表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
逆転大魚の釣り百科  作者: よしのぼり
3/6

第三話 ワガ名ハふぉろん

まだまだ続きます。付け足し改変で、増えていく予定です(笑)。

 人間誰しも、『気を失って倒れていた』様な、異常な状態を脱するときは、まず頭で何かを考えられるか? 自問自答してみるものだ。

 此処は何処なのか?

 自分は、誰なのか?

 どうして此処にいるのか?

 今は何時位なのか?

 お腹はすいているのか?

 

 そして次に、・・・

 どこか痛い部位はあるのか?

 体は動かすことが出来るのか?

 瞬きから始め、頭、首。右腕、右足、左足、左腕、発声等々、動かせるか?痛みは無いのか?

 そしてゆっくり、非常にゆっくりと、上体を起こしにかかる。


 既に記憶は戻りつつあり、痛みの箇所も把握済みである。少しばかり上体を起こして、周りの風景も確認した。

 そして彼は、いやいやながらに、右手の感覚を思考に加えた。

「早う放せや~(怒)。これで集会に遅れたら、責任取ってもらうで~!!!」

相変わらず頭に響く人間的な思考と、実際の「キャンキャンきゅいきゅい」と鳥のように聞こえる言葉を話す?未知の生物・・・その実、ヌイグルミっぽい感触である。ただ残念なことに、体温もあった。


 らちが明かないので、少し言葉をかけてみた。


「お前は、日本語が、理解出来るのか? それと・・・何者だ?」

「やっと正気に戻ったか~! ワガ名ハふぉろん。 この動物型ロボットに宿る、高性能AIや。 この世界のかみサンから、お前様の世話をするよう、ことずかった者やで~。 ちなみに外見は、かわいらしいふぇれっとそっくりや~!!!」


それを聞いた彼は、そっと左手を右手の横に並べ、一気に掴んでサバ折りの状態に持っていく。


「嘘をはけー(怒)。このミズカキは何ぬかすか~!カワウソだろが~!!毛皮を剥いで、焼いて食うぞ~!!!」相手が小さいこともあって、全てのもやもやを一気に放出する、久しぶりの激オコである。現実的に不相応な動物名を挙げてしまったものの、そこは勢いであった。


「堪忍してください・・・・・・」幸か不幸か、言い合いはこちらの優勢で幕を閉じた。


 「・・・というわけで、テレパシーみたいなものですが、コトバとしては、お前様の思考が勝手に創って聞こえているので・・・ああ、こちらも同様です。日本語という概念は、捨ててください。よって、邪な言葉の羅列が聞こえても、私の所為ではありません。」

 「こちらでの、わたくしたちの集会は、本当です。場所が遠いので、歩いて何日もかかります。よって、急いで転移したので、・・・したのに、なぜか?巻き込んでしまったようです。」

 「え?送り返せと?・・・無理です。 原因がわかりませんので。わたくしたちは、自身しか転移させられないはずなんですが・・・」



急にしおらしくなり、説明が本当なのか、丁寧な喋り方に聞こえ出した。いつまでも「カワウソ」と呼ぶのでは不便なので、「佐須くん」と呼ぶ事にした。(顔が似ているので「ゴジラ」と呼んだら、「命名権の所在が・・・」と言われて却下された。 ならばと、「水カキでカッパくんだ!」と言ったら、生暖かい目で見られ、「厳原にいる彼に申し訳ないでしょう?」と言われた。此奴、何を知っているんだ???)


 その「佐須くん」だが、聞き捨てならない言葉を吐いた。

「お前様は、ヒトであって、人ではない、幽体のようですな~。」と・・・。

 



 挿絵(By みてみん)

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