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異世界の国々が驚いた異界国家日本は本当にすごーいデス~ネ。  作者: 伊達教宗
第2章 現状が苦しい日本は、異世界に出会いも外交もゼロから始めたいが、それは間違っていると叫ぶ人達がいるのは何故だろうか?
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10話 出会い 2

翌日、紅葉達は日本到着までの間、特にする事が無いので、ヘリコプター搭載型護衛艦いせの艦内の見学を申し出て居た。


 帝国の少将にして辺境侯爵であるアディーレ・グレッサと、その副官であるミルディーナ・ネービィーナ大佐の二人も見学を許されて、同行する事に成ったのである。


 軍事機密の問題は、無いと日本政府は判断した。


 特に技術的な面での真似が出来ないし、帝国軍側には、日本側の攻撃を防ぐ手段も無いとの見方からである。


  強いて在るとすれば、精々自衛隊が運用や作戦の面で油断しなけばと言う条件付きで有ればの話なのだが。


 それでも防衛省が見せる場所を指定し、いせ艦内で見せて貰える場所なのは、艦橋に甲板と各種武装に加え、格納庫である。


 それと各種護衛艦の基本装備に付いてであった。


 一行は最後の見学場所である格納庫で、アパッチと海自が保有する哨戒機の説明を受け終わった時である。



 アパッチの周りを紅葉が絵美里と見て居る時だった。



「うわっ!」



「きやっ!」



 目の前の物珍しい軍用の乗り物に夢中で見て居る紅葉に、何者かがぶつかり、お互いに尻餅を付いてしまったのである。



「夢中に成って居たので気が付きませんでした。済みません・・・・あのー、大丈夫ですか?」



 倒れた相手は、慌てて起き上がって紅葉に手を差し伸べた。


 青年は怪我で収容されて居たあさくら号の乗客で、如何しても艦内を見学したいと海自側に言って、いせを見学して居た青年だった。



「此方こそ、ごめんなさい。わたしの方こそ、物珍しい物に夢中で、前を見ずに歩いて居ました。」



 差し伸べられた手を取った紅葉は、何んとなく相手を良く見る。


 パッとしない感じで、ラフな服装をした彼は、自分と歳が近い青年であった。


 手をしっかりと握り締め立ち上がった瞬間、不思議な感覚が彼女を襲った。


 彼女の脳裏には断片的な走馬灯が垣間見え、その内容は近い将来へと続く未来が見えた。



 それは・・・・・自分と親友達と彼と歩む先に在る未来だった。


 それはとても苦しく、険しく・・・・供に歩いて行く道筋であり、そして、暖かい未来へと続いていく道・・・・・



 紅葉の見た感覚を例えるなら宇宙世紀のロボット戦争を描いたアニメのエピソードで、戦場で意識を共有した男女のパイロットの感覚だろう。



 それは「ああ、時が見える」と言った感じだった。



「・・・・・あのー、如何かしました?」



 それは時間にして、僅か1分にも満たない時間だったのに、丸で数時間に渡るシーンを見ている感覚に紅葉は陥って居たのだ。


 ぼうっとして、頬が真っ赤に染まって居た紅葉を呼びかける青年の声を聴くまで、何も気が付かない様子であったのたが、青年の一声で、紅葉はハッとして我に返る。



