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人権ドゥラメンテ  作者: タナカ瑛太
第十一章「L・G・A」
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第63話「エイタ。君に仕事を依頼された。だが、仕事はまだ済んでいない」  

ベリーが動く。新たなゴールドベリー端末と共に。

極限の既視感が僕の何かを目覚めさせるのが分かった。

「ナイブス」

 反射的にその言葉は出た。

 見えざる刃が出現し、いとも簡単に光の縄を切り裂いた。

 自由になった右手のデバイスの下部には見覚えのあるQWERTYキーボードが出現していた。今まで気づかなかったがスライド式のケータイだったのだ。

「これってまさか!?」

「ゴールドベリー端末だ。OSはアプリロイドだがな」

 僕の目の前にはダークスーツを纏った長身の男が聳え立っていた。

 その身に纏うは研ぎ澄まされた刃の如き存在感。

「ベリー!何でここに?」

 かつての相棒の名を叫ぶ。

「エイタ。君に仕事を依頼された。だが、仕事はまだ済んでいない」

 このプロ意識。彼に相違ない。

 彼女を反射的に抱きしめたくなった。

 僕はそう感じてしまった自分の弱さを頭の中で全力で責めた。

 そして、右太腿と折れた肋骨の痛みを噛みしめた。

 更に、ベリーと再会できた喜びを感じている自分がいることを噛みしめた。

 そして、質問を続けた。

「そうじゃなくて、なぜ生きてるの?」

「クラウドだ。私のデータは常にクラウド上に差分バックアップされていた。そして、最近になって君の脳のデータらしきものをネットワーク上で見つけて入り込むことにした。端末へのダウンロードが完了したのはついさっきだ」

 そんなことをやってたのか。

「君が手にしているのは最新型のゴールドベリー端末だ。DMデバイスもPERデバイスも搭載している。ゴールドベリーのOSは君も知っている通りシェアが低迷していてな。アプリロイドOSがインストールされることになった。キーボードを出さなければ一般的なアプリロイド端末に見えるだろう。だが、それよりも」

ベリーは敵に向き直り、言った。

「降りかかる火の粉を払うとしよう」

 ベリーが動いた。


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