335話 東京サミット国際合同軍事演習会っ!!! 38
アースティア暦1000年・4月20日・午後14時15分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央部地方・シベリナ中央地方・ダバード・ロード王国・イングラード州・王都インディクス市・インディクス城・ダバード・ロード王国女王・アーヤ・シュチュ―ド執務室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アーヤ女王に招集されたサミー・シライン、アッキー・ウインハルン、カナリエ・サーティーン、ミナコーネリア・コンゴルンらは、宰相大臣であるアイサを含めた閣僚幹部の間で、まだ部外泌として居た、あの日本紹介本・・・・・日本国が各国の政府と大使館宛に配った日本に付いて書かれている文面と各種紹介写真が載せられて居る分厚いカタログの様な紹介本こと、カタログ本を更に読み進めて行く。
数百ページにも及ぶ紹介覧の内容は、異世界各国が腰を抜かすほどの好評価だった本をその場にいる全員が「凄~い」と目を丸くして、見入ってしまって居たからだ。
その他にも青森県の弘前城の桜、沢山に実る林檎の果樹園や大間の風景にはクロマグロが水揚げされ、青森のねぶた祭りの写真があった。
宮城県の写真集では東北で一番に発達した都市である杜の都・仙台市・・・・この場に居る王国の人達には、何故に都市の高台から仙台市を眺め見るようにして置かれて居る銅像の絵図が、載せられ居る意図が分からなかった。
その事に思わずミナコが「この銅像は何なんですの。」と言ってしまった。
すると横で見ていた、サミーが説明文を読んでくれた。
「・・・・えっと、ですわね。その昔、過疎同然の千代と言う地に、大きな山城と町を整備し、その地の名を仙台と命名し、この地を発展させた人物って書いてありますわね。」
「独眼竜と謳われた東北の雄、伊達政宗?異名は独眼竜か~?何か、カッコいいな。」
カナリアが、実物の風貌の顔付きは、厳つい感じの独眼の人物を創造して居るようだったらしく、政宗の事を如何やら気に入ったらしい。
「何故こんな銅像の絵を載せているんですの。伊達と言ったらコヨミ皇国の万代藩ではありませんかっ!!単に城や公園なら観光と言う意味合いを理解ができますのに。」と日本の伊達家とコヨミ皇国の伊達家の名前が同じである事にも首を傾げるのであった。
そのサミーが、首を傾げ、疑問に思って居る事に付いての補足は、女王たるアーヤが言い当てたのである。
「多分、この人物はこの地方の誇りなのよ。これほどの大都市の基礎を作り上げる人物なのだから、此処の人達はとても感謝し、未だに尊敬をしているのね。日本の伊達家とコヨミ皇国の伊達家は、単なる名前被りに過ぎないと思うわ。」と締め括った。
しかしながら、残念ながら独眼竜と言うのは、後々の時代での異名の事で、戸時代後期の儒学者・頼山陽の賦した漢詩にまで遡る。
詰まりは、独眼竜と言う異名は、政宗の死後に勝手に付けられた異名の事で、政宗本人は名乗って居ないし、当時の人々らも呼んでは居ない。
更に残念ながらトレードマークである眼帯すらもして居なかった。
恐らく、独眼竜伊達政宗のイメージが、現代日本の世に広まったのは、大河ドラマ・独眼竜政宗のイメージが強かったからだろう。
そんな政宗のイメージが強く残る中で、他にも宮城から北へと続く海岸には牡蠣養殖が盛んだと書かれていた。
漁師が苦労して探して獲って来る事でしか、決して手に入れる事が出来ない牡蠣が、人の手で養殖できる事実は、この場に居る彼女達も大いに驚かせていた。
更には気仙沼で加工されている鱶鰭や蒲鉾であった。
これを見た者の中には、『ええっ!?硬くて、蛋白で美味しくないって有名なサメって食べれるの?』と言ったりして居た。
実は刺身でも結構美味しい魚で、日本本土では馴染みが無い物だが、兵庫県や島根県などの中国地方のごく一部の地域ではワニ料理として食べられおり、また沖縄ではサメの駆除の序でに食されて居る珍味である。
著名なグルメ漫画である美〇し〇ぼと言う漫画にも登場するので、興味ある方はは調べてみると良い。
但し、裁く技術と知識に加えて、新鮮でないと食べれられないので注意が必要である。
因みにアカエイも食べられるサメ科の魚類で、刺身・唐揚げ・煮付けと言う方法などので食べられるが、その尻尾には毒針があるので、知識と技術のある人や業者以外での調理はやらない方が良い。