「はっ、えっと、あのっ、その・・・・・・・・」



 紅葉は顔が真っ赤に成りそうであった。


 目の前に現れたのが、あの御告げの相手、自分の運命の相手かも知れないのだ。


 未来視で見た光景の中には、純白のウェディングドレスの白い装束を纏って、一緒に歩く姿が有った。



 コヨミ皇国の直径の皇女はお告げの力と呼ばれる予知能力で、結婚相手を決めている。



 余程の事が無い限り、その予知は外れないのだ。


 彼女の母である葛葉も政略婚の話が浮上すると、勝手に結婚相手を決められる前に、今の国皇である力仁を見付けて居る。


 葛葉は、自分の相手として、皇室の一介の旗本に過ぎなかった力仁を見初めた。



 その当時の住まいである長屋にて、彼を見つけると、そのまま求婚をし、そのまま襲う・・・・・じゃなかった。


 一夜を過ごして、口説き捲くったらしいのだ。


 その後、皇室内での政略結婚の話は破談と成るのだった。



 何せ、無欲無勢力の立場である身分の低い男が御告げによる婚姻相手だと言われれば、政略結婚で盛り上がる有力者たる周りの者達は、大人しく引き下がるしかない。


 特に紅葉は、最も願って止まない庶民に成りたいと言う願いを叶えてくれる相手に巡り合ったと確信し、頬が真っ赤に染まる。



「なななっ!ななっ、何でも無いですっ!」



「でも顔が真っ赤に、やっぱり何処か怪我でも?」



「いえっ!!ほほほっ本当に大丈夫なんですっ!!!」



 お転婆同然の彼女が、珍しく悄らしい振る舞いをして居た。



 其処へ絵美里が怒りの形相で前へと出たのである。



 それは丸で通常の三倍の速度で稼働すると言う真っ赤な色のロボットに乗って居る大佐殿が、ソイツとの戯言は止めろと嫉妬して居る様な感じであると言えた。



「あっあの・・・・姫さまっ!・・・・・・・きっ!きっきーーさまーッ!この無礼者めっ!」


「きっ、き貴様っ!我が国の至宝たる姫様の何処を見て居たのだっ!」


「ってあれ?あれあれ?あああっ!!刀っび!あああっ!そうかっ!この船に乗る時に預けたままだった。」


 絵美里は無礼撃ちの体勢を取ろうとして腰に手を当てたが、肝心の刀は海自隊員の管理下に有って、預けたままなのだった。



 青年は心の中で(何これ、ツンデレが主人を守ろうとして、間抜けを見せるって言う有りがちなコント的なオチはっ!)と思って居た。



「みっ、見るなっ!」


 絵美里は涙目で、己の行動を恥じて居たりする。


 ジト目で彼は絵美里を見ていた。



 ある意味オタクで有る彼に取って、美味しいキャラであった。


 その時、竜史は思った。


 この娘は、くッ殺のツンデレ系の残念な奴だなぁ~と思ったのである。



「そっ そうだっ!これは全部っ!貴様が悪いんだっ!!!」



「ええええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!?」



 そう、何故かツンデレは、逆ギレを起こして文句を言うのだ。



 特に人当たりが良さそうな相手には、特に・・・・・・・・・・・・




(何それ?これまたツンデレと残念キャラが良く言う台詞はっ!)




