224話 日勝軒会談に集う旧知の英雄たちの選択っ!!田舎町での秘密会談?! 1
アースティア暦 1000年・西暦2030年・7月15日・午後10時50分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・地球海洋諸国連合同盟勢力圏・日本列島・日本国・本州島・関東地方・北関東地域・群馬県・群馬県南西部地方・甘楽郡・下仁田町・洋食堂・日勝軒にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
群馬県・下仁田町。
此処は群馬県民に取って、とても馴染み深い物である群馬県の事を詠う『上毛かるた』には、ネギとコンニャク、下仁田名産と言われて居る場所として知られて居る町。
それとは別に、下仁田町から少しだけ離れた所には、富岡製糸場と並んでユネスコ世界遺産に、富岡製糸場と絹産業遺産群にも選ばれた荒船風穴蚕種貯蔵所跡が在る事でも知られて居る。
だが、安中市と富岡市から離れた静かな人気の少ない田舎町では在るが、この町は知ると人ぞ知るグルメの町でも在る所なのだ。
此処下仁田町には、ネギとコンニャクだけでなく、和洋中とバラエティー豊かな食堂が、たくさん在る事でも知られて居る町。
東京シティ・テレビ24時と言う深夜放送枠内で放送された、彼の有名な地上波・衛星放送系ドラマ。
孤独な独身グルメバイヤーの旅日記の撮影場所としても、日本国内でも広く知られて居る所なのだ。
この町でドラマの放送回でピックアップされたのは、中華一番さんの餃子とやさいたっぷりのタンメン。
そして、そのお隣さんに店を構えて居る。
すき焼き屋・コロンビアさんの豚すき焼きである。
この他にも ビーフシチューとタンシチューを始めとする洋食堂の日勝軒。
料亭として知られて居る朱鷺和館のすき焼きと地元食材を使った和食コース。
下仁田カツ丼・焼肉丼・ジオパーク丼と言った丼物料理を揃えて居るエイト食堂。
他にも色々なお店が居並ぶ、ちょっと懐かしい昭和レトロな風景が残る田舎町が、訪れた観光客達らがホッとするグルメ観光地としても、売り出して居る町でもあった。
そんな静かな田舎町に突如として、激震が走る。
下仁田町長である原田秀利は、アースティア国際大会議・IN・東京サミット開催に先駆けて、ローラーナ帝国が盟主と成って居る西方バルバッサ帝国同盟勢力圏に属させられて居るドラグナー皇国。
その第一王女、ヴァロニカ・サークラ・レアモンとその従者達。
そして、それと敵対はして居るが、旧知の仲である反帝国同盟諸国に属する側の立ち位置に居る暦紅葉。
リナ・ミーサガ・リンバース。
ヨハンナ・リリロッカ・ヨシカーナ。
アリスティア・レックス。
クリスティーナ・マケッンジー。
シェスカーナ・フローレイティア。
リリアルカーデ・アルタイル・アーサー・ペンドランゴンと言った面々が集まるとの通達が日本国政府から為される。
オマケに交援省大臣である高見竜史までもが、町へとやって来ると言うのたがら、町中がとんでもない大騒ぎと成った。
その会談場所として選ばれたのが、日勝軒と言って、群馬県のローカルグルメ情報雑誌。
グルメライフと言う雑誌に載る程に知名度が高く、グルメ通な群馬県民に良く知られて居ると共に、地元住民にも何かとイベント事でお世話に成って居る洋食堂店としても知られて居る所なのだ。
下仁田町長である原田秀利は、顔見知りでもある日勝軒オーナーの宮川大輔・敦子夫妻に抗議した。
だがしかし、常連さんでもあり交援省大臣と成った顔見知りでもある高見竜史たってのお願いと言われてしまっては、仕方が無いと引き受ける事にしたと説明する。
まさか下仁田町と原田町長には、会談日と成るギリギリの日にちに成るまで、情報封鎖されて居たとは、知らなかった言われる。
事が事だけに下仁田町を選んだ理由とは、人気が少ないからで、会談日の前日と成ったその日に、上信越自動車道と上信電鉄を群馬県警と地元の自衛隊・第12旅団で封鎖すると言う厳戒態勢が取られて居る。
表向きには紅葉達の下仁田町への来訪に伴うテロ対策と治安維持対策とし、ドラグナー皇国第一皇女、ヴァロニカ・サークラ・レアモンとその従者達の存在は伏せられて居た。
そして、紅葉達が下仁田町へとやって来た理由として、コヨミ皇国第一皇女、暦紅葉が、大陸各地に住まう各国政府に関わり合いを持って居り、東京サミットへとやって来た旧友達と過ごす昼食会の開催会場に選んだと言い。
