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異世界の国々が驚いた異界国家日本は本当にすごーいデス~ネ。  作者: 伊達教宗
第3章 動くシベリナ連合諸国と雷帝魔導師の過去
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24話 ゼロから始める異世界の外交政策 9

アースティア暦 1000年・西暦2030年・5月24日・ユーラシナ大陸・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・コヨミ半島・コヨミ皇国・万代藩・万代市にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



万代市に着いてから4日目。


 遂に皇都からコヨミ皇国政府の使者がやって来ていた。


 同じ頃に日本使節団と自衛隊にも、コヨミ皇国在日本国臨時大使館から無線連絡が入っていた。



 皇都からの連絡を受けた伊達愛海と日本国使節団は、次の日に皇都である星都市に向うのだった。



 再び、自衛隊の長い行列が、万代市内を経由してコヨミ半島の中央の大動脈であるコヨミ中央街道の東の街道、 コヨミ中央東街道を通って西へと向う。



 愛海と万代藩の従者達は、日本側が用意したバスに乗って移動していた。


 これはコヨミ皇国側が騎馬や徒歩で移動し、日本側は公用車と自衛隊の車両と一緒の移動では効率が悪い為である。



万代市から西へ150キロ、其処にコヨミ皇国の皇都である星都市に着いたのは、夕方頃であった。



 皇都に付くと自衛隊は、皇都郊外の日本大使館と併設されている駐屯地に入る。


 ちなみに、この地から50キロ離れた草原に自衛隊の統合航空基地も在るのだ。


 この航空基地は、コヨミ皇国の防空や日本側が必要な物資や人の乗り入れを行う者である。


 戦後は、万代市の自衛隊基地がコヨミ皇国に一部返還され、星都市と並ぶコヨミ国際空港と国連軍の空軍基地とし使われる様に成って行く事に成る。


 これから行われる予定の皇都での謁見に付いては、国皇である力仁国皇の公務と諸侯を集めた御前会議が終わり次第、宮廷から日本大使館に報せが来る予定だった。



力仁国皇が、日本の先遣艦隊が来た直後に、御前会議を召集した。


 会議は紛糾し、コヨミ皇国内では、1ヶ月以上もの間、対帝国と日本との外交を巡って主戦派と講和派が互いを牽制しあう謀略合戦をして居るのだった。



 その御前会議は、日本使節団が来てしまっても続いて居たのであった。



 そして、コヨミ皇国政府が、最終予定日としている5月25日の事である。


 皇都では、連日の会議、会議、会議で疲労困憊の中、遂に国家方針を決める重要な決断を出そうとしていた。



力仁は日本国を迎えるのに必要な万代港の港湾の設備の改修と皇都である星都市まで街道の改修を日本主導で、日本式に行う事を国皇権限で認めると関係各位に通達をしていた。


 そして、国内の講和派と主戦派、それに中立派を集め、国論を纏め様として居るのである。


 序でに不穏な言動や行動の目立つ諸侯を押さえるか拘束する積もりでも居た。


 つまり、この御前会議は、皇国に措ける不穏要素の目立つ人物を一斉掃除する絶好の機会で有るのだ。



そもそもコヨミ皇国の国内が、此処まで会議が拗れるのは、帝国との外交政策に措いてコヨミ皇国内には、二つの勢力が有って、コヨミ皇国は二つに割れていた。


 皇国の西側と最前線の北西に領地を持ち、帝国と貿易を通じて、帝国とは多少の国交の有る講和派の藩主達。


 それに対して東と南、南西と北東に領地があって、帝国に対して誇りと独立を守ろうと言う主戦派の藩主達である。


 しかし、そのどちらにも付かない各地で日和見をしている中立派の藩主も居るが、最近に成って中立派閥の藩主達の風向きが変わりつつあった。



龍雲海沖海戦が起こり、その後、南西国藩主の嶋津義隆と皇女紅葉からの報告で、その存在が明らかと成った国家、そう、異界からの転移してやって来た日本国だ。


 コヨミ皇国の船舶の船足で約5日から7日の距離にある島国は、彼らの想像を遥かに超える超大国であった。


 そして、その異界国家が複数この世界に転移して来ていると言う事実も、更なる衝撃的な事実でもあった。


 コヨミ皇国は、これらの異界国家との国交樹立と軍事同盟の成立は、コヨミ皇国だけでなく、この世界のパワーバランスの有り様を根幹から覆すものであるのは明らかである考えていた。