更にページが捲られ、山形ではさくらんぼに洋梨、鯉養殖が写って居り、秋田の白神山地にナマハゲの行事風景に、小野小町の絵姿に可愛らしい秋田犬の子犬たちが仲良く寝ていた。
新潟県のコシヒカリの田園風景、何故か新潟県と長野県と山梨県はある風景写真を共同で出して居て、特に工業が盛んではないので観光紹介のインパクト出すのが目的のようだ。
これ等三県の共通する事として、映し出された写真が載せられて居り、それは長野市で行われて居る川中島の戦い再現祭りであった。
新潟では上杉謙信やその家臣まつわる説明や特産物の紹介し、長野では上田の真田家のエピソードに地元の野菜と果物、そして海老の人工養殖などが紹介されている。
山梨では勿論、現代山梨県の基礎を築き、郷土の誇りとして知られた、武田信玄をアースティア世界の人々に地元の誇りとして紹介して居た。
山梨県の名産品である葡萄や地球でも大評判のワインに加えて、宝石加工品と加工場が創り出した宝石と水晶のアクセサリーが輝く写真と大自然の山々の風景写真と供に・・・・是非、お越しくださいと書かれて居た。
これは中国の観光客が来なくなったので観光の収入を当てにしている地域特有の現象だった。
これにはある理由があった。日本で行われた日本国紹介パンフレットの製作会議に措いて各地の紹介を如何するかに付いて揉めて居たからだった。
各種工業産業を優先的に紹介したいと経産省は言って居たが、それでは困ると観光が盛んな自治体代表者が言い出した。
この会議にコヨミ皇国に出発する直前まで参加して居た交援省大臣である竜史は、紅葉からこう言われていた「別に観光や郷土史でも受けが良いわよ」とね。
日本の歴史の中には戦史や城等の遺跡も有るし、これ等はこの異世界に取っては、先進的な情報を合法的に見学が出来る所でもある。
そういった場所を日本に訪問した際に、視察すれば学ぶ所もある筈だろう。
意外とこの世界の戦争は軍勢が多いし、強力な兵器や一騎当千の将、異能力者が幅を利かせて居るので、用兵や兵法と言った考えた方をする人材が少ないのだ。
何れは観光でも日本を訪れるだろうが、今は留学生や視察者の各地の訪問を考えた本に仕上げようと言う竜史の遊び心が入って居た。
そんな産業以外の写真も載せた説明文の中には、群馬の富岡製糸場と生糸の生産風景、各地の織物、草津と伊香保の温泉街、近代日本で逸早く教育に力を入れた県知事の話、嬬恋村長野原町に広がるキャベツと白菜の広大な畑。
神奈川の横浜港に、京浜工業地帯の現代日本を象徴する工業地帯の風景や箱根山の温泉や芦ノ湖からの雄大な富士山を含めた絶景。
愛知の名古屋の町並みに、世界でも有数の自動車工場である豊川自動車中心とした工業地帯と名古屋港、三重のは伊勢神宮に志摩の養殖真珠、松坂の和牛たる松坂牛とすき焼き。
滋賀・京都・奈良からは琵琶湖から回って京都の各地の史跡をせて奈良の古い史跡をアピールをしつつ、この地域は日本の最初の頃の歴史に触れられると謳って居た。
大阪と兵庫は工業アピール力を注ぎつつも大阪城や姫路城の城塞の凄さと歴史的な価値が書かれて居た。
瀬戸内の県では、瀬戸内に架かって居る各地の三つの長い橋、明石海峡大橋・瀬戸大橋・しまなみ海道が目を引きつつ、瀬戸内の魚貝の養殖、呉の旧海軍の軍港にして、今も海自基地として使われる呉港。
九州では北九州と熊本の工業地帯、福岡の夜景、各種果物と野菜の畑、長崎の造船ドッグ、各地の陶器・磁器の伝統工芸工房と職人さんたちの働く姿。
ライトアップされた熊本城は、熊本地震での倒壊から見事に再建され人々に親しまれて居ると説明しつつ、創建者である加藤清正や次代藩主である細川家に付いても書かれて居た。
九州各地の火山に付いて触れ、豊富な温泉とそれを利用したレジャー施設やエネルギー供給施設が有ると書かれて居たが、そんな事よりも、彼女らは特に気に成ったのは、日本人らが危険な火山地帯の近くに、平然と平気で住んで居る日本人の神経が信じられないと語って居た。
鹿児島県は、近代日本を築いて歴史と主要偉人たちの紹介をすると供に、名産品たるお茶やサツマイモに、黒酢や焼酎造りに黒豚養豚場が紹介され、最後に美味しそうなトンカツが揚げられて居る写真を載せて居た。
同じく鹿児島県に属する屋久島の屋久杉や山谷の風景と鹿やサルたちかなる神秘的な風景写真に、種子島のロケット発射風景。
最後に沖縄ののんびりした南国風景とさとうきび畑やフルーツ畑に加えて、沖縄県民たちの陽気で豊かな笑顔が溢れる風景写真を見て、遊びに行きたいと思ってしまった。
