふむ。ここの大物を釣ろうとは……命知らずかはたまた蛮勇なのか。ここの場所は猛者しかいないぞ。ほれ周りを見てみい」
ポポとカナが周りを見ると筋肉質な男しかいなかった。そして目に入った光景は一人の男が10メートル級の魚を釣り上げる光景だった。それだけでない。その光景が何度も何度も飛び込んできた。
「ヒェッ……どおりで空いてたわけですね」
「その前に俺を助けてくれないかなんか視線を感じるんだが」
タケルの呼び声に「あっ」という4人だった。
*
夜、タケルたちはキャンプで知り合った常連とココエとともに夕食をとるようになった。
「ほう、そなたが最近入ってきた何でも屋の者か」
「はい。魔王も倒s、解決した実績もあるのでこれから仕事が増えると思います」
「なるほど、私たちもあの一件で魔物が暴れたせいで魚が少なくなってな、感謝している」
「ここまで被害があったってことはいずれ町に被害が及んでたかもしれませんね……」
「まぁ、そなたのおかげで今も釣りの名所が存命しているわけだ。今日はとびっきりのおもてなしでお礼してもらおうではないか」
「お、お手柔らかにお願いします……」
こうして、常連のふるまいによる豪華な食事を堪能したタケル達であった。
なお、マッサージも試してもらっていたが、結構効いたようなのか甲高い声が山に響き渡った。
※カナはココエさんにマッサージしてもらったので決してやましいことはしていない。




