316話 東京サミット国際合同軍事演習会っ!!! 19
アースティア暦 1000年・西暦2030年・8月27日・午後15時19分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸東側地方・コヨミ半島・東京サミット特別指定会場国・コヨミ皇国・東京サミット国際合同軍事演習会特別指定開催都市・万代藩・万代港・東京サミット訪問使節艦隊・寄港地・コヨミ皇国の万代藩・万代市から35キロ地点・北東部一帯・コヨミ皇国・万代藩・コヨミ皇国軍・万代藩軍・共同演習場・東京サミット国際合同軍事演習会・東京サミット国際合同軍事演習会場にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
東京サミット・コヨミ皇国・東京サミット開催記念式典・特別国際合同観閲式の陸軍行進は、尚もまだまだ続く。
衛生科隊に続いて自衛隊の縁の下の力持ち的な存在がやって来た。
その名も需品科隊である。
この名称に聞きなれない人達も多いだろう、要するに・・・・食事・洗濯・風呂・給水・燃料・備品・整備・被服補給と補給関係を引き受けて居る兵科の事である。
因みに弾薬補給や銃と火砲関係の整備と管理は武器科で行われて居る。
素人からすれば、何方も同じでは?と言ってしまうかもしれないが、管轄して居るのは、全く異なる兵科の管理と成って居るので注意して貰いたい。
「次なる部隊は需品科隊です。需品科隊は車両の整備・回収・燃料の補給と給水・炊事・洗濯・入浴を行う支援部隊です。」
「因みに弾薬類の補給武器科と言う部署が行って居ます。」
「目的に応じて使用する車両が多くありますので、車列を分けてご紹介を致します。」
「先ずは部隊の補給を目的とする部隊です。」
「浄水セット・野外炊具1号、野外炊具2号、野外入浴セット2型、野外洗濯セット2型、冷凍冷蔵車、31/2t水タンク車、車両と航空機の燃料を運搬する31/2t燃料タンク車。」と説明して行く中で、トラックの荷台や牽引車と言った輸送装備車両等に積み込まれた需品科装備品がズラリと並びながら観閲行進会場を突き進んで行く。
会場に居る多くの将校や政府関係者・市民らは、何だか・・・・とても変わった部隊だな~として見て居た。
何所の国の軍人と戦略家も補給は大事とは言うが、其処で働く者を軽蔑する組織の人間は多い。
かく言うシベリナ諸国・コヨミ皇国と敵対関係に有るローラーナ帝国や西方バルバッサ帝国同盟諸国も例外でなかった。
そして、下っ端と出来の悪い兵士が回される部所として、一般市民にも知られて居るのが常識とされて居た。
処が目の前に行進して来た部隊は、暖かい食事と風呂、洗濯機械に新鮮な食材を保存する車両に加えて、綺麗で清潔な飲料水が何時でも飲める上に、現地調達も視野に入れた浄水設備まで備えた夢のような装備があった。
この事に取り分け食い付いたのは、力自慢の男性陣ではなく、軍務で華麗に任務を遂行して来た女性達であった。
何れも歓喜と驚きの奇声を上げて諸手を挙げて叫んだ。
「戦地で何時でも暖かくて美味しい食事が食べられるですってっ!?」
「お風呂が何時でも入れるのっ!?髪や肌の手入れができるのが羨ましいわっ!!」
「水を浄化する装置があれば、臭くて汚い水を使わずに洗浄が出来るわよっ!!」
「毎日服が綺麗に洗濯ができる装置ですってっ!? 是非とも欲しいわっ!!!」
「プライベートが保たれて居るトイレを・・・・ああっ!!これで周りを気にせずに・・・・ううっ!!ぐすっ!!」
何れも鬼気迫った表情であった。
余程戦場にて苦しい生活を強いられて居たのであろうか?
