305話 東京サミット国際合同軍事演習会っ!!! 8
アースティア暦 1000年・西暦2030年・8月18日・午前9時10分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・日本列島・日本国・関東地方・東京都・千代田区・霞ケ関・旧霞ケ関ビルディングホール跡地・異世界国家交流総合支援省・東京第一支部庁・通称・東京支部・第三会議室・第二次龍雲海沖海鮮を含めた戦後処理交渉会議にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これは東京サミットが、第二議題テーマであるアースティア世界新経済構想に付いての会議が始まった辺りの頃の事である。
アースティア世界各国の国々は、この議題テーマに付いて、単なる国家間貿易条約の締結・・・・地球系転移国家諸国との新規条約と自分達に対する経済支援と考えて居た為、どの様な条件が提示され、逆に地球系転移国家諸国に譲歩を求められるのか?と考えて居た。
しかしながら、出された提案と言うのは単なる経済支援に過ぎない内容に困惑してしまうアースティア世界各国の国々は、ダバード・ロード王国のアーヤ・シュチュ―ド女王が間に入り、サミット本会議を休会させ、地球海洋諸国連合同盟から提示された提案事項を精査する時間に割り当てられる事に成った。
その合間を縫って、日本国政府は、転移災害に端を発した、あさくら号事件こと第一次龍雲海沖海戦。
そして、ローラーナ帝国海軍・イースト・ウッド・ブリヂストン第一外征艦隊総司令官であるシドウ・ギワザン准将が計画された日本国威力偵察作戦により勃発した第二次龍雲海沖海戦を含めた、各所での日本国が関わって居るローラーナ帝国との戦争・紛争の戦後処理交渉会議を済ませてしまおうと時間調整をして、会議時間を取る事が出来たのだった。
アースティア国際大会議・IN・東京サミット開催に先駆けて、ローラーナ帝国が盟主と成って居る西方バルバッサ帝国同盟勢力圏に属させられて居るドラグナー皇国。
その第一王女、ヴァロニカ・サークラ・レアモンとその従者達らは、コヨミ皇国政府の仲介にて、日本国へと入国し、戦後処理をする為にやって来て居たが、東京サミットのスケジュール調整に時間が掛かって居た為に、今日まで待たされる事に成ってしまったのであった。
それに応対するのは、諏訪部純二・外務大臣と根谷美智子・法務大臣の両名である。
諏訪部外務大臣は、外交担当者として、根谷法務大臣は、捕虜収容所に居るローラーナ帝国軍の捕虜たちの取り合いを担当する立場からの参加である。
この2人が第一・第二次龍雲海沖海戦での戦後処理交渉を請け負ったヴァロニカとの交渉担当者と成って居る。
「日本国・外務大臣の諏訪部純二です。」
「同じく、法務大臣の根谷美智子です。」
「ローラーナ帝国・第三方面軍・帝国東方制圧軍旗下。西方バルバッサ帝国同盟参加国・ドラグナー皇国のレアモン皇家・第一皇女。ヴァロニカ・サークラ・レアモンだっ!!」
「また、今日はレッドブラッドアイゼン聖龍騎士団の総司令官の姫将軍として、立場を兼ねた形で此処に来て居る。」
「それとだ、序でだから他の戦後処理交渉もやって来いとも言われて居るので、その他の戦場ごとに付いての全権交渉大使も兼ねて居り、ローラーナ帝国海軍・イースト・ウッド・ブリヂストン第一外征艦隊総司令官であるシドウ・ギワザン准将が計画された日本国威力偵察作戦での戦後処理交渉担当の全権大使の任務をも請け負って居る。
「宜しく頼みたい。」
「分かりました、ヴァロニカ殿下。 それと・・・・この度は、折角の戦後処理交渉の為に、我が国への御来日にも関わらず、長々とお待たせしてしまい、本当に申し訳ございませんでした。」
「構わん。興が削がれた形での幕引きだった上に、これまた同じような言い回しをするが、序でにと押し掛けたのは、此方だっ!!」
「転移災害により現れた貴国に対して、無礼にも武力偵察作戦を展開したのは我らの方だったのだ。気を遣う必要もあるまい。」と言い切るヴァロニカ。
「あの~、その発言は宜しくのでしょうか?」と聞く根谷法務大臣。
「それも気にする必要はないが、公式記録には残さない方が良いな。今のはあくまでも戦後処理交渉前に措ける。雑談での戯言で扱って構わない。」
「最も、この私に対して、ローラーナ帝国と西方バルバッサ帝国同盟内に、正面切って暗殺や処刑を言い渡せる輩が居ればの話だがな?」と・・・冗談を言う、ヴァロニカだったが、これはシャレに成って居ない発言と言えるだろう事に、居合わせた全員が苦笑をしてしまう事に成った。
「はあはは、殿下は・・・・ご冗談もお上手ですね。」と苦笑する諏訪部外務大臣。
「貴国の横須賀地方総監の石井幸司提督殿ほどでは無いさ。」
「ええっ?!・・・・あの~、横須賀地方総監の石井さんに、お会いに成られたのですか?」
「特に別段・・・私は横須賀基地の実情を探る積りは無い。東京サミット開催期間で忙しい最中で、待たされる身としては、暇つぶしに東京近郊をぶらぶらして見たく成っただけだ。」
「噂に聞く本場の横須賀市の海軍カレーをお昼ご飯にして、美味いと名高い東京湾で獲れる。三崎港の新鮮な魚貝類を肴に日本酒や麒麟ビールや恵比寿ビールを堪能しただけだ。」
