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未確認星騒動記  作者: Karza
チャプター1~チャプター2の間
19/48

#019 この世界の概要、宴の準備

 魔王の件から一夜明けた朝。


 タケルは洗面所で歯磨きをしていた。

(大家から知らせがあると聞いたが、なんだろう)


 タケルが考えていたのは魔王から聞かされたセントラルと言われる惑星、ここからでも見える黄色めの惑星のことだった。

 もしかしてそこに行けば地球に戻る手がかりは見つかるのだろうか。しかし、行く手段がわからない。ロケットがあるわけでもないし、そもそもここの詳しい地理が理解できていなかった。


 朝の支度が終わり、タケルとポポとカナは大家の前に座っていた。


「よし、これから宴の準備を頼んでもらう」


 大家が口にしたのは魔王から宴の申し込みがあったことだった。


「そういえば、報酬ってありましたっけ」


「んなもん、城の修理費に使い込んだわ。宴会に使う食費込みでもギリ黒字ぐらいかのう……」


 大家はこれから使う食糧を買い込みをカナに、町の人からからテーブルの借用および設置をタケル、そして町の人に宴会の案内をポポに頼んだ。


「さて、説明は以上になるが……」


「大家さん、宴の件とは違うが一ついいか。セントラルというところに行ってみたいんだ。そこに俺の帰る方法があると魔王から聞いたのだが」


「……行く手段はあるのか」


「いや……ない」


「そう焦る必要はない、こっちで準備しておくから、お前たちは依頼をこなしていけばそれでいい」


「……わかりました」


 タケルは少し不安そうだが、仕方なく承諾した。それしか方法が思いつかなかったからだ。


「あぁ、それとカナ。タケルとポポはこの世界についてよくわからんようだ。教えてやってやれ」


「あ、はい。わかりました」


 *


 大家が去ったあと、カナはボードの前に立った。


「タケル達はここについて知らないようだから説明するわ。ただ、町から外に出たことはあまりないから本とかで見た内容になるけど……まず、この世界は1つの惑星に5つの衛星で成り立っているの。今いる場所はリゾートサウスって言われているわ」


 カナが説明するにはタケルたちがいるリゾートサウス、ここには観光名所が多く、別荘も程よくある場所が多い。具体的には和風を中心としたものやマーケット場もあると。この町は始まりの町としてビギニングタウンと呼ばれ、比較的安価で住みやすい町でも上位に入っているらしい。

 次に、ウェストファクトリー。工場などが多く建っている鉱山を中心とした鉄鋼業が盛んなところといわれている。さらに周りには多くの衛星があるため、宇宙に関することもここが一番繁栄しているらしい。

 シティノース。イベントに関することやショッピングモール学問が多く栄えているところ。カナは魔法学園が多くあるため、機会があればぜひ行きたいと熱弁に語った。

 イーストオーシャン。9割が海となっていて、未確認の島も多く存在している。唯一有名な島はアクアマリン・スカイラインと言われ、リゾートとしても海産物としても有名な場所らしい。

 そしてオリジンサウス。この星は謎が多く、未開拓な地域が多い。


「なぜ南が二つあるんだ?」


「星の形のように回っているの。南が二つなのはそれが理由ではないかと言われているわ。そして、最後がセントラルね」


 カナが言うには、セントラルは何でもあるところらしい。5つの衛星に住む人がここで交流したりしている。中心部には管理塔が存在し、すべての星の監視を行っている。


「……とまぁざっくりこんな感じかしらね。セントラルに関してはこの星についてなんでも情報があるらしいから、タケルが言う地球に関してもわかるかもしれないわね」


「なるほど……わかった。時間だし各々作業始めるか」


 タケルたちはとりあえずセントラルの話は置いておき、3手に分かれて行動を開始した。


 *


 町の通りでは2、3階建ての建物が並び、人通りはまばらだが、世間話で賑わっている。

 そして、小さな赤い屋根が印象的な建物がタケルの目的地だ。


「ごめんください。宴会用のテーブルを貸してほしいのですが」


「あぁ、あの大家さんの。少々お待ちください」


 タケルの声に反応した男が奥へと向かい、折り畳み式のテーブルを20個ほど滑車とともに持ってきた。


「聞きましたよ。最近万事屋が再開したって話。町中で噂になってます」


「そんなに有名になったんですか」


「はい。なんでもあの大家さん。無理難題な依頼ばかりでやめていった者も数知れず……そして依頼が終わった後は大抵宴会をしていてそれが街にとって伝統になったんですよね」


「そんな依頼を持ってくる大家さんは一体……」


「それはわかりません。結構秘密を持っているのですが、なかなか尻尾を出さないのですよ」


「そうなんですね……あ、滑車は返す時まで借りておきますね」


「はい。どうぞお使いください」


 タケルは男に挨拶し、場を離れた。


(やっぱり大家はなにか知っているのか?もしかすると依頼をこなしていけば帰れる方法も見つかるかもしれない……)

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