備品を積んで居るトラックの中には野外トイレまで積んで居ると聞くと、彼女達は、後に将軍である足柄一葉を筆頭に力仁国皇に直訴までをして、これらの野外装備導入を求めると言う事態に発展する始末だったと言う。
「情報科隊、各部隊を無人偵察機を用いて偵察して情報支援をする部隊です。」
「無人機・統制装置・追随装置・簡易追随装置・発射装置・機体点検装置・機体運搬装置を専用の車両等で運搬します。」
「編制上の都合で、一編制での参加です。」
主にラジオコントロール式の無人ヘリコプターを使って空中からの広範囲の情報収集をする為の部隊である。
開発当初は空中よりの偵察、及び火砲の弾着観測に用いることを主眼とした装備であったが、災害やテロの現場確認などの事態にも転用が可能であり、配備後は幅広く総合的に情報を収集するための装備としての運用が主眼とされ、今後も広い運用が期待されて居る。
「飛行機械を遠隔操作をしての偵察情報収集か、偵察兵に被害がでないのが魅力的だな。」
「はい。偵察、情報の収集の任務での死亡と言うのは、何所の軍隊でも考えさせられる問題です。」
「兵士の死亡もそうですが、敵の情報を手にして居ての戦死は、戦略上の死活問題でもあります。」
ある将校と副官は無人偵察機に興味を示して居た。
自衛隊に措ける無人偵察機の運用力の高さや利便性の良さを絶賛して居た。
その実力は、ウクライナ戦争で証明されて居る為、今後も配備が世界的に進む事だろう。
「次なる部隊は。西部普通科隊です。水陸旅団の部隊一つと成って居ます。」
「上陸、離島防衛の第一線を担う部隊です。水陸両用車20両と高機動車に偵察用ボートを牽引しての20両での行進です。水陸両用車は上陸用の車両と成って居ます。」
西部水陸普通科中隊は、水陸旅団の編制に伴って解体され水陸旅団に吸収された部隊を名称を変えた部隊名である。
陸上自衛隊・第一空挺団や特殊作戦群と並ぶ、レンジャー徽章持ちが多く居る事でも知られて居る。
「次に行進をして来た部隊は、対空迎撃を専門とする部隊です。」
「航空自衛隊に所属する地対空誘導弾ペトリオットPAC-3部隊とVADS対空機関砲部隊、陸上自衛隊から高射特科大隊が参加します。」
「地対空誘導弾ペトリオットPAC-3部隊はミサイルと呼ばれる兵器を迎撃をする装備です。この世界では大型の兵器等を迎撃する予定であります。」
「VADS対空機関砲部隊は車両で牽引運搬し基地での迎撃任務に付きます。」
地対空誘導弾ペトリオットPAC-3部隊とVADS対空機関砲部隊が大陸遠征に参加するのは単純な理由で対空装置が不足して居る為だった。
其処で自衛隊は、前線と拠点での対空防衛用の火砲を全国の陸自と空自から掻き集めて派遣したのであった。
これはヘリコプター並みの軌道を誇る飛竜に対抗する為であった。
PAC-3は弾道ミサイルの代わりに大型生物や大型航空兵器を迎撃させる為である。
そして、大陸で集められた情報の分析により防衛省はコンピューターのシュミレーションでローラーナ帝国軍が、日本本土へ直接攻撃を仕掛けて来る可能性が極めて低いと出て居た。
これは日本の海自と空自の哨戒と防衛を突破するのがほぼ不可能な上に、日本の国土位置が彼の国に知られて居ないのと、ローラーナ帝国は外洋船が有るものの、外洋航海技術があまり進んでいないからであるとされて居た。
これはローラーナ帝国が、征服に特化して居る事や従属に拠って得られた技術が大半な為であるからだった。
船舶数も木製が殆んどで、工業生産力が、日本国と地球転移諸国の3割程度が良い所で、それ程強くはないとの分析結果が出て居た。
日本と防衛省は派遣された部隊の人員と装備の増強を急ぐ共に、自衛隊の継続的な現地の駐留を視野に、ローラーナ帝国に対する新たな防衛計画と法改正の見直しを待った無しで急いで居る。
ローラーナ帝国は、日本国に対して、先の紛争に当たる程度の敗戦でも、必ず雪辱戦を仕掛けて来るとコヨミ皇国から忠告されて居た。
