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人権ドゥラメンテ  作者: タナカ瑛太
第二章「端末の中の暗殺者」
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第07話「ベリー。暫く休暇をとって欲しいんだ」

曜日、今度は戦隊長が乗った車が出勤途中に謎の故障を発生し、電柱に激突した。しかし、一時間後、包帯を巻いて出勤してきた。暗殺はまたしても失敗だ。指導主事はあっさり消されたのに、物理攻撃が効かないとしか思えないほどに戦隊長は不死身だった。

 戦隊長が県の武蔵県教育総司令部に出張するのは明日である。暗殺ができないのであれば自分でどうにかするしかない。

 僕は戦隊長を阻止する方法を以前から考えていた。できれば使いたくなかったが、こうなった以上、そうも言ってられない。

そして、 僕はベリーを実体化した。

目の前に現れるダークスーツ。

話をするだけなら別に実体化させる必要はないのだが、重要なことであるし、やはり人と話している実感を得たかったのかもしれない。

「エイタ。すまない。彼はまだ生きている」

「彼を殺す方法はないの?」

「現在、調査中だ。だが、」

と一旦 言葉を切り、

「彼には何か異質なものを感じる」

僕にはその意味がはっきりとは分からなかった。

しかし、あの男が普通でないことだけは分かった。

暗殺者に狙われ、いや、殺されても生きている。

どう考えてもおかしい。影武者が何人もいるのだろうか?

影武者を全員殺せば良いのだろうか?

たとえ、それが叶ったとしても彼を殺せるイメージができなかった。

何故かは分からない。

しかし、物理的に殺せなくても自分の身を守ることのできる方法を考えてきたのだ。

「ベリー、暫く休暇をとって欲しいんだ」

「理由は?」

「僕が殺る」

その言葉にベリーの目がギラリと光ったような気がした。

彼のプライドを傷つけてしまったと思い、少し身構える。

しかし、彼は冷静だった。

「方法は?」

僕はその方法を話した。

「正気か?」

ベリーは冷静ではあるが、僕のやろうとしていることが理解できないらしかった。

「もちろん正気だ。僕ができる方法の中では一番生き残れる可能性の高い方法だ」

「しかし、それでは君は解雇されることになるのではないか?」

「それもやむなしだ」

 僕は、命の軽さを感じていた。

エイタのとろうとしている方法とは?


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