7毒の正体
「持ってきたよ!」
みんな集まってきた。
「私のはマリー様にもらったハンカチ。」
私が言った。
「私のやつは捨てられたときにあった毛布。」
ソフィリアが言った。
「僕のは森にあったバッジ!」
リークが言った。
「私のは自分で作ったクマのぬいぐるみよ。」
フェインが言った。
「じゃあみんなで魔法、使ってみよう!」
魔力じゃないものがこもってそうなものもあるが、やるっきゃない。
皆で目を閉じて、床に手を当てる。
「わあ~。」
皆が一斉に声を上げる。
魔法陣が広がっていた。
長い事この魔女の屋敷に住んでいる影響だろうか。
「これは、料理を作っているときかな?」
数人がスープを混ぜている。だが怪しいことはしていなさそうだ。
次は配膳。リークがスープをよそっている。これまた異常はない。
リークはほらね、というように目配せした。
そして、お盆が机に置かれる。
「特に何もな、あ!」
私がつぶやく。
蛾が飛んできたのだ。
それは森にしかいない、ドガール蛾だ。
ドガール蛾ははマリー様とジュリーのスープ皿の上を飛び回る。
「そうか!ドガール蛾は毒があるんだ。毒蛾の毒だったんだ。」
この毒蛾は強い毒を持っていて、嘔吐させたり気絶させたりする。
「毒蛾の毒…なんだあ。」
皆はほっとした。
マリー様に報告に行くと、
「は、はは…はあいい、くくっ、ごくっくくろ、ろうさま…あーーはっはっはっははははは!」
と笑い転げていた。