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家族の木  作者: 恋音
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THE FIRST STORY 真一と梨花 <眠れない夜>

大阪の聡の家で父の写真を見せられて動揺してしていた。祖父母が亡くなって、天涯孤独の身だと思っていた僕に親戚がみつかった。しかも、僕を好いてくれているように感じた。彼らは、なんだかユーモラスで温かい。


翌日、大学で講義を済ませた後は東京に帰った。仕事をしなければならなかった。東京へ戻ってみれば、昨日のことが夢のように思えた。本当にあったことなんだろうか?不思議な夢を見たのだろうか。なんだか落ち着かないまま深夜まで起きていた。


父を思い出していた。なぜ、自分の父親はいつも家にいないのだろうと子供心に不思議だったあのころ。ほのかにタバコの匂いがしていた。優しい太い声がよみがえってきた。父は、小学校に上がる僕のために黒い革のランドセルを買ってくれた。なのに、小学校へ入学する季節には僕たちの家へやってくることは無くなっていた。


3月のまだ寒い日に母と二人で病院に行った。人目を忍んだ見舞いだった。僕が父を見たのは、その日が最後だった。それから一週間ぐらいして父が亡くなったと聞いた。


もうとっくに忘れていた、悲しい思い出だった。うら悲しい思いのまま眠ってしまった。

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