この事態に慌てたのは、講和派とその筆頭の相州国藩主である北条正成であった。


 彼は兼ねてより、自分の私腹と藩国の利益の為に、帝国との戦を避けるべく動いていた。


講和派の主張はこうだ。「帝国に戦で勝てないのは火を見るより明らかである。ならば、紅葉皇女殿下等、3姉妹を帝国の王子か名のある貴族と婚姻し、姻戚関係を持って穏便に済ませるのが妥当だ。」と正成らは強硬に主張している。



たが、先に供述した通りでもあるが、当の本人である紅葉がこれを大変に嫌がり、政略結婚を言い出した本人を斬り付け、いや、殴り付ける等をした。


 如何なる理由が有ろうと望まぬ結婚を嫌がるのが当たり前であるが、彼女が嫌がる理由は有った。


 それは嫌な噂が絶えない帝国とその王侯貴族らは、他国の全ての身分に関係無く、女性に対して何をして来るのかが分らないからだった。


要するに下種な輩が多いと言われていた。


 それに暦の巫女としての直系の血筋たる紅葉を差し出すのも、国としてコヨミ皇家としても有っては成らない事だし、紅葉は大事な可愛い妹達や、皇族に連なる親族の娘達を生贄の様にして、差し出す等とは言語道断であり、決して許せないと講和派を徹底的にぶちのめしていた。



