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人権ドゥラメンテ  作者: タナカ瑛太
第十一章「L・G・A」
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第58話「どんなに足掻こうと我ら最高の人工知能『MASAOMI』がお前たち反乱分子を根絶やしにする」

「池海さん。この男は人質として活用可能です」

「ああ。もちろんそのつもりだ」

 今の自分たちにとって数少ない有利な条件である。

 使いどころを誤れば敗北は必至だ。

「お前たち負け犬が何を企もうと我らには勝てない。最高の人工知能が我らを導いてくれるからな」

 小野澤が豪語した。

 人工知能だと?

「人工知能と言ったな?どういうことだ?」

「これからの時代は無能には仕事がなくなる。人工知能が業務を限りなく効率化し、本当に才能のある選ばれた人間だけが中核となって組織を動かす。我らはその先駆けだ」

 近い将来、人工知能の発達によって約半分の仕事がなくなってしまうと聞いたことがある。

 そうなれば、就職難は更に悪化する。

 仕事を得られず、弱い立場になることを余儀なくされる人が増える。

 そんなことは許さない。

 彼は更に続けた。

「どんなに足掻こうと我ら最高の人工知能『MASAOMI』がお前たち反乱分子を根絶やしにする」

 それってまさか!?

「木材谷マサオミ?」

「そうだ。彼こそが我らの頭脳にして兵器。人類の最適化のために彼の組織『ZAINA』が開発し、日本を教育界から最適化させる人工知能『MASAOMI』だ」

 ZAINAという組織には聞き覚えがあった。確か、PERデバイスやDMデバイスをを秘密裏に実用化しているという。

 彼はDMデバイスによって実体化された人間ではなく、人工知能だというのか?

 そして奴の目的は『人類の最適化』なのか?

「人間じゃないのか?」

「肉体も知能も人間がベースだ。木材谷マサオミ…我が旧友は自分をデータ化するために命を一度絶った。そして、人工知能を埋め込まれた生命として、DMデバイスで実体化された。言わば、人間を止めたのだ」

 そんな人間が存在するなんて。

 ふと、僕は、もういないあの相棒を連想した。

 まさか彼も!?

 それにしても人間を止めるなんて…

「何のために?」

「人類の最適化のためだ。この世界には人口が多すぎるためにとてつもない無駄が生じている。無能な大量の人間が溢れ、社会のリソースを食いつぶしてる。それを最適化するために高度な人工知能を普及させ、無能な人間を淘汰して減らす。それにより優秀な人間が残り、効率的に社会を運営し、地球を延命させる」

明らかになっていく宿敵の正体

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