303話 東京サミット国際合同軍事演習会っ!!! 6
ローラーナ帝国暦600年・アースティア暦 1000年・西暦2030年・8月10日・午前9時32分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸東側地方・ロートレア地方・ドラグナー皇国・首都・新王都・ニューサリヴァン市・ニューサリヴァン港・西側地区・ローラーナ帝国・第三方面軍・帝国東方制圧軍・ドラグナー皇国方面監査陸海軍共用駐留基地・外征司令官専用臨時司令室・ローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊総司令官・シドウ・ギワザン准将・臨時執務室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ニューサリヴァン市の西側に在る港、ニューサリヴァン港には、倉庫街や兵士庁舎に、造船修理ドッグ等の軍事施設が立ち並んで居る。
この敷地を我が物顔でデカデカと敷地を使って庭付きの建物を建てて使って居るのが、ローラーナ帝国・第三方面軍・帝国東方制圧軍旗下されて居ると言う、ローラーナ帝国・第三方面軍・帝国東方制圧軍・ドラグナー皇国方面監査陸海軍共用駐留基地である。
ドラグナー皇国は、10年前のシベ帝戦争の敗戦により、ローラーナ帝国・第三方面軍・帝国東方制圧軍の大軍と戦い、次々と主要都市や重要な大要塞を等を陥落されてしまい、更には王都と王城を奇襲攻撃に遭って敗戦に陥って居た。
前線で一騎当千の強さと働きを見せていたヴァロニカは、その戦でも大軍相手に大立ち回りの働き振りを見せて居たが、溺愛して居る妹と両親が人質にとられ、兄であるミリアルからの降伏の伝令が来ると、彼女は泣く泣く帝国に降伏したのである。
それ以来、ドラグナー皇国は、ローラーナ帝国に国土の殆んどに軍事基地と軍港の提供を強制されて居る状態に有るのであった。
先月の7月10日・・・・ローラーナ帝国・第三方面軍・帝国東方制圧軍総司令官である第五皇子・ゾイザル・セイダル・ローラーナを中心とした関係幹部らが集まり、ある会議が開かれた
二ホン国に関する報告書と・・・・その二ホン国が中心と成って結成された地球海洋諸国連合同盟に関する事。
二ホン国及び地球海洋諸国連合同盟と反帝国同盟諸国との間で巻き起こった紛争結果。
二ホン国及び地球海洋諸国連合同盟と反帝国同盟諸国に付いての最新情報に付いての情報共有会議であった。
それから一月ほど経ち、今度はドラグナー皇国の首都の新王都・ニューサリヴァン市・ニューサリヴァン港の眼下に聳え立つローラーナ帝国・第三方面軍・帝国東方制圧軍・ドラグナー皇国方面監査陸海軍共用駐留基地へと呼び出された人物が居た。
それはヴァロニカの副官であり、第1中隊と第1空挺艦隊の隊長たるユウリーンである。
ギワザンは、二ホン国及び地球海洋諸国連合同盟と反帝国同盟諸国らとの紛争で捕らえられた捕虜や紛争解決に関する全権を任せるから、とっと解決して来いと言われて居る。
その為にヴァロニカやユウリーンらに、進捗状況の報告を聞いたり、伝達事項を言う為に、呼び出して居るのであった
彼女は、団長代行として、ローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊の総司令官であるシドウ・ギワザンの呼び出しを受けて、ギワザン准将が居る外征司令官専用臨時司令室と言う外征部隊や艦隊司令官専用に割り当てられ居る司令室内に在る臨時執務室にやって来て居た。
「それで・・・貴様の主であるヴァロニカ王女殿下は、今は何をして居られる?高々戦後処理の交渉を済ませるだけと言うのに、随分と時間が掛かって居る様だか?」
ギワザン准将は鋭い目付きで、ユウリーンを威圧する。
それは、飼い殺し状態に有るヴァロニカの裏切りを警戒しての威圧であった。
ローラーナ帝国政府も、その配下に居る者達らも、アイアン・ブラッド・プリンセス・・・・・血染めの鋼鉄姫将軍と呼ばれて居るヴァロニカを手名付けて置けるとは考えて居ないからだった。
「ギワザン准将閣下のご懸念は、最もな事です。」
「ですが、交渉と言うのは、交渉相手が居てこそ成立するものです。」
