9誕生日
私は暇だから裁縫をしている。
今日は仕事が少なかったのですぐ終わった。なので前破れてしまった服を縫っている。
「ソフィリア、手伝おうか。」
友達のニスが声をかけてくれる。
「大丈夫。自分のだから、自分でやるよ。」
そういって私は縫い続けた。
「ソフィリア、また縫っているの?」
今度はマリー様がやってきた。
「はい。破れちゃったので。」
「ごめんなさいね。裕福な暮らしをさせてあげられなくて。」
マリー様が言った。珍しく申し訳なさそうな顔をしている。
「大丈夫です。裕福に暮らせる人など少ない。住むところがある分ましです。」
私は返事をした。贅沢など望んでいない。マリー様に拾ってもらって、ここで食事をしたり寝たりできること自体私にとっては贅沢だ。この屋敷で友達と過ごせるだけいいのだ。
「そう。じゃあ、頑張って。」
マリー様は戸を閉めた。
「そういえば。」
私はあることを思い出した。
「もうすぐ私の誕生日だな。」
私は戸を閉めて、ため息をつく。
「あの子、いつも服を縫っているんだから。」
そこで私はあることを思い出した。
「もうすぐあの子の誕生日ね。」
ということで私はニス、ピーターなどソフィリアと仲の良い人を集めた。
「もうすぐソフィリアの誕生日よね。で、プレゼントを渡したいんだけど…私は服がいいと思うのよね。あの子、いつも服を縫っているから。」
「あ、いいと思います!」
ニスが言った。他のみんなも賛成した。
「じゃあ分担して材料を集めましょう。」
ピーターが言った。
そしてみんなは材料を集めた。
中には珍しくて見つけるのが大変なものもあり、二日ほどかかった。
「あと、三日だ。急がないと。」
サリーが言った。
私たちは急いで服を作った。
特に頑張ったのは鹿のジョンだ。
彼は前いじめられていたことがあった。
だがソフィリアが助けてくれたのだ。ジョンはそのことを感謝していた。
こうしてみんなの協力で服は完成した。
私たちはソフィリアのもとへ向かった。
「みんなどうしたの?」
ソフィリアが顔を出す。
「はい、ソフィリア、誕生日おめでとう!」
ニスがソフィリアにプレゼントを渡す。
「え、わ、私に!?」
ソフィリアは驚いた顔をしている。
「ええ。開けてみて。」
私も言った。
「わあ!新しい洋服!みんなありがとう!」
ソフィリアがにっこり笑った。
そのあとはみんなでおいしく食事をして、日が沈んでいった。
幸せな一日だった。