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異世界の国々が驚いた異界国家日本は本当にすごーいデス~ネ。  作者: 伊達教宗
第2章 現状が苦しい日本は、異世界に出会いも外交もゼロから始めたいが、それは間違っていると叫ぶ人達がいるのは何故だろうか?
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12話 日本は異世界に出会いと外交を求めるのは間違っているのだろうか?2

 西暦2030年・4月5日・午後19時00分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・日本列島・日本国・関東地方・東京都・港区・新橋・一丁目・6番・11号・ニッポッンテレビ「ニッポン異世界転移?どうなる今後の行方」収録スタジオにて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


その日の夜の事だった。


 ニッポッンテレビ内にて転移災害後初めてと成る異世界に措ける日本の新外交や安全保障問題に関する報道特集番組が組まれて居た。


 その名も「ニッポン異世界転移?どうなる今後の行方っ!」題していた。


 他にも似た様報道特集番組が国内のテレビ局で組まれて居り、その中でも朝日奈テレビでは「夜明けまで生テレビ」「たかしのタックルテレビ」と言った番組が、それぞれ違った角度から異世界に措ける日本の新外交や安全保障問題に関する問題を論じて居た。



 その他の放送局では「ステーションニュース」「イレブンニュース」「真相報道ドンピシャ」「夕時報道ネットワーク」「ひるなび」「下池章雄のそうだったのか日本」「ズームアップ」「モーニングサンデー」


 「サンデー・ビッグ」「スーパージャパンチャンネル」「テレビ・めざましっ!」等々と各放送局の名だたる冠番組が、日本の国土転移と新世界の謎と題して、特集を組んで特別報道番組合戦を始めて、お茶の間を賑やかせて居る。


「ニッポン異世界転移?どうなる今後の行方っ!」には、フリーアナウンサーで、この番組の司会に選ばれ、元ニッポッンテレビ・アナウンサーでもある福田章。


 福田は全国高校生クイズ大会やアメリカ横断ハイパークイズと言ったニッポッンテレビで放送された名物番組の司会者としても有名な人物で、何かとファイヤーっ!ジャストミートっ!と叫ぶと言った、名台詞でも名を馳せ居る名物アナウンサーである。


 その隣には軍事・政治評論家の岡部こうさくの二人を交えての日本の今後を話す特集番組である。


 岡部こうさくは、アニメや政治・軍事特集番組の監修や解説を引き受ける評論家である。


 特にアニメでは、実在する軍事技術の監修をして居る為か、アニメオタク内では割と知られた人物であった。



 番組の合間には国会や総理官邸の中継に、自衛隊の現状などの資料映像と自衛隊と防衛省に緊急取材をするなど特集とあさくら号事件に関する内容も含まれて居た。



「岡部さん。早速ですが、日本の今後、如何言った対応が在るのかに付いて、お伺いしたいと思います。」



 眼鏡を掛けたベテランアナウンサーの福田アナウンサーから、眼鏡と白髪の混じった頭髪に鼻の下にちょび髭を蓄えた中年のおじさんへとカメラが移り、少し聞き取りにくい口調で、一生懸命に視聴者達に向けて、話を始めたのである。


「ええ~、わたしは見立てでは、今後の日本政府は難しい舵取りを迫られるでしょう。」



「と言いますと?」



「政府の発表では、あさくら号襲撃事件とでも言えば良いのでしょうか?」


「転移災害で混乱を来たして居た我が国は、あさくら号が事故か何らかの理由で行方不明に成ったので無いかと行方を気にする程度に過ぎませんでした。」


「ですが、あさくら号襲撃事件後に、逮捕した武装勢力の組織員やあさくら号を救わんとした未確認異世界国家軍艦隊の人達からの聞き取り調査により、そのあさくら号を襲ったのは、ローラーナ帝国と呼ばれる国家です。」


「この世界では通称、帝国と呼ばれる国家らしいですね。」


「日本政府の両勢力からの聞き取り調査では、彼の国は、軍事による単独での国土統一と従属による世界支配を目論んで居る覇権国家で在るようです。」


「そんな国家が四方八方に戦争仕掛け、世界大戦を繰り広げて居る状態であり、我が国の様な民主国家とは、相容れない水と油の様なモノであると言えます。」


「例え和平を呼び掛けても無視するか、軍事的に勝つか、戦果を挙げると言った体面を守り抜く為の戦いを続ける事が予想されるでしょう。」


「これはもう2020年代初頭に在ったウクライナ問題と同じ・・・・いいや、もっともっと酷い事に成り兼ねません。」


「それでは、あさくら号での戦闘は避けるべきだったのでは?」



「そんな意見も多く有るようですが、それは決して許してはいけない事ですね。」



「と言いますと?」



「仮に助ける事より、話し合いに応じる様に呼びかけ、返答を待ち続けている間にあさくら号を拿捕されれば、乗客と船員の全ては、スパイ容疑か日本国に関する情報を聞き出す為に拷問に近い尋問を受ける可能性が有りました。」


