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 第一章 第一話 スキルと称号

 四条君は水晶を持った。

 眩しい光が辺りを包む。


「わっ!!」


「眩しい!!」


「ひゃあ!!」


「うっ!!」


「何なの? 今の光は?」


「こ……これは!!」


 老神官が水晶を食い入るように見る。


「結果が出ましたか?」


 四条君はキョトンと老神官を見た。


 四条綾人 17歳 男

 

  レベル 1

  称号  光の勇者

  スキル 【七つの聖剣】

      【異世界言語】

      【アイテムボックス(小)】

  加護  【大神の慈悲】



「光の勇者です。属性は光。聖剣召喚。言語スキルとアイテムボックス(小)素晴らしい」


「わぁ~~!! 凄い!! 流石四条君ね」


「素晴らしいです!! 本当に凄いです!!」


 香織さんが褒め称え。巫女姫も褒め称える。

 良く分からないが。凄いらしい。


「次は俺か」


 富永君が水晶を受け取る。

 辺りに赤い色が溢れて少し気温が上がる。

  

 富永康治 17歳 男


 レベル 1

 称号  聖槍使い

 スキル 【四つの聖槍】

     【異世界言語】

     【アイテムボックス(小)】

 加護  【蒼の囁き】



「ふむふむ。炎の槍使いですか。属性は炎。言語スキルとアイテムボックス(小)ですな」


「富永。なかなかやるわね。次は私」


 水晶は紫の光を放ち。

 伊藤香織はどや顔をした。

 鼻息が荒い。


伊藤香織 17歳


 レベル 1

 称号  【大魔法使い】

 スキル 【水の魔法】【火の魔法】【風の魔法】【土の魔法】

     【異世界言語】

     【アイテムボックス(小)】

 加護  【赤い祝福】 


「おお!! これも凄い!! 大魔導士じゃ。全ての魔法を操れますじゃ!! 」


「おお~~!! 次は俺!! 俺!!」


大塚和宏 17歳 男

 

  レベル 1

  称号  【忍び】  

  スキル 【影縫い】【影追い】【影使い】【影犬】

      【異世界言語】

      【アイテムボックス(小)】

  加護  【闇の祝福】


 大塚君は忍び。属性は闇。言語スキルとアイテムボックス(小)


「忍びか!! ニンニンって言わなきやダメかな」

     

 なんでやねん!!

 思わずツッコミを入れそうになる。


 小西匠 17歳 男


  レベル 1

  称号  【神官】

  スキル 【回復魔法】【浄化魔法】

      【異世界言語】

      【アイテムボックス(小)】

  加護  【ヒノッポスの祝福】


 小西君は称号は神官。回復魔法。言語スキルとアイテムボックス(小)

 ちょっと意外だった。

 皆凄いスキルだ。

 伊藤香織がニタニタしながら私の所に水晶を持ってきた。


「ほら。あんたもやりなさいよ」


 乱暴に水晶を押し付ける。


「……」


 私は水晶を見る。こんな展開よくラノベなんかにあるな~

 ぽわっと水晶が光る。


「なに。しょぼい光」


 伊藤香織は馬鹿にした視線を向ける。


「神官彼女は何なの? どうせ私達に巻き込まれたこの子には大した称号もスキルもないんでしょう」


 老神官は難しい顔をして、首を傾げる。


「こんなのは初めてじゃ」


「何なの?」


「称号は一般人。スキルは【おしゃべりなアイテムボックス】じゃ」


「なにそれ!! 称号が一般人? アイテムボックスがしゃべるの?」


 伊藤香織はゲラゲラ笑う。巫女姫も笑っている。こいつら本当に性格悪いな。


「神官様。珍しいスキルですか?」


 四条君が尋ねる。


「うむ。わしも50年以上スキルを見てきたが……こんなスキルは初めてじゃ」


「アイテムボックスは喋らないんですか?」


 私は老神官に尋ねた。


「うむ。普通は文字で表示されるだけじゃ」


「どうせ、中に入れた物を読み上げるだけでしょう。しょうもない。それにアイテムボックスは皆持ってるわ。使えない子ね」


「伊藤君言い過ぎだよ。兎に角。王様彼女は戦えないからこの城での保護をお願いできますか?大丈夫。僕達が黒狼を倒して必ず愛梨をもとの世界に帰してあげるよ」


「四条君……」


 私は四条君の後ろにいる伊藤香織と巫女姫を見て震える。

 私……魔王が倒される前にあの世に逝きそうなんですが。


「王様お願いがございます」


 私は片手を上げ王にお願いをした。


「そなたには済まぬことをした。勇者召喚に巻き込まれて。さぞかし怖い思いをしたであろう。何なりと申してみよ。出来るだけ要望に答えよう」


 こんな小さな子供が難儀な事だと王様は思った。

 王様は愛梨を10歳前後だと思っている。


「私は四条君達が帰ってくるまでメイドとしてお城で働かせてください。自分の食い扶持は自分で稼ぎます」


「うむうむ。エライぞ。そんなに小さいのにしっかりしている。あい分かった。メイド長に申して仕事と給金を与えよう」


「愛梨いいのか? 僕達が帰るまでお客さんとして厄介になった方が良くないか?」


 何故か。四条君は私のことを呼び捨てにしている。

 そして私の手を握るとこの手が荒れるのは嫌だなと呟く。

 ぎやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~!!!!

 近い近い!! 睨んでる!! 睨んでる!! 

 お願いだから離れてくれ~~~~!!

 伊藤香織は今にも襲いかかってきそうだし。

 巫女姫は暗い呪詛の笑みを浮かべる。

 男共は面白そうに見ている。

 見てないで何とかしろよ~~~~!!

 私の心の叫びを聞いてくれる人はいない。






※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 2018/8/25 『小説家になろう』 どんC

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最後までお読みいただきありがとうございます。

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