#015 でかい化け物が現れた!
とりあえず、撃退手段を持つことができたタケル。しかし、問題点が一つ。
届かないのだ。
もちろん近ければ当てれるのだが、おそらく前の白い光に包まれた原因が剣だとするとダチョウ?含め、ただでは済まないだろう。
と、タケルがあることを思いついた。
「カオス!お前の投げであの化け物に当てれるか?」
「がはは!パワー関連なら当然だ!!」
「よし!いまから剣を渡すからあいつにぶつけてくれ!」
とカオスに向けて剣を投げる――とするとどこかに行く可能性があるので手渡しで渡すことにした。
運悪いことに端同士だっため、苦労が予想されるが、ほかに方法はないため決行を試みた。
「ポポ!パス!」
タケルがポポの頭の上に剣を置くように渡す。小さな手をうまいこと使ってきちんと受けることができたようだ。
「カナさん!パスです!」
ポポは小さな手を駆使してカナに渡す。距離が少しあったが、カナが何とか手を伸ばして受け取ることができた。
「スライドさん!パスね!」
カナが誤って杖を渡さないように気を付けながらスライドに剣を渡す。無事にスライドの手元にわたり、剣と確認することができた。
「旦那!パスっす!」
スライドがカオスに剣を渡す。するとトラブルが起こる。クジラの化け物が暴れたせいか岩がこちらに飛んできたのだ。万事休すかと思ったスライドだったが――
「ファイヤ!」
火の玉が岩にめがけて飛び、飛散した。飛散した欠片に気を付けながらカオスに手を渡す。カオスは無事剣を受け取ることができた。
「唯一の対抗手段があってよかったわね」
「カナさん!ありがとうっす!」
どうやら先ほどの火の玉はカナのものだった。いち早く気づいて魔法を打つことができ、少し鼻が高かった。
「がはは!俺様の投げ受け取るがよいわ!化け物!!」
カオスはダチョウ?の背の上に立ち、思い切り剣を化け物にぶん投げた。とてつもない風がタケルたちが襲う。それほどとてつもない威力だ。
とてつもない威力を持った剣が化け物に正確に、一直線に飛ぶ。そして、刺さる。
ズドン。ゴォォ。
かつてない音がタケルたちの耳に届く。と同時に白い光が化け物を包み込む。
「えげつないですね……」
「あれでよく生きれたもんだ……」
とポポとタケルが恐るべき威力に圧倒されてる間。白い光が消えていく。化け物は――
生きていた。
「あれ!?生きてるっすよ!?」
「どうすんのよ!?あれダメだったら逃げるか――」
と終わりかと思ったが、化け物の様子がおかしいことに気づく。こちらから真逆の方向に行っているように見える。どうやら撃退できたようだ。
「あ、どこか行きますね」
「あぁ、よかった。このままどうなるかと思ったぞ」
そのまま、化け物撃退に成功したタケル一行は無事魔王の城の前に到着した。
天気は黒い雲に覆われていて城がよりいっそ壮大に見え、冷たい風がより緊張感を引き立たせている。
いよいよ魔王の対面である。