「絵美里っ!此方も悪いのです。」



「それに其方の方も謝罪を言って居るのを聞えなかったのっ!!!」



「でっ、ですが・・・・・・」



「兎に角ですっ!此処は大人しく引き下がりなさいっ!」



「・・・・・・はい。」



 シュンとツインテールと共に、ガックリとうな垂れる絵美里。



「わたしの供の者が失礼しました。」


「申し遅れましたが、わたしは紅葉と言います。コヨミ皇国の第一皇女です。」



「あっっ!?はいっ!僕は高見竜史です。」



「名前はどのような字で書くのですか?」



「えっ?」



「我が国の暦文字は、貴国の漢字と言う文字と同じ物ですよ。」



「竜の字に、歴史の史の字です。両親二人が変わり者で、神社で名前を選んだ中の一つだったらしく。」


「洒落っ気で名前の漢字を選んだらしいです。」


「歴史に残らなくても、少しでも何か一つでもやれる事が出来たらと、両親は言ってましたけど、当の本人たる僕は、何も出きそうに無いですね。」



「そうなの。でも貴方は近い将来、何かを成せるかも知れませんよ。」



「へえっ?」



「歴史に名を残すのは、金持ちの家の生まれでも名家の生まれでも、有りませんよ。」


「学問は必要ですが、教本通りの人材は特に要りません。返って貧乏か失敗が多い人ほど頭が回り、物事に必死にも成れます。」



「はぁ・・・??」



 キョトンとした顔で分からないと訴える竜史。


 紅葉の後ろで絵美里が「そろそろ」と声掛けをして来た。



「うふふっ、それでは、また何れお会いしましょう。」



「えっ!また?またって・・・・・」



 背の高い和装姿の美人の姫君は軽やかに青年前を立ち去って行った。



 去り際に絵美里が竜史を睨み付けて居た。



 立ち去る紅葉はこれから起こる事にドキドキとワクワクが止まらなかった。


 何故ならば紅葉の最も願って已まない夢は。極普通の女の子に成る事だったからだ。


 幼い時から王族や裕福な資産家よりも普通の家に嫁に行きたいと思って居た。


 ひょっとしたら、そんな願いを叶えてくれかも知れない相手に巡り合ったかもしれないと想うと、クスリと笑みが止まらず、彼との別れ際には、微笑みながら立ち去った。



先読みの導きが有れば、きっとまた会える筈と・・・・・・・・・・



「皇女殿下と言って居たが、変わった人だったな。」



 まさかこの出会いが、竜史の一生に関わる等と彼は微塵にも思って居ないのであった。


 それ所か、もうあんな高貴な美人とは、もう二度と関わる事も会う事も無いだろうと思っていたのである。




 アースティア暦 1000年・西暦2030年・4月6日・午前11時15分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・日本国・九州島地方・福岡県・福岡市・博多港にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 この日、あさくら号を救出し、ローラーナ帝国海軍東洋方面艦隊・第120艦隊を討ち破った海自艦隊と海保の船団は、ローラーナ帝国海軍東洋方面艦隊の残存艦隊を曳航しながら博多港に到着した。


 当初は長崎港か佐世保港に行くと言う案も有ったが、軍港と工業港の有る地域を会って間もない国の要人に見せる訳にも行かないと言う理由があった。


 況してや、工業主力湾港と軍港を交戦国の人間にも見せる訳にもいかない。


 其処で見せても構わない港として、北九州地域の福岡市の博多港を寄港地に選んだ日本政府だった。


 コヨミ皇国と帝国の面々は、船から見える博多の港と福岡市の町並みを見渡して日本の地方都市と説明されると、その事実に大いに驚いて居た。



「これ程の都市が、一国家の一地方の町に過ぎないのか?」



「我らは、トンでもない国に戦を仕掛けてしまった様ですね。」



「ああ、本国の連中が、妙な考えを起すのを止められないのが、実に口惜しい。」



 アディーレとミルディーナの二人が、それぞれ私見を述べて居た。



「やはり、国力も相当な物だと見て居たけれど・・・・・・・・まさか、此処までとはね・・・・・・・・・・・・・」



 紅葉は期待した以上の物だと、己が判断が間違って居なかった事に、感慨深く博多港から見えて居る福岡市の街並みを眺めて居た。



「姫様は転んで怪我を為さっても、タダで起き上がらない方と分かっては居ましたけど、今回ばかりは斜め上の結果だったとしか言いようが在りません。」


「まさか、こんな事に成るなんて・・・・・・・」



「少しでも皇国民やお父様達に良い報告が出きる様に、事前交渉をする積りよ。」



「はっ!!私も及ばずながら、お手伝い致します。」



 二人は故国の未来をかけての日本との交渉に、思いを馳せて居た。



 港に着いた一行はそれぞれ下船すると、捕虜となった帝国者等は、バスで福岡市の郊外にある30階立てのマンションがある一角へと送られる。



 そのマンションがある一画を丸々政府は買い上げて塀を建て、臨時の捕虜収容所にするらしい。


 このマンションは、完成仕立てで、売り出そうとした矢先に転移で失業などを理由に、誰も買えなくなってしまったと言う事が有った。



 予約までキャンセルされてしまっては、不動産屋と此処を管理して居る持ち主は商売が上がったり状態である。



 其処に臨時の捕虜収容所の話が持ち上がる。



 地理的にも場所的にも丁度良いと言う事に成り、周囲の空き家ごと政府が買い上げられる事に成った。


後に捕虜が瀬戸内の収容施設へと移った後に、此処は政府の重要な省庁が置かれる事に成るのだが・・・・・・・・・・・



 一方のコヨミ皇国側は、駅前のホテルへと招かれる事と成った。


 港のターミナル施設の出入り口近くにバスが停車し、入り口のドアが開き終わると一斉にコヨミ皇国・帝国・それにあさくら号の乗員等は、政府の用意した場所へとバスで移動を開始する。



 市内は厳重な警戒が為されて居る様子が見て取れて居た。



 一部のカメラマンが閉鎖された港からバスが現れるのを待って居て、警官達が必死に制止していた。


 マスコミと国民には、この日博多港到着するのは、あさくら号とそれを助けようとしてくれた近隣地域の異世界国家の軍隊、それに武装勢力の捕虜達であるとだけ公表され、詳しい内容は伏せられて居る。