一方で主戦派は、当初は、足柄一葉を筆頭にして、徹底抗戦だけを主張する猪集団だったが、日本が現れるとそれまで唱えていた戦争一辺倒の政策を転換する。


 そして、日本国の元で交易を通じて彼の地の優れた技術と経済力を吸収しつつ、日本式の軍隊を編制し、帝国と戦おうと言う冷静かつ、理知的な物へと変わって行った。


 それだけではなく、日本国の国防軍である自衛隊なる組織を国内に駐留させ、抑止力とするとある。


 更には、この日本国との関係をシベリナ連合だけでなく、反帝国同盟の全てに拡大としようと言う広大な計画を訴えていた。



これに講和派が真っ向から反対した。「得体の知れない国家に何が出きる。チョッとばかり国力の高そうに見える国ではあるが、軍隊の数が少なすぎるから大した事は無い。」



「全ての国家に対して、ニホンの経済支援を行い、技術を取り入れ、軍隊の庇護下に入る等と言う考えは妄言に過ぎず、貴公らは錯乱して皇国を混乱に陥れ様としている。」


更に付け加えると「我がコヨミ皇国をニホンの傀儡国家にしようと企む奸臣であるっ!恥を知れっ、この痴れ者共っ!」と言って来ていた。



 要するに彼らの持っている自国領地の既得権益や私腹を肥やす事を戦争や他国に侵されたくないのが本音なのであった。



それならば、領土安堵を早期から確約してくれる覇権国家に依存した方が良いと考えて居るのである。


 なのに、日本とか言う何処ぞの馬の骨とも知らぬ輩の国に、自分達の邪魔をされるのは我慢が成らないのであった。



 これに対して主戦派は、日本から送られた分厚い資料を片手に反論をしたのであった。


「講和派の主張している事は根拠が全くない。このニホン国の国内の資料が描かれている物の本は紛れもない事実だ。」


「写真なる絵は精巧な技術で、現実の風景を写し取るカメラなるからくりで撮られた絵図は、海の向こう側にあるニホンの姿であり、真実だ。」


「更に紅葉皇女殿下がニホン国の九州島地方を自らの目で視察をされた。」


「殿下が自ら撮影された写真もあり、殿下の書状とニホン政府からの資料は真実である。」


「この事実を噓つき呼ばわりする事は、皇室への不敬であり、講和派は何某かの不都合な事実を隠しているとも見て取れる行為だ。」


「我が国は早急に、この国との国交を結ぶ事を急ぐべきだ。」


「更に皇都には、ニホン国の使節団の先遣隊が既に入国を主上さまご自身が既に、許可をされている。」



「そして、彼らが扱う乗り物や道具の多くは、我が国の兵士や市民らの目に留まり、臣民達は驚きの声を上げている。」


「それに貴様らは、帝国との癒着の噂が囁かれている。奸臣と言うのは、何方の事なのかな。」



お互いの主張を一歩も譲らず、国皇の前で開かれていた御前会議は紛糾し、最後は力仁国皇が臣下の者達の議論をさせて機会を見て自分の意見を言おうとしていた。


 力関係の勢力の弱い講和派が中立派の切り崩しをしようと言う情報が持たされると、御前会議の最終日に成って、臣下達に言ったのである。



「我が娘の忠言を全面的に受け入れる。これまで我が国は、コヨミ皇族のお告げの力に助けられて来た。」


「紅葉の見た未来と、紅葉が視察見聞して来たニホン国の内情は皇国の未来を決める重要な決断に間違いは無いだろう。」



「成らば、ニホン国との国交樹立は正しいと言える。」


「更にニホン国の国力の高さは、紅葉と南西国藩の藩士らの手によって下調べをして来た資料で明らかだ。」



「正成、お主の意見も一理有ると言いたいが、これだけの物的証拠が揃って居るのに、ニホン国が大した国でないと強引に主張を通すのは無理が過ぎるぞっ!」



 賺さず正成は反論をし様とした。



「しかしですぞ、主上さまっ!このままではコヨミ皇国は、ニホンの傀儡国家に成り下が・・・・・・」




「くどいぞっ!下がれ、正成。わたしは既に決めて居る!」


「貴様の今の発言は、帝国の講和を受け入れた時の条件下での我が国の状態を言っているのだぞっ!」


「ニホン国は、民が偽政者を選挙なる方法で決めて居る。」


「彼の国の宰相は、市民から選ばれた元老院議員の中から選出された者だ。」



「それ故に、間違いは余程の事がない限り起こらない。」


「独善的な政治も勝手が出来ない政治体制だ。帝国の体制とは根本的に違うのだぞ。」


「既にわたしは、紅葉を通じてニホン国に、国防軍たる組織である自衛隊の派遣要請を出した。」


「更にニホン国は多数の技術指導者と貿易の基本条約するとも言ってくれている。」



「だから帝国とは一戦を交える所か、帝国が降伏するまで我がコヨミ皇国は一歩も退かぬぞっ!」


「他の講和派の者達も如何なる理由があろうと反対は許さぬ。そこで貴公らに此度の件で申し渡す。」



「帝国との癒着が有るとの噂の絶える事の無い貴公達は、その罪状がハッキリとするまでの間は、皇都の邸宅で謹慎しておれ、貴公ら自領の兵達も自領地へと退かせよ。」


「貴様らの見張りの指揮は近衛隊の加藤清忠と陸軍大将軍補佐の細河夕らの兵の任せる事とする。」 



突然、現れたのは近衛師団長である加藤清忠が率いる近衛隊と細河夕が率いて陸軍大将軍の直属配下の武士や兵士達である。


 控えていた二人と直参の兵士達に囲まれた正成達講和派は、槍や刀に突きつけられた。



 正成を始めとした講和派は、真っ青な顔になり、自分達が進めて来た和平工作(降伏従属条約)の締結計画がご破算と化していた事に成ってしまう。



 それ処か、主上である力仁の怒りを買い、国政に関わる事を禁じられ、会議室から閉め出されてしまった。



力仁は会議が講和派によって荒れる事を予測して居た。


 会議その物を無理やりに中止する動きや武力蜂起によるクーデター等の万が一に備えて、近衛隊で講和派の首魁を取り押さえる算段を付けていた。



 更に日本使節団の護衛と開発支援として来ている自衛隊も、帝国と自国の反乱に対する抑止力として駐留して欲しいと要請を御前会議の最中にコヨミ皇国政府首脳陣と決めて居たのである。