それを兼ねつつ、東京サミット開催に関わる対策会議を話す昼食会であると言う報道が、その日の朝に成ってから一斉に報じられた。
昼食会の開催の事を下仁田町等に報せて居なかったのも、日本国内に措ける戦争反対と平和運動家団体へのテロ対策と治安維持対策として居る。
下仁田町へと通じる周辺地域の道路と交通機関の利用は、地元住民呑みが利用できるとされ、出掛ける際には、運転免許証・マイナンバーカード・国民・社会保険証などの身分証明証を呈示する事が義務付けられて居る。
文字通りに、アリの這い出る隙間の無い程に、下仁田町の周辺地域の道と言う道は、警察と自衛官達により、パトカーと陸自車両を使ってまで脇道をも封されてしまう。
オマケに妙義山を含めた周辺地域の登山道すら封鎖されると言う厳戒態勢が敷かれて居た。
更には空からヘリコプターの取材すら許可されて居ないオマケ付き。
そんな騒動に巻き込まれしまったのは、新潟港での騒動に巻き込まれた重松輸入雑貨商会の社長である重松五郎であった。
彼は富岡市内に在る生糸関連の品物を仕入れにやって来た序でに、日本秘湯を守る会員旅館としても知られる温泉旅館。
下仁田温泉旅館・青山荘で一泊し、その次の日にお昼ご飯を食べようして居たが、それが不味い事態と成ってしまう。
下仁田温泉旅館・青山荘は、孤独な独身グルメバイヤーの旅日記内でも、帰路に着こうとして居た主人公・井之柱豊五郎が、下仁田駅で電車を待って居ると、隣に座って居た老人から、下仁田町には素晴らしい秘湯が在ると教えてくれたと言うワンシーンが流れた。
実際に本当に在る秘湯で在るので、放映された後には、只の演出だよねと思って居た視聴者らは、本当に在る事が分かると、ちょっとした話題と成って居る。
その歴史ある旅館に泊まった重松五郎は、時間や社会に囚われず、幸福に至福の時を過ごすのが、現代人に平等に与えられた自由であると言う想いが在った。
そんな孤高の食事時間を楽しむべく、久しぶりに下仁田町へとやって来た五郎は災難に遭ったとも言うべきだろう。
「何とか日勝軒には入れたが、まさか片田舎町である下仁田町が、こんな事に成るとは・・・・・・・・・・」
洋食屋食堂の日勝軒一階フロアは、今日も地元利用客が、昼食を慣れ親しんだ洋食メニューの中から料理を食べようと入って来て居た人達で、店内はごった返して居る。
五郎も、この騒動が起こる前に予約して居た客であった為に、店の利用を政府から派遣されて居る自衛官と警察官らに身分証を提示する事と予約客リストと照らし合わせる事で入店が許可されて居た。
「いらっしゃいませなのだっ!どうぞ、メニューなのだっ!」と、何時の間にか、ちゃっかり店の従業員と成って居たマーヤ・リリロッカ・ヨシカーナが、五郎にメニューを手渡す。
「どうも。」
(あれ?あの子、何処かで・・・・・・・・・・・・)と思う五郎。
其れもその筈。
五郎がフローレイティア輸送商船商会との仲介業者として働く合間に、別件の仕事で広島市へと訪れた時の事である。
広島市内のお好み焼き専門店・広島お好み焼き安喜ちゃんにて、マーヤと出会った筈だが、まさか此処にも居るとは思わず、彼はそのまま、「まぁ・・・・良いや」と思って、マーヤの事をスルーしてしまった様だ。
「どうも、マスター。お久しぶりです。」と竜史と紅葉の二人。
そして、紅葉の妹達である清香・麻衣姉妹の二人と共に、お店に到着する。
「竜史くん、いらっしゃい。暫く見ない内に立派に成って・・・・・・・」
「ホントよね。テレビニュースや新聞なんかで、竜史くんの名前を聞いた時には、まさかーっ、とでも思ったけど、翌々紹介写真を見てみると、ホンとビックリよね~」
「本当に竜史くんなんですもの。」
「只のなっちゃって大臣ですよ。一通り片付けば、僕なんてお役御免に成る筈です。」
「またまた、謙遜しやちゃって、ねーっ!」
「奥さんも、相変わらずですね。」と竜史は気さくな女将さんを見て言う。
「ご両親もいらっしゃって居るよ。二階席の方は、まだ誰も来ては居ないから、先に一階の奥座席に居るご両親達に、挨拶して来なさい。」と、マスターは言ってくれた。
勇治は、洋食堂の日勝軒一階フロアの西奥に位置して居る奥座敷へと向かう。
其処には、竜史の両親達が、竜史に呼ばれて、下仁田町の洋食堂の日勝軒へとやって来ていた。
この二人は在る理由が在って、久し振りに下仁田町の洋食屋食堂の日勝軒へと訪れて居た。
因みに、此処の食事代は、日本政府持ちに成って居るので、二人は殆んど手ぶらでやって来ていた。
序でなので、下仁田町の秘湯である下仁田温泉旅館・青山荘で、竜史の支払いで一泊させて貰えるらしい。