「結果的には、徒歩やレンタル自転車とやらで、三浦半島を一周する事には、成ったがな。」と言って居るが、徒歩と自転車で三浦半島を経った一日で、それも観光地と飲食店を巡りながら回れる健脚家なんて、例え地球世界でも、日本人や地球人でも有り得ないだろうと、これままた日本国側を呆れさせてしまうヴァロニカだった。
「石井提督殿とは、その時に横須賀市に在る海軍カレー専門店で偶然にも会ってな。私も騒がれないようにと、地球人風に変装した積りだっが、横須賀の海軍カレー屋で居合わせた際に、何故だかしらないが、恐らくは・・・外交安全保障問題関連の資料を見て居たと思われるが、私の顔の事を事前に知って居たらしく。居合わせた顔付きを見掛けた所がをもしやと思って声を掛けられたと言って居たな。」
「最も、その日は公の場では無く、お互いに休日中だから大事にはしないと冗談を言われてな。」
「確かに、防衛省でも、この一件の事を外務省と情報共有で話をして居ましたから、幹部級自衛官の方々に関連する関係資料を配って、見て居る筈ですしね。」
「まぁ、冗談はこれくらいにして、本題に入ろうか?」
「はい。」と返事をした諏訪部外務大臣は、手元に在る関係資料書を見て行く。
「この交渉会議は、転移災害後の日本国海上国境線での紛争とローラーナ帝国と西方バルバッサ帝国同盟と反帝国同盟諸国との短期戦争と紛争で生き残った捕虜の扱いを話し合いする場であると言う認識で構いませんか?」
「構わない。それに付いては、私の一存に一任されて居る。しかしながら、ローラーナ帝国の国是がある立場から、敵対国家に対して賠償金は払えない。」
「・・・・・でしょうね。予想されて居ましたが・・・・・」と諏訪部外務大臣は納得して居た。
「まぁ、ローラーナ帝国と西方バルバッサ帝国同盟の大義名分は、武力世界統一による平和だからな。」
「それは災害による突然に現れた国家では有っても、その対象として見られると・・・して居るらしいからな。」
「それを避けたければ、中立国家と成るのが条件と成るだろう・・・・・と言うのは建前で、彼の帝国としては、自分たちには逆らうなと言いたいのが、帝国としての本音だろう。」
「それは無理ですね。」
「我が国の外交は、自衛以外の戦争権放棄と話し合いによる平和が国是と成って居ますから、例え世界が違えども、何所の国々とも付き合わないとは言えないし、どんな国々にも門を開いて居る言うのが、我が国家の外交スタイルですので・・・・・・・」
「だから、私に妥協案が有る。」
「何でしょうか?」と聞く、根谷法務大臣。
「貴国を含めた関係各国で拘留中の捕虜に対して、身代金を払うと言う形にすれば良い。」
「そうすれば、少なくとも賠償金よりは払い易いし、捕虜交換条件もオマケに付けられるようにも成る。」
「・・・・とは言っても、今回の各地での戦場で出た捕虜は、ローラーナ帝国と西方バルバッサ帝国同盟諸国勢力の方が多いからな。」
「結局のところ大損するのは、此方側に成ってしまうし、無事な将兵達を外交交渉で早く返還して欲しいと考えて居る貴族諸侯も居る、それに兵力の補填を早くしたいと言う、ローラーナ帝国内の各軍部も居るし、それを生きて居る将兵達を本隊へと復帰させたいと言う面から、この交渉には、妥協せざるを得ないだろうな。」
「なるほど、事情は分かりました。此方としても、何時までも捕虜を養って居るのは経費が掛かりますから、その提案は有り難いお話ですな。」
「我が国を含めて、関係各国内の法律的にも問題はありません。」
「それと高見竜史・交援省大臣の提案の件だが・・・・・・」
「はい。その一件に付いては、アセニア亜人連合同盟のマーメリア海洋王国とブリリアイランドキングダム王国の名義で買い付けた物を台湾共和国やタイ王国経由で輸出した事にしますが、貴国が荷の引き取りをする為には、台湾かタイでする事に成るので、その都度、二カ国で外交手続きを済ませる条件で調整をして居る所です。」
「それに付いては、助かる。栄養価が高いとは言えない食材では有るが、腹は膨れるからな。」
「これで少しは我が国の食料事情が良くなる。」と言った、ヴァロニカは、安堵の笑顔を浮かべたのであった。
奇しくも下仁田町へと立ち寄った事が、下仁田町原産地とする農産物を中心とした食料品の苗木を人道支援から来る密貿易計画で輸出される事に成り、大いに助けられたドラグナー皇国の新王都ニューサリヴァン市は、アースティア大戦後に、群馬県・下仁田町と姉妹都市交流を結ぶ事に成る切っ掛けにも成った交渉と成った。
後にドラグナー皇国内では、ネギとコンニャクは下仁田から送られた名産と言う詩が詠われる事に成るが、その元になったの詩は、上毛かるたで詠われた、ネギとこんにゃく下仁田名産から来ているとされて居る。
流行らせのは、どうも下仁田町を訪れたヴァロニカらしく、彼女は事あるごとに下仁田町を訪れては、町食堂をはしごして居ると言うエピソードが残って居ると言う。
中でも洋食堂・日勝軒のビーフシチューとすき焼き屋・コロンビアの名物である下仁田風すき焼きが好物に成った事で知られ、偶に中華一番のタンメンと餃子もよく食べて居た事も付け加えて置く。
その後も交渉は順調に進み、捕虜を引き渡すのは、東京サミットが終わってから、コヨミ皇国と台湾共和国の二カ国で行われる事で最終的な決定とされたのであった。