 古来より安定した政権を作るのに話し合いで決まった例は少ないと言える。



 力仁は、この国の王として、覚悟を持ってこの決断を取ったのである。


 だが、皇国内での火種は、まだ鎮火はしていないのである。



 どの世界、どの国でも変革の際は、片方の派閥勢力が反発するのが世の習いだからである。


 かくして一月以上にも及んだコヨミ皇国の日本に対する外交方針は、ようやく決まったのであった。


 だが、この無理やりな鎮圧行為が、後に大きな内乱を呼ぶ事に成る。それはもう少し先の話に成るのだが・・・・・・・・・・・・・・




 アースティア暦 1000年・西暦2030年・5月27日・午前10時00分頃・ユーラシナ大陸・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・コヨミ半島・コヨミ皇国・皇都・星都市・星都城・謁見の間にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 5月27日 コヨミ皇国 皇都・星都市




荒れに荒れたコヨミ皇国の御前会議から二日が経過した。コヨミ皇国政府は、慌しく日本使節団との会談の準備を進めていた。



 御前会議の最中も準備は進められて居たが、会談を行うに相応しい内装準備などは、講和派の居る手前では進めらない。



 25日に終わった御前会議の直後から一気に会議場や謁見の間の内装など飾り付けや、段取りの打ち合わせを進める時間が皇国側に必要だった。


27日の午前9時頃、コヨミ皇国の近衛隊の先導の元で、日本国使節団が皇城たる星都城に入城する。


 星都市の名の由来は、星の都と言う意味である。北斗星と南宝星を神の一つとして信仰して居る意味も有るからだった。



 この国は星を神として信仰している。国旗には太陽と月が重なり合い北と南の星を飾った模様をしている。


 星都市は日本の平安京、その手本と成っている中国の古き時代の都である長安の町並みにも似ていた。



 都はコヨミ皇国の本土であるコヨミ半島中央に位置している。


 東西約10キロ、南北10キロ位の広大な平野に位置して作られていた。



 星都城は近い将来、帝国との対峙する時を想定して150年前に、この平野の南に星都山を中心に築城された城である。


 都の市民は、北大路門から入京する見慣れない鉄の車を珍しそうに眺めていた。



 日本使節団は、古の日本や中国の都も、この様な姿をしていたのかと思い珍しがりながら自国と良く似た異世界の半島国家の首都を見ていた。



日本使節団は、この日、護衛である少数の陸自隊員と供に、星都城内の謁見の館へと通された。



 城内風景はまるで日本の江戸時代以降の城か京都御所等の建築物に良く似ていた。



 様々な装飾が施されていて豪華絢爛の美しい建物である。


 謁見の間にて、使節団の一行は着座をする事を許されると、程なくして、ドーン、ドーン、ドーンと言う太鼓の叩く音が城内に響き渡る。


 日本の時代劇で描かれているワンシーン見たいで、彼の暴れまくっている将軍が出てきそうな感じだった。



「力仁国皇陛下のお~な~り。」



従者が国皇の入室を知らせると謁見の間にいる全員が一斉にお辞儀をし、礼を採っていた。




 力仁が謁見の間の一番奥に在る指定の着座位置に座ると使節団に声をかけた。



「良う来られたニホン国の使節団の方々、私がコヨミ皇国の国皇、力仁である。」



「そして、我が家のじゃじゃ馬な娘が大変に世話になった。心より御礼を申し上げる。」



諏訪部外務大臣が一歩前に進み頭を垂れて、日本使節団を代表して挨拶をした。竜史も一つ下がった位置へと後に続いた。



「ご拝謁を賜り光栄の極みです陛下、日本使節団の団長の諏訪部純二で有ります。」



「副団長の高見竜史です。」



「そして、この度のニホン国からの格別のご支援、御礼を国を代表して御礼申し上げる。」



「貴国の天皇陛下と安元宰相殿に良しなにと、お伝え下され。」



「はっ!此方こそ、末長いお付き合いお願い致します。」



 挨拶を終えると国交樹立の議題へと移る。



「それでは国交を樹立する為の提案だが、我がコヨミ皇国からは、次のように提案したいのだ。詳細な説明は宰相の四条由美から説明させよう。」



力仁が右側の位置で着座して控えていた宰相である四条由美を呼び、日本国への要求を改めて説明させる。


 事前に決めている両国の協定と要請内容は、あくまで仮の物である。此処で改めて両国が合意する事で本格的な国交方針が決まるのである。



それと此処で四条由美に付いて少しだけ語って置こう。


 四条由美、コヨミ皇国の古い貴族の出自で、真面目で沈着冷静な性格。眼鏡を掛けたクールな雰囲気のお姉さんである。


 その性格が災いして婚期を逃してい「こほん」あっ、失礼した。誰かに突っ込まれたような?