「更には、何も情報が聞き出せず、得られないような人材は要らないと判断され、捕まっている乗客と船員の人々は最悪のケースとして、何らかの罪に問われ、死罪として処刑されるか又は、現場指揮官の判断での死刑処理として殺さる。」


「又は奴隷として売られる可能性が有ります。」



「奴隷ですが?処刑なら何と無く想像が付きますね。ですが、その様な制度が在るとの発表は、まだされて居ない筈ですが?」



「はい、その様な情報公開は、まだされて居ませんが、今政府が公開して居る帝国海軍の軍艦の写真をご覧下さい。」



 岡部が帝国海軍の帆船型戦列艦の写真が写ったボードを取り出した。


 写真の下には小さく『防衛省提供』と書かれて居た。



「見て頂いた通り、木造式で出来て居ります。」


「この様な船が現役の軍艦として使用されて居る事から、少なくとも我が国と比べて600年位の文明的な落差が有ると予想されます。」



「その帝国と我が国の年代的な格差を想定した場合、奴隷制度が有る事が予想されます。」



「地球では、奴隷制度が廃止されてから、200年経って居る国も在りましたが、諸問題を抱える国や法律制度の立ち遅れた国では、奴隷制度が公には認めていませんでしたが、裏で続けられて居る所も在りました。」


「また、ISなるテロ組織も反抗する人間や異教徒を奴隷にする行為が見受けられて居ます。未だに奴隷行為は、決して過去の話ではありません。」


「視聴者の皆さん、軽々しく奴隷に成ったとしても助けて貰える。」


「如何にかして助けられる。絶対に連れ戻せる等と思ったり、考えたりと言う事を決して言ってはいけませんよ。」



「なるほど、確かにテロリストに捕らえられて殺される場面も近年は多く見られました。」


「そう言った意味では、奴隷とは過去の話では無く、あさくら号の人々を助けられたのは、本当に幸運だったのかも知れませんね。」



「はい、転移災害の混乱の中で、救援が間に合ったのが、正に奇跡だと言えます。」



「それでは、帝国なる国家のとの和平は考えられるのでしょうか?」




「先ず、無理でしょう。」



「それは何故ですか?」



「帝国との外交を仲介をしてくれる国が在りません。それに直接乗り込むのも危険だと言えるでしょう。」



「帝国海軍との紛争が原因でしょうか?」



「それも有ります。しかし、この手の国家は、虚栄心から自分より上の国力と軍事力のある国家が在るのを認めたくは有りません。」



「それに認めるとしても、此方を下に置いたと言う既成事実が喧伝できる状態でないと話にも応じてくれませんし、我が国は、そんな嘘塗れの事実を認めませんし、言い触らされたら堪りませんからね。」



「それでは、これからどう言った事になるでしょうか?」



「これはもう戦争による実力差を見せ付けるしか無いでしょうな。」


「残念な事では有りますが、何度かの戦闘を戦い抜いて、幾つかの帝国の拠点を制圧。」


「後に講和交渉をするのが妥当で有ると言えるでしょう。」


「それでも相手が退かなければ、周辺国と共に全面戦争を挑むしか無いでしょう。」



「全面戦争ですか?国民の中には、それが一番の心配であり、本格的な戦争突入をした事に付いての政府の責任が重いとの声が有りますが。」



「それは思い違いでしょう。」


「今回の帝国との衝突は、日本政府に責任は在りませんよ。」


「その事はあさくら号救出の生配信映像を見ても明らかでしょう。」


「自衛隊は帝国軍に対して、撤退の警告をし、尚且つ、警告を受けた帝国海軍側は、撤退をしなかったのです。」


「成らば、この紛争で戦って敗戦した原因は、全て帝国側の責任です。」


「その事実を認めず、その後の和平交渉に応じずに全面戦争へと突入する事は、日本の外交的なミスでは在りませんですし、帝国側から一方的に仕掛けて来るか、宣戦布告して来るのに、我が国は防衛戦闘と戦争の早期終結の為の戦争せざる負えないのは仕方の無い事では、無いのでしょうか。」



