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人権ドゥラメンテ  作者: タナカ瑛太
第十一章「L・G・A」
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第60話「この男のようにしたくなければ近づかないことだ。次に破砕するのは心臓かな」  

池海さんも気づいたようだ。

 僕の横にいる井下さんや加藤さんの様子に変化はない。やはり、デバイサーのみが知覚できる感覚か。

「誰だ?いるのは分かっている。一人で来いと言ったはずだ。立ち去らなければ人質の命はない」

 池海さんが誰何の声を上げた。

 絶望的とも言える敵戦力の精強さ。

 だが、そんなことは関係ない。

「バースト」

「ごフッ!」

 空気の破裂は小野澤の顔を破砕した。

 鼻の骨などが折れ、流血した顔を晒している。

「正気か!?何をする!?」

 池海さんの驚愕の声。

 僕は構わず続ける。

「顔をこの男のようにしたくなければ近づかないことだ。次に破砕するのは心臓かな」

「…イカれてやがる」

 そばにいる井下さんが声を絞り出すように言った。

「出てこい。木材谷マサオミ!」

 僕は駐車場中央に出た。

「危険だ!止めろ!」

 池海さんが静止にかかる。

 だが、それも関係ない。

 絶対に敵に譲歩などしてはならない。

「いいだろう」

 現れたブランドスーツの中年。木材谷マサオミが駐車場中央に向かって歩いてくる。

 奴は僕を冷めた目で見ている。

「貴様のデバイスを出して地面に置け」

奴は白いデバイスを胸ポケットから取り出して地面に置いた。

 四インチ程度のアプリロイド端末のようである。

 僕は次の要求を出す。

「本物だろうな?フェイクであれば小野澤キヨシは殺す」

「本物だ。確認すればいい」

 確か設定アプリを開けば確認可能なはずだ。

「では五十歩下がれ」

 奴はゆっくりと下がっていった。

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