 それはさて置き。その真っ直ぐな性格から鉄の宰相と言われていて、脅しを掛けた位では、簡単には屈さない人物である。力仁から絶大な信頼を寄せられていた。



「では、ニホンの皆様へ提案させて説明さて頂きます。最初に互いの国家の承認、不可侵条約の締結。」



「但し、日本国からの導入された新技術と乗り物などを含めた物を運用する為の制度と法律の整備に関して、ニホン国からの法律と制度の原案の提案と各種技術指導者の指導と活動は、我が国の主権を侵すには当たらないと解釈します。」



「次に貿易における関税に付いてですが、当面の間、特に我が国が日本の最低水準に達するまで関税等を掛けずに置き、関税が必要と提案された場合は互いの実情に合わせた関税を設けます。」


「これは帝国との戦争で、兵器生産を始めとする各種産業品の生産が過剰になり、日本での生産が間に合わない場合が想定されます。」


「そうなると日本からの良質な輸入品を仕入れている各国と日本が互いに関税を掛けていると生産コストが関税によって過剰に掛ってしまいます。」


「これ等をスムーズとするには、関税を当面の間は撤廃し、互いの国の雇用を促進し、雇用した人達の所得から長期的な所得税を元に、それまで国庫で掛けた資金の元を取ろうと言う提案です。」


「我がコヨミ皇国は、これらの事業を国を挙げて推奨したいと考えて居ます。」



「次に諸外国と仲介に付いても、問題なく進めて行きたい考えて居ます。」


「そして、最後ですが、我がコヨミ皇国及び反帝国勢力に対する軍事協定の取り決めです。」


「本来は軍事同盟と表記したい所ですが、ニホン国の憲法とこの世界に転移して来ている異界国家各国との間には、我々の世界独自の国交と国際協定に批准していない貴国と異界国家群には無理が有ります。」


「其処で二ホン国を中心とした異界国家の国々と反帝国同盟各国との間に、個別軍事協定を結び、当座を凌ぎたいと思います。」



「そして、その間に何らかの形で大きな国際会議の席を設け、其処で本格的な取り決めを決める協議を行いたいと提案致します。」


「ですが、流石にその席を設ける為には、色々と外交上の根回しが必要と成りますので、当面は無理と我が国は見て居ります。」


「この事に関しては、新たな動きが有り次第、改めてご連絡させて頂きます。」



「次に我が皇国からの貴国に要請する軍事協定は、貴国の防衛軍である自衛隊の派遣と駐留、陸・海・空軍基地の提供、戦時における共同戦線、我が国の軍事改革と人材育成、武器と兵器の輸入です。」