 それに加えてあさくら号の乗客を輸送する為のバスが福岡市内を通ると公表していて、異世界国家の要人や捕虜達が、何処に到着する事も伏せられて居る。



 特に紅葉達の事は、その全容に付いての情報は、日本政府側としては今しばらく時間を掛けて状況を整理と情報公開の準備が整うまでの間だけ、公然の秘密にしたいらしい。



 異世界人の捕虜達に付いての全容も、同じくもう暫くの間だけ伏せられる。


 これは移動中の安全を考慮しての配慮と国内の不穏な動きに注意して居るからである。



 特に反戦団体や異世界国家に対する畏怖や不信感や恐怖を伝播する事態は、成るべく避けねば為らないのである。



 そんな厳戒態勢の中、安全面の観点からマスコミの取材も反戦団体のデモも一切の許可をして居ない。



 事は外交問題と異界人捕虜の安全の為で、移送が終りしだい国民やマスコミへの発表予定と成って居る。


 しかし、そんな事はお構いなしの者達は、やりたい事を強行しようとして公務執行妨害などで逮捕される始末であった。


 さて、コヨミ皇国一行が向った先の30階建てのホテル。


 最上階の部屋に、紅葉を招いたが、流石に一人で使うのには広すぎるからと紅葉外務省職員に言って、絵美里も一緒に居る事に成った。



 日本国外務省職員からの説明では、日本政府は、まだ国会での取り決めが終わって居ないらしい。



 此処に来て、まだ各党の国会議員らは、煮え切らない態度を取って居るのだった。



 大陸の要人が来て居るから話し合いの交渉が出きる。


 さて、皆さんどう致しましょうかと聞くと、更に色々と揉めだす日本人。


 紅葉達の東京行きは、何時に成るのだろうか?





 西暦22××年・×月○日・午後18時15分・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・日本列島・関東地方・群馬県・霧野市・堤野町・渡瀬川沿い・高見山・高見家・高見家屋敷・本館棟屋敷にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 生放送中のテレビ画面は再び特集実録アースティア大戦とは?が生放送収録されて居る高見山中央の中腹に在る高見家本邸・本館棟屋敷と呼ばれる建物内の食堂広間へと戻る。


 見学に来て居る観客席からは、はち切れんばかりの拍手が鳴り響いた。


「いやー、正に運命の出会いと言うのは、本当にドラマ様な出来事なんですねぇーーっ!」と言う歴史研究家で京都大学教授を務める磯野道隆。



 京都大学の博士号を持つ歴史研究家で、あらゆる時代に精通して居る人物で、英傑達の選択の解説コメンティターである同時に、彼の出演番組である英傑達の選択の司会解説者の1人である。


「今でしたら、ファンタジー系ライトノベルでしょうね。この話をすると、必ず何時だって作り話だって、言われてしまうほどなんですよね。」と竜史の曾孫に当たる高見竜一郎は苦笑交じりに言って居た。



「では、此処で最初のゲストの方に、ご登場して頂きたいと思います。」


「高見家系・暦家を継承して居られます。暦紅葉こよみもみじさんに登場をして頂きすます。」


「皆さま、拍手でお迎え下さい。」とJHKの歴史関係を担当している人気番組のアナウンサーである井上朝美は、拍手をしながらゲストを招いた。



 招かれたのは、暦紅葉、後の高見紅葉と成った後に産んだ長女・高見明日葉の子孫で、高見家系・暦家を継承して居る暦紅葉こよみもみじが登場する。


その姿は、在りし日の紅葉そっくりそのままであった。

 

「こんばんは、紅葉さん。」


「こんばんは。」と答える紅葉は、やや緊張した顔付で答えて居た。


「紅葉さんは、今日が初めてテレビカメラの前に出ると伺いましたが?」


「はい、普段は私は、高見家屋敷で高見総合商事の事務員として働いて居ますが、直ぐお隣に在る白峰神社の宮司もやって居ます。」


「白峰神社と言えば、霧野天満宮と白滝神社と並ぶ、霧野市の歴史には欠かせない名所の一つですねぇ~。」と言う磯野。


「磯野先生は、地方ローカル歴史にも御詳しいですか?」と聞くタレントの明日田高次。


「実はですね。この高見山が砦だった事を知った際に、戦国時代に霧野に在った霧野山城を治めていた霧野国綱に関わる事を調べて居た際に、偶々知っただけなんですけどね~」と答える。


「単なる歴史ネタ繋がりじゃないですかっ!」とツッコミを入れる明日田高次。


 流石は大手芸能事務所会社である幸本興行株式会社に所属するお笑い芸人でも在る人物。


 鋭いツッコミを入れて来て居た。



「話が逸れてしまい、すみませんでした紅葉さん。お話の続きをお願いします。」と司会者である井上が促す。


「はい。白峰神社は高見家が代々管理をして来た神社では無く。200年前に先代の白木宮司夫妻から、私の祖母である明日葉さんが星読みの力を持って居た事から、隣近所に住んで居た白木さんに「そんなに凄い力が在るなら宮司にピッタリだね。」」