防衛省は、これらの分析結果に対して、観閲行進の参加する装備を本格的なもので固め、日本国の本気を演出する事と成ったのである。
それが観閲行進に参加する陸海空自衛隊の門外不出的な装備のオンパレードだったと言う訳である。
陸自の高射特化隊の大陸派遣隊車両の行進に参加する車両30両前後である。
部隊によっては装置運搬車の関係上で30両の参加しかして居なかった。
「続きまして、陸自の地対空誘導弾部隊の行進です。」
「93式近距離地対空誘導弾隊、ミサイルと呼ばれる空飛ぶ鉄槍を8連装発射装置から発射し、空から来る敵を迎撃する装備です。」
「81式短距離地対空誘導弾隊、81式短距離地対空誘導弾は、ミサイルを撃つ為の誘導弾発射装置と射撃統制装置の二種類で構成され、近距離での対空迎撃をする装備です。」
「11式短距離地対空誘導弾隊、11式短距離地対空誘導弾は81式短距離地対空誘導弾の後継機として開発された装備です。」
「特徴として81式では取り付けに手間が掛かる点を改良し、ミサイルがキャニスターと言う四角い筒に収納され取り扱いが容易になっている事です。」
「地対空誘導改良ホーク隊、地対空誘導改良ホークは31/2tトラックで牽引運搬しする対空装備の一つです。」
「システムは捜索レーダー、誘導レーダー、発射装置、火気管制装置、射撃統制装置等から構成されて居ます。」
「続きましては、03式中距離地対空誘導弾隊です。03式中距離地対空誘導弾は、地対空誘導改良ホークの後継機です。」
「発射装置搭載車両・射撃用レーダー装置搭載車両・レーダー信号処理・電源車・運搬装填装置搭載車両から構成されて居ます。」
「ミサイル本体は発射筒を兼ねた角型コンテナに収められた状態で、発射装置及び運搬装填装置に各6発ずつ搭載されて居り、垂直発射方式を取って居り、陣地展開に必要な土地面積が従来方式に比べ少なくて済む様に成って居て、展開用地確保が容易に成って居ます。」
「レーダーはアクティブフェーズドアレイレーダーであり、100目標を追尾し、12目標を捕捉可能です。」
「レーダーは1基で標的捜索のほか、目標の追尾および射撃管制も行う多目標同時対処能力を持ち、空対地ミサイルや巡航ミサイルによる遠距離攻撃に対処する能力も有するとされて居ます。」
「レーダーは回転する事により、全周捜索を行います。極めて高度な敵航空兵器の撃墜を目的とした装備と成って居ます。」
「続きましてご紹介を致しますのは、87式自走高射機関砲隊です。」
「87式自走高射機関砲は自走対空装備です。」
「2門の35mm機関砲を装備し、後部のレーダーと呼ばれる索敵装置で敵を察知し、素早く発砲、迎撃を行います。」
「また、水平射撃で地上の敵にも対応可能です。」
87式自走高射機関砲は40mm自走高射機関砲M42およびM15A1対空自走砲の後継として開発された物である。
調達価格が15億円と高価で高額であった為に、中々調達が進まず、2002年までに52両が生産されるに留まって居る。
教育隊以外ので配備は第2師団と第7師団にのみ配備されて居て、後部に追尾レーダーを背負い式に装備して居る。
レーダー照準での命中率が高く、米国本土での演習では戦闘ヘリを相手に撃墜を取ったほどの威力を発揮し、一線を引く計画を見直そうと言う事にも繋がった。
その形状から、その手のマニア達からは、某有名リアルロボットアニメに登場するガンタンクと言うあだ名で呼ばれ居る事でも知られて居る。
この世界では、シベ派遣隊に派遣されて居り、居残りの教育隊を除くと、前車両で派遣されて居た。
これらの対空迎撃部隊の派遣の目的は、帝国に制空権を握らせない事に必須の装備であり、派遣をケチって味方に損害を出すのは帰って敵に日本の軍備に関する事柄に対して間違った認識を生むとして居る。
