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人権ドゥラメンテ  作者: タナカ瑛太
第八章「給食センター制圧戦」
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第33話「分かりました。ですが、それでは反逆者に味方することになります.」

「…分かりました」

 栄養教諭兵はすぐに応じた。

 戦いに慣れていないのはお互い様だ。

 本当に命を懸けて戦おうとする者は多くないのだろう。

 ベリーが敵兵達に手を挙げて案内するよう命じ、僕たちは正面玄関へと向かって歩いた。

 正面玄関に着くと、ベリーは敵兵の一人に建物内の案内をさせ、他の敵兵を僕たちに任せて入っていった。

 やがて、センター長らしき五十代と思われるスーツ姿男性が出てきた。

髪は禿げ上がっており、年齢相応の白髪が混じっていた。

「我々は投降します」

 怯え切った目でそれだけを言った。

 河上先輩が進み出てきた。

「我々の要求は、貴方方に味方になって頂くことです」

センター長に微かな表情の変化が見られた。安堵のようなものと僕は思ったが、一概にそうとは言い切れないものがあった。

「分かりました。ですが、それでは反逆者に味方することになります.。中央軍の上層部から反逆罪で処罰されるでしょう。守っていただけるのでしょうな?」

 その懸念は当然のものだ。

「もちろんです。我々にはその力があります」

 河上先輩は事も無げに応えた。

「それを聞いて安心しました。協力させていただきましょう」

 こうして、敵の補給を断ちつつ、味方の糧食を充実させることができた。

河上先輩は、彼に給食センターのネットワークにつながるPCへ案内させた。

 そして、何やら色々と聞き出し、指示を出していた。

 今ここを離れてしまってはセンターを押さえた意味がなくなってしまう。河上先輩はスマートフォンを取り出して、山中隊に連絡を取り、兵を回してもらうように手配した。

 僕たちは、山中軍所属の一個小隊の到着し、制圧は完了した。

そして、彼等は阪戸市給食センターを後にした。


戦況は河上先輩のタブレットでモニタリングされていた。

 オレンジ社のオレンジOSが入ったOPADである。

 山中軍と東堂軍の動きが映像と音声と文字で伝わってくる。

僕たちが給食センターを攻めている間に、山中軍と東堂軍は中央軍に対して攻撃を開始していた。


食料を確保。そして、城攻めへ。

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