「私の家には宮司をする様な跡取りが居ないから、白峰神社の宮司を継いでみないか?普段は好きな仕事をして良いから」と言われたのが切っ掛けです。」


「その後は私の母である水葉母さんが分家させて貰える際に、コヨミ国皇家の名跡である暦の名を名乗る事が正式に許可され、以来私の家は、白峰神社を管理相続をし、次第に薄れ行くと見られて居る星読み力を継承する高見家系・暦家を継承して行く事に成りました。」


「その証と成って居るのが、この紅星名月刀あかほしめいげつとうです。」


「うわあ~っ!これが名刀、紅星名月刀ですか?間近で見られる日が来るとはっ!」と興奮するのは、刀好きとしても知られて居り、京都大学の博士号を持つ歴史研究家にして、歴史テレビ番組の司会者を務める磯野は、紅葉が持って居る刀に恐る恐る近付いて、刀を間近で拝見して居た。


「磯野先生、この刀にはどんな謂れが在るのですか?」と聞く井上アナウンサー。


「何を言って居るんですかっ!国宝ですよっ!国宝っ!」


「この刀って、国宝なんですか?」と驚く明日田。


「ええ、コヨミ皇国の歴史と共に歩んだ事とアースティア大戦を戦い抜き、所持をして居た紅葉さんが一生涯を通じて手放さなかった刀である事が国宝として評価された理由なんですよ。」


「しかも世にも珍しい日本国とコヨミ皇国二カ国共用で国宝に指定し、個人所有を認めて居る珍しい国宝なんですね~」と解説する磯野。


「此処で紅星名月刀に付いての解説を致します。」


「紅星名月刀は、代々星読みの巫女に受け継がれる事に成って居るコヨミ皇国の至宝的名刀で、紅葉さんは生涯を通じて所持して居た刀です。」


「今日では日本国とコヨミ皇国の二カ国からは国宝に指定され、アースティア世界遺産記録保存委員会からは世界遺産に指定されて居る個人所有の名刀とされて居ます。」


「そんな紅星名月刀が、是非とも見てみたいと言う方は、一般公開されて居ますまで、霧野市に在るアースティア大戦高見家英雄資料館にて、刀の拝観が出来る様に成って居るとの事です。」


「いやー、素晴らしい名刀を拝見させて頂き有り難う御座いました。」と言って引き下がる磯野。


「いえいえ、この番組に合わせて、博物館から出してきた甲斐が有りました。」


「磯野先生は、大変な刀マニアである事も知って居ましたので、その喜ぶ姿を見て、持って来た甲斐が在ると言うものです。」


「普段は儀式や式典等の催し以外では、神社の剣舞奉納や法事くらいにしか使って居ませんからね。」と話を締め括る紅葉。


「実はアースティア・オリンピックで、無差別級ソーディアンの部で優勝をした際に使って居た刀が、紅星名月刀でしてね。」


「試合の際には、刃を剣技試合をする時に使う事に成って居る無刀訓練具を使って試合をするのですが、まだ当時は国宝にも成って居ない事あり、結構乱雑に斬り合って居た為に、内側の刃が刃毀れをして居たらしいですよ。」


「因みにこの話はですね、身内しか知らない話なんですが・・・・・・」と竜一郎は、曾祖母が仕出かした裏話を、番組を視聴して居る世の人々に初めて暴露する。 


 その話を聞いた出演者や会場に来ていたお客さん達、それにテレビの視聴者達は大いに驚き、笑いを誘うのであった。


「その紅葉さんのご長女なんですが、4大会連続でアースティア・オリンピックや5大会連続でアースティア・ワールドカップに出場して居る日本代表選手だったんです。」


「何んとっ!!母娘二代に渡り、オリンピック選手だったですか?」と更に明日田は驚きの声を上げた。


 その後、紅葉のオリンピック映像や明日葉がアースティアオリンピックやワールドカップでの活躍するお宝映像が、JHKのアーカイブス映像から出された映像が流される。


JHK特別放送・特集実録アースティア大戦とは?の番組は、益々視聴率を上げつつ、次なるエピソードが流されて行き、番組は続いて行くのであった。


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