表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人権ドゥラメンテ  作者: タナカ瑛太
第八章「給食センター制圧戦」
33/73

第32話「時間がない。強行突破するしかない」  

 敵の数は数えたところ十二名だ。

それでも、どうにか越坂部川を渡って、任務を果たさなければ勝利はない。

「時間がない強行突破するしかない」

僕の口をついて出た言葉はなかなかに過激なものであった。

太陽が南中している。もう正午頃か。 

「そのようだな」

意外にもベリーは同意した。

言うが早いか、ベリーはもう攻撃を始めていた。

黒い疾風が橋上を駆け抜けた。

その様子に気づいた中央軍の教諭兵三人が反応し、木刀とさすまたで応戦の構えを見せた。

しかし、時既に遅し。ベリーの手にしていたナイフが一閃し、敵の喉元を薙いでいた。

三人がその場に倒れた。それを見て怯んだ後ろの教諭兵達が逃げ腰になる。

「ナイブス」

僕の生み出した見えざる刃がその一人を木刀ごと切り裂く。

これで四人。

その間、成す術もなくベリーに間合いを詰められた体育教諭兵と思しき中央軍兵士がベリーを近づけまいとしてさすまたを突き出すが、ベリーは跳躍し、顔面に蹴りを入れる。そして、もんどりうって倒れた体育教諭兵の胸元に音もなくナイフを突き立てる。そしてすぐに引き抜く。 

深紅に染まるジャージに目もくれず、次の敵に向かっていく。

無駄がない。ベリーにとって殺すことは呼吸をするのと同じようなものだ。

そして、呼吸の回数を数えようと思う人はいない。

ここで敵わないことを悟ったのか、残りの七人が撤退していく。

この程度の相手にいちいち作戦など必要ない。そう言わんばかりの速攻だった。

先手必勝、一撃必殺、不意を突く。その基本は忠実に守られていた。

ベリーの電光石火の戦いぶりに、隊員たちは唖然としていた。

今回の戦闘において、ベリーはPERデバイスを使っていない。

PERデバイスなしでの近接戦闘でも、これほどまでにベリーは強い。 

「強い」

感嘆の声を上げたのはテラ君だった。


遺憾なく力を発揮するベリー。戦いは続いていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