国内ではミサイル部隊と高射隊の防衛に穴が生まれる事に不満の声がある。元々装備が少ない上に高価で配備を怠って居たツケなのだが、当面は現有装備の増強と人員の増強の為の教育が急務であると言われて居る。
この高射隊と対空誘導弾に対する密偵の反応も喧伝も効果的だった。
「ニホンは国土にも派遣軍にも、あんな防空兵器が存在するのか?」
「その配備数が尋常じゃ無いぞっ!?」
「きっとニホン本土には、さぞかし物凄い防空部隊が在るのだろう。」
「これは報告せねばっ!!」と、思いのほか勘違いしてくれて居た。
今の日本はユーラシナ大陸派遣のせいで、少しだけ防衛力に穴が開いて居るのだが、観閲行進開催の影響はローラーナ帝国軍の侵攻の可能性に措いて、各方面からの情報収集によると、日本との敵対行動の遅延を呼ぶかも知れないとの見方もあると言う。
「続いての行進部隊は、特科部隊の一つである野戦特科部隊です。」
特科とは、陸上自衛隊の野戦特科・高射特科部隊と言った陸自砲戦部隊の事で、外国で言えば、陸軍砲兵部隊の事でもある。
「野戦での大砲による砲撃や誘導弾と呼ばれ装備の発射装置の操作・運用を任務として居ます。」
「多連装ロケットシステム自走発射機M270(MLRS)隊、多連装ロケットシステム自走発射機M270(MLRS)は広範囲の対地制圧を目的としています。」
「発射口より、227mmロケット弾を発射し、圧倒的な火力で敵を殲滅します。」
「155mm榴弾砲FH70隊、155mm榴弾砲FH70は特科の代表的な火砲の一つです。トラックで牽引して輸送しますが、陣地変換の為に自走する事もでき、この世界の大砲よりも素早い発射が可能です。」
「203mm自走榴弾砲隊、203mm自走榴弾砲は陸上自衛隊最大の大砲のであり、大型の大砲を自走させて戦地での展開が特徴です。87式砲側弾薬車と一緒に行動します。」
「99式自走155mm榴弾砲隊、99式自走155mm榴弾砲隊は最新型の自走砲です。」
「退役を始めた75式自走155mmの後継であり、砲塔が回転出来る事と弾薬装填が自動式である事が特徴と成って居ます。」
「これまでの自走砲とは少し違い、素早い展開が可能と成って居ます。」
「99式弾薬補給車共に行動して居ます。」
「その武装には155mm榴弾砲、12.7mm重機関銃を装備、155mm榴弾砲は3分間に18発の発射速度があります。」
「最後に最新鋭の19式装輪自走155mmりゅう弾砲車両部隊をご紹介致します。」
「19式装輪自走155mmりゅう弾砲は、先にご紹介を致しました、155mm榴弾砲FH70の後継装備品と成ります。」
「単なる移動砲台に過ぎない155mm榴弾砲FH70とは異なり、19式装輪自走155mmりゅう弾砲車両は、射撃および陣地変換の迅速化や戦術および戦略機動性の向上を図るため、FH70の様な牽引式を装輪式自走砲とする事で、低コスト化を図り、更なるコストカットの為に99式自走155mmりゅう弾砲の砲部を活用して居ります。」
「また、火力戦闘指揮統制システム (FCCS)や観測ヘリコプターなどと高度にネットワーク化するシステムを導入し、格段に命中率の高さも確保もして居ります。」と説明して行くアナウンサー。
そんな19式装輪自走155mmりゅう弾砲車両部隊は、東京サミット国際合同軍事演習への参加と後詰め派遣の為に、40車両ほどが新世界アースティア・ユーラシナ大陸調査自衛隊派遣隊へと派遣をされて来て居た。
自走式大砲は、この異世界には、あまり無い物である。
自走は自走でも家畜に大砲を牽引させる方式を取って居る。
機械式自走砲部隊は各国の軍の大きな注目を集める事に成った。
更に連射が可能と聞けば、欲しがる国は多い事だろう。
大砲に付いては護衛艦を含めて日本の大砲性能が高いと報告が上がって居る為に、大きな反応は無かった。
それらを始めて見る市民達は目が離せないモノの一つと成って居た。