「確かに一方的に攻撃を受けたり、戦争を終わらせる為に攻め込まなければ成らないと成るの事は、非常に残念な事だと言えますね。」



「それに日米安全保障条約で頼りにして来ていた同盟国であるアメリカ合衆国は、この世界には在りません。」


「アメリカ軍と一部の地域が、この異世界へと転移して居ますが、地球と同じ世界規模の戦争が出きるのかと聞かれれば、本国と切り離された彼らからは、NOと言うでしょう。」


「今この世界では、日本ほどの生産力と経済力。それに軍事力を持った国は在りません。」


「しかしながら、如何せん全てに措いて戦力的な数が足りません。弾、装備、兵力等と言った人や物が圧倒的に足りないのです。」 



「確かに現状での自衛隊の総兵力は、2030年の時点で30万人程でしか在りませんね。」



「これは全ての人員を含めての数ですから、実際は後方で働いて居る人員を除くと、もっと下がるとも思われます。」



「そうですね。これまでも隣国の挑発的な軍事行動の影響と調達費用の値段の上昇も有ってか、国防費が4パーセント程は上がっては来ては居ます。」


「ですが装備は、やっとの数だと言えますね。」


「予算や人員が足りてるじゃないかと、これまで言い続けていた国会の議員、市民団体、そして、国民の皆さん。我が国の国防の中身の実体は、ギリギリでの運営をして居るのです。」


「防衛省は、これまで良く頑張っていた居たと言えるのですよ。」



「所で帝国の総兵力は何か分かって居ないのですか?」



「まだ政府は調査中との事ですが、漏れ聞える情報では、この世界の6割以上を支配して居ると言われる帝国は、相当数の兵力を有して居るようです。」


「また、大陸面積がユーラシア大陸並みに広いとの事ですので、私個人の憶測ですが150万人は最低数でしょう。多くて500万人を越えるかも知れません。」


「最低で150万人で、反対に最高で500万人ですか?」


「かつての地球では今年、2030年度でアメリカ軍が予備役を含めると800万人は軍隊を保有して居ました。」


「詰まり、星一つを縦横無尽に軍を動かすという事は、相当な数の兵力が在ると言えるでしょう。」



「それでは、ちゃんとした装備と弾薬や備品が無いと押し負けてしまいますね。」



「はい。映画やアニメ等で行われている様な派手な演出で、兵隊や兵器が吹き飛ぶシーンが描かれて居ますが、実際はそう言う訳には行きません。」



「兵器一台。武器一つの爆発の範囲で倒せる兵士の人数もそう多くは無いですし、実際の自衛隊の備蓄は、米軍の援軍が来る事を想定し、敵軍を防ぎ追い返す事を前提にして居るので、そう何度も攻め掛かられては、自衛隊の苦戦は間逃れないでしょうね。」