「・・・・何が言いたい?」
「戯れ言を言いました。ご容赦ください。」
「簡潔に言えば、今だに日本国政府側が忙しい状態にあるからです。」
「忙しいか?」
「はい。戦後処理交渉を担当する日本国政府の宰相府旗下の大臣である諏訪部純二・外務大臣と根谷美智子・法務大臣のご両名は、近々予定されて居るアースティア国際大会議・IN・東京サミットこと、通称名・東京サミット。」
「その東京サミットと言う国際会議の開催に向けて、準備やら各国首脳とのやり取りらで、手が離せないから、手隙な時間が取れるまで、待って欲しいと言われて居ります。」
「サミット?聞きなれない言葉が出て来たが、サミットとは何なのだ?名称を聞く限りでは、国際会議に聞こえるが?」
「summitと言う、我から見れば異世界・・・日本国から見れば地球世界と言う異世界の国々が使って居た、地球語の一つであるEnglish語・・・・・アースティア世界で言えば、ユールッハ語と良く似たニュアンスの発音と文字形態を持った言葉ですが、その意味は「頂上」・「頂点」という意味の言葉なのだそうです。」
「その地球世界でのサミットの言葉は、別の意味が込められ様にも成ったそうです。」
「それが主要国首脳会議もしくは先進国首脳会議で、「サミット」が持つ「頂上」「頂点」から派生し、各国のトップが集まる会議をというニュアンスで、付けられた名称と聞いて居ります。」
「これは異界である地球世界で、戦争・経済に関する懸念や不安を話し合い、将来の経済的課題を討議する会議を模索するため会議の開催を提唱した事に由来すると聞いて居ります。」
「だから単なる開催国又は開催地の名を冠した国際会議と言う名称を用いず、特定の国々だけの首脳閣僚幹部が集まった会議を開く訳では無く。」
「単一の主催者や共同主催者などが呼び掛けに応じた国々の首脳閣僚幹部が集まった大規模な国際会議と言う訳なのだな?」
「その通りですギワザン准将閣下。その国際会議には、中立国家も参加して居ります。」
「その会議で二ホンやその他の国々・・・・・・ローラーナ帝国を始めとする西方バルバッサ帝国同盟諸国を含まない国々の首脳閣僚幹部らが集まって、何を目論んで居るのだ?」
「それもだ、我らとの戦後処理交渉を後回しにしてまで?」
「はい。簡潔に言えば、二ホン国を始めとする異界国家群・・・・・・・地球海洋諸国連合同盟と言う同盟グループを結成して、独自の多国間協力組織機構名を名乗って居りますが、地球連合諸国らは、逸早い経済の安定化と平和的な枠組みを求めており、簡潔に言えば、自衛体制と全方位外交体制の確立する事を遵守して居るからであります。」
「・・・・・ほう、戦で国土や属国を増やして富める事よりも、戦を避け、交易で富める事を求めるか?古代大戦時以前に良く有ったと言う、実に古臭い体制を持った国々だな。」
「そんな考えが通ったのは、600年以上昔の古代大戦期までの話だぞっ!!」
「異界・・・・・二ホンを始めとする転移国家諸国が在ったと言う地球世界とやらは、随分と遅れた思想と国家体制が敷かれた世界の様だな?」と言うギワザン准将は、典型的なローラーナ帝国至上主義者であるが、比較的に冷静沈着に物事を見れて居る人物。
しかしながら、その物言いは・・・・やっぱり、ローラーナ帝国内で良く見られるローラーナ帝国至上主義者の一人なので、地球世界で多く採用して居る民主主義国家体制と言うのを古臭い600年以上昔の古代大戦期での話と見なして居た。
600以上昔まで存在して居た転移国家諸国の中には、民主主義国家体制を敷いて居る国家も在ったのだが、国家間の統廃合・合併による影響で、国家体制の政体は旧時代へと逆戻りの様相を呈して居る為、ギワザン准将の様な思想を持った人物が居るも、決して珍しい事では無いのである。
それでもギワザンは、ローラーナ帝国至上主義者の中でも、融通と話が分かる方ではある事を付け加えて置く。
「さぁ、それは異世界ですからね。この私に聞かれても同意と賛成を求められても困ります。」
「・・・・まぁ、良い。異界云々に付いて、この場で幾ら議論しても無意味な事だろう。」
