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人権ドゥラメンテ  作者: タナカ瑛太
第十章「河越城決戦」
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第48話「奴の力は相当なものだ。デバイサーという意味でな。正直、私でも致命傷を与えるのは難しい」

僕には腑に落ちないことがあった。なぜ、奴はベリーに殺されてみせたのか。デバイサーなら、その力を使って防げばよかったのではないか?それが、なぜ、今になってPERデバイスで戦っているのか?

 いずれにせよ、奴の謎を解くためには、ベリーの言う通りに戦って勝つしかない。そうしなければ、自分たちは命を落とすのだから。

 木材谷が動く。その動きは僅かに緩慢になっているように感じられたのは僕の思い込みか?

 ベリーも動く。

 振り下ろされる鉄槌。

 受け流す金属音。

 ベリーの光速とも思える攻撃と木材谷の剛腕による強烈な打撃。

 凄まじい攻撃の応酬を見ながら僕は分析を試みようとしていた。

 今彼らの間で行われているのは物理攻撃の戦いだ。

 ベリーと同様に木材谷もPERデバイスの力で武器を強化しているようである。

 それ故に派手さはないがとてつもなく高いレベルの戦いであることは僕にも分かる。 

 しかし、奴の能力の全貌がつかめたわけではない。

 奴が死んでも生き返るのはPERデバイスが関係していることは疑いようがないが、如何にPERデバイスの力をもってしてもそれを実現できるとは到底思えない。何かカラクリがある。それを解明することが奴を倒すために必要なことだ。

そう言えば、僕はベリーの能力も知らない。特にPERデバイスで使用しているアプリもだ。僕がどうにか習得した三つのアプリは当然使えるのだろうがそれだけで戦っているわけではないはずだ。

 ベリーが不意に木材谷との距離をとった。僕の横で耳打ちしてくる。

「奴の力は相当なものだ。デバイサーという意味でな。正直、私でも致命傷を与えるのは難しい」

 最強の相手ということか。

「だが、君の最大の威力をもったあの技ならば、恐らく拘束されていれば一撃必殺になるだろう。リスクのあるやり方になるが、私がどうにかして奴の動きを止める。その瞬間に君が殺れ」

「分かった」

 ベリーの周囲から静かながら強力な殺気が放たれ始めた。大技を出す気だ。

 奴はベリーが本気で戦う程の相手。そして、僕にとって最も殺したい敵。

 絶対に成功させてみせる。

目で追うのがやっとだったが、だんだん目が慣れてきた。

 武器や戦い方は違うものの、総合的な技量は互角に見えた。

 そして、ベリーのナイフが木材谷の左の肩口にヒットした。

 切れてはいない。ガードされている。

 しかし、木材谷は即座に距離をとった。

 左の肩口を押さえている。

 効いている。

 これがベリーの能力。小さな衝撃波を発生させる能力なのだろうか?

 外からの物理攻撃はガードされたが、ガードの内側で発生した衝撃波は防げなかったのだろう。絶大な攻撃力とはいえないが、ガードは至難の業だろう。

ベリーは後を追う。一気に決めるつもりか。

 僕はあの大技を出すための準備に入った。

最強の敵に立ち向かうエイタとベリー。不死身の謎は暴かれるのか?

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