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花火
祭りの影で笑う
あの日を追うように過ごす
振り返って
黒髪に煌めいて
鮮やかな日常と絶命のうた
天才は二度死ぬ
才能の枯渇と生命の途切れ
進む道のともり
緩慢とした脈動
さよならは悲劇かな
落ちた帰り道の遠くへ
投げかけることば
ふとあふれる指先の熱……
記憶が弾けるのなら
最期は花火のように綺麗であって
物陰で見た空に咲く光
綺麗だったよ
ぜんぶ 弾けたのかもしれないけれど
最期まで
きっと
夢は枯れずに
まだ置き去りにされたままで
だれかが引き取らないと
あたしは歩かないと