 かつての朝鮮戦争で無限の兵力かと思わされるほどの兵隊をこれでもかと、送り付けて来た中国共産党の人民解放軍。


 北朝鮮軍共に、彼のアメリカ軍を中心とした連合国軍を釜山まで追い落とそうとしたが、日本のアメリカ駐留軍を援兵を差し向ける事に由って38度線まで押し戻したのである。



 この様に兵器の量と質だけでは、戦争に勝てない事も有るのだ。


 ベトナム戦争も然り、近年のアラビア半島やアフリカでは旧式の武器だけで、欧米諸国と互角に戦える武装勢力も有るのだ。


 相手が何らかの部分が劣って居るからと言って、決して相手の事を侮っては成らないのだ。



「なるほど、国民の皆さんが知り得る自衛隊像からは分かり難い事が、意外に多いかも知れませんね。」



「はい、これからは戦争を単に反対するだけでは、済まない事態が想定される事が多いと言えるでしょう。」


「例題を上げるの為らば、ナチス時代のドイツ軍のポーランド侵攻やフランス・ベルギー・オランダへの侵攻。」


「近年ではウクライナ問題と言った所を想像すれば分かるかと思います。」


「有難う御座いました岡部さん。」


「此処で一旦、CMを挟んで引き続きは新世界の勢力事情やこれからの日本の外交が一体如何なって行くのか?等に付いてを詳しく、岡部さんに聞いて行きたいと思います。」



 此処で番組はCMに移行して行くのであった。


 この手の番組を含めて、情報番組の全ての視聴率が40%代を叩き出す結果と成って居た。


 それだけ国民の関心が有る事が数値だけでも示されて居たのだ。


 もっぱら興味の度合いは異世界国家との戦争が50%。


 平和的外交が30%。仕事が速く欲しいが15%。


 どんな種族が居るのかなが3%。戦争が反対が2%。


 分かり易く言えば国民の多くは事態を重く見て居た。


 ぶっちゃけて言えば、どっちかと言うと喧嘩は売られたくない。



 しかし、叱りつけないと分からない上に、怒鳴り付ければ、逆切れする輩が隣国に成ってしまって居る。



 それに仲良く出来る国も在るらしいね。


 貿易を早く再開して、仕事がたくさん欲しい。


 人間以外の種族が居ると良いな(一部の人たちのご意見)。


 戦争はんたーい。


 これ等の意見を一通り見聞きして居ると、どうも国民の多くは明日の生活と身を守る事を選んだらしい。



 人が借金取りから逃げられない様に、多く人達は調子に乗ったチンピラは弱腰と見れば追いかけて来る事を本能的に(空気を上手に読む民族としての勘)悟って居る様である。



 どんな事態が待って居たとしても、人々はこう思うのだ「やっぱり明日が欲しい」とね。



 西暦2030年・4月5日・午後19時40分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・日本列島・日本国・九州島地方・福岡市・中恵屋台村公園・豚骨ラーメン屋台・明太・豚骨博多一番軒にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 此処は博多駅から15分、福岡国際ホテルから10分の所に在る中恵屋台村公園。


 その一角にあるキャンピングカー式の屋台に、コスプレ衣装様な格好をして居た女性達が豚骨ラーメンを食べて居た。


「ズズ~ズズ~ズズ~・・・・・・」



 その屋台はキャピングカーの改造車を使ったもので、豚骨ラーメンを中心にメニューが豊富な屋台としてらグルメ情報雑誌やマニアから一目を置かれた店舗として知られて居た。


 福岡市内の屋台営業は、一部の場所でしか許可をされて居ないが、福岡市が町興しの一環として、2010年代に専用の中恵屋台村公園を整備した事で、その屋台村はちゃんとした店舗を構えるまでの足掛かりとする店主が店を構え並んで居た。




 その屋台に二日続けて通いに来ているコヨミ皇国の第一皇女紅葉と、従者兼護衛供回りである絵美里と香織等が、ラーメンを啜りながら屋台に備え付けられている有るテレビを見ていた。


 他の来日して来て居るコヨミ皇国の者達も、日本政府が送り込んだ案内人付で、福岡市内を観光して居る様である。


 日本政府は来日している紅葉達の長期滞在を見越して、彼女達に日用品の支給していた。


 特に服や下着は1人3着まで無料で支給して居たが、コヨミ皇国へと早期に帰還して居た者らによって、対馬沖に紅葉達に滞在費のお金が届けられて居た。


 と言っても貨幣が使えないので、宝石や金塊や銀塊が、滞在費用の仕送りとして送り届けられて居たのである。



 これ等の物を日本円に換金して、今は市内を視察と称する観光して居たのである。


 特に衣服の買い物と食事への消費は、外務省の女性職員でも、チョッと引くくらいの浪費をして居たと言う。



 コヨミ皇国はお金に成る金銀銅や宝石類の鉱石が、たくさん採掘されるらしいとのこと。


 特にコヨミ皇国の皇室は、独自に使う金を捻出させるべく、皇室専用の鉱山を幾つも持って居るらしい。



「ニホンと言う国は、難儀なお国柄ですね、姫様。」



「全くね。国民を救う為の戦一つをするのに、此処までの大騒ぎよ。」



「紅葉さま、それはこの国が豊か過ぎるからですよ。」



「確かに呆れる位に豊かよね。」



 紅葉は夕暮れの福岡市の町並みを見回す。


 転移の影響で観光客は途絶えて居たが、仕事帰りのサラリーマンは、腹ごしらえをしに屋台へと立ち寄る姿が、少なからず見受けられて居た。



「この国は、どんな方法で此処まで伸し上がったのかを是非、詳しく知りたいわね。」


「そう言えば日本の外務省職員の女性から聞いた話なんだだけど、反戦運動が此処まで酷いのは、80年くらい前の世界大戦での大戦争で、大敗北した事が原因らしいわよ。」



「なるほど、敗戦が原因での一種のトラウマと言う訳なんですね、姫様っ!あっ!小父さん替え玉ください。硬めでっ!」



「わたしもくださーい。軟らかめで。」



「あっ、私も欲しいわ。丁度良い奴で。」



 おいっ!お前らっ!幾ら何でも僅か2日で馴染み過ぎだろっ!