「なお武器と兵器に付いてですが旧式な物で構いません。」


「両国の都合が付きやすく、初めてである我が国の将兵でも扱いやすい品物を中心に仕入れて行きます。」


「現行使用している武器や兵器の改良版でも、何でも結構ですので、御一考下さいますようお願い致します。私共からは以上と成ります。」



コヨミ皇国からの提案は終わった。お次は日本の番である。



 コヨミ皇国からの提案は概ね予想通りと思った日本側。提案の説明は諏訪部外務大臣が行う。



「日本国側からの提案は、外務大臣である私から説明させて頂きたいと思います。」


「先ず、国家承認と不可侵条約に付いてですが、問題ないと考えています。」


「次に貿易に付いてですが、政府との協議とお互いの省庁での協議で進めて行きたいと思います。」



「関税に付いても前向きに検討を致したいと思います。」



「それと食料と原材料の輸出に付いても出きる範囲でお願いします。各国との外交における仲介も改めてお願い致したいと思います。」



「最後に安全保障の協定に付いてですが、ご要望通りに自衛隊を派遣致したいと思います。但し、当面の間だけ一定数の部隊を派遣をする予定でおります。」



「特に帝国が周辺地域に、戦争をこれ以上仕掛けて来るまでの間のみとし、それ以外では派遣人数を限定的とします。」


「駐留予定の自衛隊は、日本国外苑地域での専守防衛と事前脅威の除去防衛、大使館と在留民間人の護衛する事を目的とする事を法的な根拠とします。」


「これは今現在日本と帝国が互いに本格的な宣戦布告をしていない事に基づきます。」



「先のあさくら号襲撃事件は、偶発的な国境警備の争い的な延長と言うのが我が国の見解です。」


「まだ、あの時までは、我が国は帝国なる存在を知らなかったと言う事に成って居ます。その認識を貴国にも分かって頂きたいのです。」



「承知致しました諏訪部大臣。貴国は、先の帝国が行った民間船襲撃事件に付いての見解はあくまで戦争に当たらない。」


「あくまで民間船の保護のにおいて発生した偶発的な戦闘と言う事で周辺国に発表する様にと各所と世界各国に伝達します。」



「有難う御座います。四条宰相。」



「議題は以上と成ります主上陛下。」



由美宰相が、力仁国皇に両国の提案の提示が終わったと告げた。



「うむ、後は互いの官僚同士が話し合い細部を詰めて纏めるが良い。」


「最終判断はこの場に居る国家代表同士が確認すればよいが、諏訪部大臣と高見大臣の両名は必要とあらば帰国しても構わない。」


「早急に纏めたいとは思うが、両名の判断では勝手に出きないと判断した場合は、安元宰相に、案件を諮って貰っても良いぞ。」



「それと頼みたい事が、もう一つ有るのだが・・・・・・・」



「何でしょうか?」



 諏訪部が聞き返す。



「実は国内の諸侯に、貴国の国力と軍事力を疑う者が多い。」


「其処で貴国の実力を我が国の諸侯や臣民、各国の大使らに見せて欲しい。」



「本当の貴国の力を見れば、ニホン国を侮る者らも黙らせる事も容易であろう。」



 竜史が言った。



「実力・・・軍事力ですよね。」



「そうだ。この世界は強い軍隊が無いと舐められるのも仕方の無い事だ。」


「特に見た事も聞いた事も無い異世界の国は、我々に取って謎が多く、知らない事だらけである。」


「無知で有る事は、お互いに不幸な事でもある。」


「其処でだ、貴国の力を我が国の演習場で見せて欲しい。」



「力を示せか・・・諏訪部さん。」



「分かりました。安元総理に連絡を取り、検討したいと思います。」



「あの~諏訪部さん。」



「何だい竜史くん?」



「演習が全て終わったら日本の物産展でもやりましょうか?」



「竜史くん。それはどうしてだい?」



「我が国をより一層、売り込むチャンスかと・・・・・・・・」



「ああ、そうか。我が国の実力が、軍事力だげてなく、優れた品物を作り出すだけの技術力を持って居るとコヨミ皇国の市民と諸外国の大使に知れ渡れば、それはこの異世界での世界市場に対して、一層の売り込みのチャンスと言う訳か。」


「よしっ、政府と経産省に掛け合ってみよう。」



「中々面白そうな事を思い付くではないか。その企画、決まったら知らせて欲しい。」



「それでは、この度の日本国との会談は一先ず終了する。皆の物、大義であった。」




 力仁国皇が退出して行く。


 周りの人達は一斉に礼をして行った。


 事が終わると、由美が諏訪部に近付いて来た。



「諏訪部さん、これからの会議の間、宜しくお願いしますね。」



「はい、此方こそ。」



 諏訪部と由美が握手を交わしていた。諏訪部は彼女の印象を好意的に思っていた。



 四条由美、皇国宰相にして、とても美しいと評判のお肌の曲がり角のにじゅう「死にたいんですか貴方?」えっ!?はい、スミマセンです・・・・・・


 けれど文章の間に突っ込まないでください、はい。



 ととっ、取り敢えずっ!両国の第一回会談は終了した。日本の異世界での波乱の日々は、まだまだ始まったばかりである。


 これも再投稿したものです。再編集したものが暫く続くきます。中には新作てきな所も書くもしれません。

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