この異世界に無い日本各地の風景の写った本は物凄いカルチャーショックをこの場いる4人に与えるのには、刺激が強過ぎるほど強烈だった。
この場に居る4人は想わず日本って凄いなぁ~、いいやっ!!異界国家日本って本当にすごーいデス~ネと呟くだろう。
「陛下、わたくし達に何をさせたいのですか。」
サミーは全てを知った上で改めて自分達を呼び出した理由を聞いたみた。
「妾は日本へ行こうと思ってるのよ。」
「えっ!!えええっ!?日本へですかっ!?幾らなんでも気が早い気がしますけど。」
アーヤの突然の宣言に狼狽えるアッキー。
「これは極めて重要な外交に成るわ。外交官や各分野の学者も随行するけど、貴方達には、コヨミ皇国で行われるニホン国の軍事演習の手伝いをして貰うわ。」
「具体的に何をお手伝いすれば良いんですの。」
ミナコは軍事演習での手伝う内容を聞いてきた。
「シライン、ウインハルン、コンゴルンの三名は、ニホン軍の兵器の的を魔法で作って欲しいのよ。」
「具体的に言えば、ゴーレム創世魔法で、ニホン軍兵器の前に出現させたり、的になりそうな物を魔法で飛ばしたりするのが主な内容ね。」
「なるほど、しかし、動く的を射抜くなんて物は、至難の業では無いですかっ?!」
アッキーはニホンの技術性の高さは理解しつつ有るものの、その高すぎる故に自分の理解と創造が追いつけずに居た。
「それに付いては、行けば分かるわ。最後にサーティーン。貴女はコンゴルンと一緒に、魔導機兵の運搬と誘導や操縦をして貰うわ。廃棄寸前の機体も運び込んで、演習の的にも成る予定だから、その演習場会場の手伝いもお願いするわ。」
「はい。」
「それと、此処に居るメンバーも含めて、選定された学生の若者たちや若手の軍人や官僚たちは、我が国の留学生としてニホンに派遣する事にも成ったから、妾と一緒に二ホン国に行って貰うから、長期の旅支度を怠らないようにっ!!日用品で足りない物は現地で買えるように、此方も手配するわ。妾からは以上よ。」
「分かりましたわ。そでは、早速準備に入りますわよ。」
他の者たちも頷いて部屋から出て行こうとした時だった。
「あっ、そうだわ。シライン、貴女は少しだけ残ってくれないかしら。」
「はぁ、良いですわ。」
アーヤに呼び止められ居残ったサミーは、アーヤにとある事を尋ねられた。
「シライン、貴女はリナの後輩だったわね。」
「ええ、そうですわ。暫くは連絡を取っては居ませんでしたけど、今更陛下がお気になさるなんて、どう言う風の吹き回しですの?」
御自ら諸事情で国外追放処分にしたリナ・ミーサガ・リンバースを今更気にかける事に不思議に思うサミーは、アーヤの心の内が分からなかった。
「あの子と連絡が付く方法を知らないかしら?」
「えっ?!それはわたくしにも分かり兼ねますわね。」
「帝国からすれば天下のお尋ね者、指名手配の賞金は望みままな上に、手が付けられない程、帝国相手に喧嘩を吹っかけて回ってると言うのが、もっぱらの噂ですの。」
「南の帝国領土内で黒い雲と雷撃が光ればそこには雷帝が現れて居る・・・・・何~て、言われても居ますしね。」
「それは妾の耳にも届いて居るわ。」
「悪名高き放浪魔導師。ドラグナー皇国のアイアン・ブラッド・プリンセスと戦場で出会ったら、戦神を呪え。」
「雷光の魔術師に喧嘩を吹っ掛けたら、己の無能を悔やめ。」
「アセリアの聖光の天使に罰を下されたなら自信の愚考を後悔しろ。」
「白龍大帝に睨まれたなら逃げられるとは思うな。」
二人は交互にリナに纏わり、出会いがしらにリナと有った帝国兵や賊徒が口にする。
「「これ等に鍛えらし雷帝に出会ったなら人生の終わりと諦めろっ!!」」
「思った以上の悪名に成ってるわね。」
「ええ、最近新しい異名が出来たらしいですわ。」
「そうなの。まぁ、いいわ。なら冒険者ギルド通じて彼女に仕事を依頼しましょう。」
「ひょっとして、わたくし達と一緒にですの?」
「ええ、妾が依頼をした事が分からない様にするですけどね。貴女に現地での政府から依頼された仕事を遂行するリナの補佐役を命じます。」
「了解ですわ。」
サミーが部屋から出て行き、アーヤ一人になると、ニタリと笑みを浮かべ呟く。
「うふふふふふふ・・・・・さぁて、段々と面白くなって来ましたわね。」
そう言うと彼女は執務室に入って行った。
一方、廊下では・・・・・・・・「先輩、今・・・一体、貴女は何やってるんですか?」と後輩が、何かと悪い噂の立つリナの事を心配して居たのであった。