「ゾイザル殿下も、先月に開かれたローラーナ帝国軍第三方面軍・ローラーナ帝国東方制圧軍司令部庁・幹部会議では、龍雲海沖海戦での戦で、ローラーナ帝国海軍東洋方面艦隊の第120艦隊は全滅して居ると断じて見て居られるから、戦後処理交渉は、単なる二ホン国のブラフ策略でしかないと思われしまって居る。」
「だから確たる証拠を見せなけば・・・・再度、二ホン国を始めとする国々と再戦も有り得る。」
「ローラーナ帝国本国政府や帝国本軍司令部からも、ローラーナ帝国・第三方面軍・帝国東方制圧軍は、現状維持。絶対に勝手な行動は慎むようにと、ゾイザル殿下に釘を刺されて居る。」
「釘を刺されたゾイザル殿下も、実に不満がって居た様子だが、あの様子では戦えば勝てる。いいや・・・戦局をひっくり返して、ローラーナ帝国有利の状況を作り出す英雄に成れるとまで、今は考え居られるのだろう。」
「それはかつてのドラグナー皇国との一戦で、ゾイザル殿下が戦勝を得た成功体験が、あのお方・・・そうさせるのだろうな。」
「全く、困ったお方だ。合いうのは勢いが有る内は、味方の強力なカリスマと成るが、負けが込んで居る時は賭博行為の負けと同じ憂き目に遭うのがお約束と言う者だ。」
「しかしながら・・・・今、攻勢に出ると言うのは・・・非常に流石に不味い。今の我が帝国は、反帝国同盟諸国と異世界・・・・・地球連合諸国に各地の戦でボロ負けして、戦力が無いに等しい。」
「その様な状況下で、ローラーナ帝国・第三方面軍・帝国東方制圧軍の被害が、一地方艦隊だけと言うのは運が良いと言えるが、此処で不用意に軍勢を軍備が完璧な新勢力の本拠地へと差し向けるのは得策ではない。」
「我が帝国が、このアースティア世界を制する統一平定戦争での戦いは、必ず最後に勝利するのは間違いないが、勝敗は兵家の常と言う言葉がある通り、戦いは勝ったり負けたりと言う状況を幾つも繰り返し、積み上げて、最後に勝利を得ると言う物である」
「しかしながら今は、勝利の為に耐える時であり、二ホン国と地球連合諸国の実情を見極めねば、我がローラーナ帝国も・・・・古の滅亡した国々と同じく、亡国ともなり兼ねないからだ。」
「その為に私は、ゾイザル殿下に願い出て、我がローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊との海戦での戦後処理交渉だけで無く。」
「この際だから、これまで二ホン国と地球連合諸国との戦争と成った事案に付いて、全ての戦後処理交渉を任せ欲しいと嘆願し、殿下は受理されて頂いたが・・・・彼のゾイザル殿下のご気性であれば・・・・隙あらば、ローラーナ帝国・第三方面軍・帝国東方制圧軍の総力を以ってして、二ホン国へと攻め掛かる違いない。」
「そうなる前に、仕切り直しをする建前を口実にして、停戦に持ち込んだ方が今は得策だ。」
「ですが、そうなると賠償金・・・か、見舞金の類を支払わなければ成りません。」
「アースティア世界慣例交渉方法に従えばな。だがしかし、我が帝国は強者である。賠償金も見舞金の類も払う訳にはいかない。」
「ですが、此度は誰がどう見ても帝国側が大負けと成って居ります。支払わないと言う理屈は、通り難いと思います。」
「其処でだ、身代金を払うと言う体裁では、どうだ?」
「身代金ですか?」
「我が帝国が戦での敗戦又は引き分け戦に措いて、身代金と捕虜交換を以ってして、停戦交渉を終えた先例は幾らでもある。」
「詰まりは詭弁でもなんでも良いが、敗戦で譲歩や支払いが無ければ構わんと言うのが国是と成って居る。」
「其処でだ、何とかして二ホンと地球連合諸国と停戦に持ち込み、我が帝国が停戦条約文で、敗戦の文字を入れない様な交渉を成功させ、金と捕虜交換で済ませる様にする形で、此度の戦は手打ちとするのだ。」
「その序でに二ホンと地球連合諸国との間に交戦規定条約も結んで来て欲しい。それが無いと、いざという時に戦が止められないからな。」と言うギワザン。
彼の言う、いざという時と言うのは、負けた時・・・・又は負けそうな時も入るが、そんな言い訳が欲しい時の事を言って居たのである。
ヴァロニカの副官であり、第1中隊と第1空挺艦隊の隊長たるユウリーンとローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊総司令官・シドウ・ギワザン准将らの二ホン国との戦後処理交渉対策会議は更に続いて行くのであった。