 何処に豚骨らーめんの替え玉を頼みなれた異世界の、況してや皇国の姫様とその御一行が居るんだよ。



「他に何か頼む?」



「えっと、牛スジ3つ。」



 絵美里は、こっちでは定番メニューの物を気に入って居る様である。



「じゃ、わたしは、ぼんぼちって言うのをお願いします。」



 香織は、焼き鳥で通好みモノを頼んで居た。


 福岡の人には何か不思議に思うかもしれないが、この店の主人は、屋台で出ている様な料理を一通り出していた。


 豚骨らーめんをメインに出して居るが、おにぎりも在る。


 塩むすび・しゃけ・おかかも在るが、通なら博多名物の明太子も良いだろう。


 冷蔵庫が備え付けられて居るので、ある程度の食品なら生でも置いて在ったりする。



「おじさん、明太子のおにぎり。」



「あいよっ!お嬢さんたち、良く食べるね。」



「ええ、珍しいし、美味しいもの。」


 紅葉達は異世界の人間らしく、地球では決して出きやしない身体能力を有していた。



 そんな訳で、ある程度無茶な食べ方をしても太らないし、平気なのである。



「こんなご時勢に珍しいね。」


「ついこの間起きたって言う、時空転移とか言う、国ごと異世界に来ちまう天災が起きてから、非常に商売がやり辛くてね。」



「そうみたいね。」



「それに、その格好はコスプレとか言うやつかい?」


「時々この町でもイベントやる事が有るんだけれど、お嬢さん達のは、良く出きた服だね。」


「その格好は、和装武士娘のキャラクターかい?小父さんが若い頃には、魔物と戦うさくらとか言う名前の女の子が出て来るゲームが流行って居たっけな。」



「趣味で着てるだけですよ。普段着ですってっ!」



「ああ、そうなのかい?道理で本物ぽっい筈だね。」


 本物ぽっいでは無く、間違いなく本物だ。


 彼女達は、自らの素性説明が非常に面倒なのと、まだ身分を明かすなと日本政府から言われても居るので、店主には適当な事を言って居た。



  その代わり紅葉達には、普通に振舞って居るだけで良いと言われて居た。


 その方が返って、正体がバレずに済むと日本政府は考えたからである。


 異世界人に対しての免疫が出来て居る日本人。


 流石はサブカルチャーの国であると言えたりするのだった。



「でも敗戦一つで、此処まで卑屈に成るのも考え物よね。」



「ええ、国家が失敗したら確かに国民を始め、色々と大変な事に成るのは分かりますけど。」


「失敗からの教訓を糧に、気持ちを新たにして、次に活かそうと考えるモノではないのでしょか?」


「幸いニホンと言う国は続いて居ますし・・・・・」



「其処が分からないのよ。目の前に危機が迫って居るのに、戦う事よりも目を背けて知らんかしてやり過ごそうとする考えが・・・・・・」



「紅葉さま、ニホンの人達は真面目ですし、どの人も親切で丁寧ですけど、報道とか言う物の話を聞くと。何処か頑固で面倒な部分が有って、約束事を丸で宗教の聖書の様に守ろうとして居ます。」



 香織は、地球でも日本を訪れた外国人が感じた感想を率直に述べて居た。



「都合が悪ければ、話し合って変えれば良いのにね。」



「全くですよ。馬鹿なんですかね?」



 はい、バカだと思います。


 うん、本当にバカな国の人達ですよね、我々はっ!



「そんな馬鹿な性格をした国民が、こんな国家を動かして居るのよ。果たして私達とどんな付き合いをしてくれるのかしらね。」



 店のオヤジさんは、紅葉達が3万円以上食べてくれたのでオマケをくれた。


 後にこの屋台は、福岡市を訪れた食に煩い王侯貴族と大陸の旅人に人気の店と成って行くのである。



 この屋台のオヤジさんが紅葉達の正体を知るのは、もう少し先の事になる。皇女達は7時過ぎまで屋台で語らって居た。


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― 新着の感想 ―
[一言] なるほど、ご理解されているのであれば、それは申し訳ありませんでした。 ただ、ご自身で『嘘』とされているのであれば、まえがきなりあとがきなりにその旨を書き加えるべきではないでしょうか? 私は…
[一言] 第二章十二話にて、福岡の屋台街の場面でおそらく中洲をイメージしているのでしょうが、キャンピングカーの屋台はありません。 ついでに言うと、福岡市内は条例で屋台は禁止されています。 『中洲の屋台…
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