「父さん、母さん。久しぶり。」
「おう。」
「そうね。それよりも・・・・・・」とすみれは、竜史の後に続いて現れた紅葉。
それとは別に、その後ろに居る紅葉とよく似た顔立ちの洋服姿の女の子達を見入って居た。
「お母様、お父様。この度はご迷惑をおかけしまして申し訳ありません。」
「兼ねてからお願いして居ました、私の妹である清香と麻衣です。ささ、二人ともご挨拶を・・・・・・」
紅葉は、後ろに控えて居た、妹達二人に、新しく義理の両親と成る二人に対して、挨拶を促す。
まず最初に進み出たのは清香であった。
青い紐でポニーテールをして、水色上着に白いスカートを着込んで居た。
清香は真面目で控え目な性格である為に、服装の色も控え目な物を好んで居た。
勿論、下着類もだ。
清香はどちらかと言うと、見た目は母親似なのに、敵視して居ない他人に対しての接する仕方は、父親の性格に近かった様で、とても大人しかったりする。
「これからお世話に成ります。お義母様、お義父様。今日よりお二人の養女と成ります、清香です。末永く宜しくお願い致します。」と粛々と丁寧に、挨拶をする清香。
彼女は何所か詰まらなさうだった。
故郷から無理やり連れ出され、疎開を名目とした、日本国への出国と庶民家庭への降下する形での養子縁組。
それまでと違った、華やかな生活から、民間人として戸籍の降下。
両親達に捨てられたのでは無いと理解して居るが、これから竜史の義理の妹と成る事が、いの一番に気に食わなかったので、大変に機嫌が悪かった。
「うん、とても賢そうでしっかりしてそうね。家のドラ息子より手が掛からなそうで良いわ。」
「ちょっと母さん、そりゃあ酷いよ。」と竜史は言うが、母親であるすみれは、息子の言う事を気にもせずスルーして居た。
「文句が在るんだったら、お嫁さんでも捕まえて来なさいっ!!」
「でないと、後が大変よっ!!でもアンタには無理よね。」
「その点、紅葉ちゃん達は、色々としっかりとして居て、とても良いお嬢様達だから安心ね。」
「困ったら、何でも言ってね。清香ちゃん。」
「はい。」と、すみれのあっけらかんとした感じの接して方に、実母である葛葉の面影を見た。
(本当に、この男の母親?どちらかと言うと、お母様(葛葉)に似て居るわ。)
(なるほどね。お姉さまが納得して居る筈だわ。)
竜史の頼りない性格と風貌からは、とても似つかない、すみれとの性格の差に驚きつつも、養子縁組の先として両親達と紅葉が託した相手であると、納得する清香であった。
「えええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!ホンとそりゃあ無いよっ!!」
「悔しかったら、嫁さん捕まえなさい。結婚相手が見つからない内は、半人前よ。」
「くすくす、おにーさんったら大変だね。でも大丈夫だよ。」と、短いが黄色い紐で短いツインテールをして居る女の子たる麻衣が、苦笑交じりに言う。
その服装は黄色いスカートと緑色の上着を着込んでいた。
麻衣は明るい性格で、服装も明るい感じのを好んで居るが、下着類は妖艶な色に見える赤紫色を好んで着込んで居たりする。
何故なら竜史の貞操を本気で狙って居るからである。
流石は葛葉の娘にして、暦女性皇族である。
見た目は、とても幼いながらも、その実は油断が成らない女の子だった。
「おにーさんのお嫁さんに成るような人達が、誰も居なくても。」
「あたしが、おにーさんにお嫁さん成って上げるからね。ねっ、おかーさんっ!!(お義母ーさん)」
「あら本当なの?それは助かるけど、あと2年・・・いや4年くらいは掛かるわよ。」
「麻衣ちゃんは、それまでに竜史の心を射止められるの?」
「えへへ、任せてよ、おかーさん。あたし、それまでに立派な大人のレディのボデイスタイルを手に入れて見せるからっ!!」
「実家のおかーさんも、紅葉おねーちゃんも、美人さんだから、あたしもそれ以上の成る予定だよっ!」
「何だったら、この身体が結婚適齢期を迎えたら、おにーさんの子供を身籠っても良いよっ!!」
「まぁまぁ、何て良い子なのっ!良かったじゃないっ!竜史っ!お嫁さん候補が近くに居てくれてっ!」とすみれは、悪乗りして揶揄う。
竜史の母であるすみれは、オタクである竜史が、結婚出来る様な相手は居ないし、現れる事も無いだろうと思って居た。
其処に進んで成りたいと立候補する者が現れたのならば、進んで了承するのは当然の事であった。
結婚すれば、竜史も何かと落ち着いて、しっかりして来るだろうと見て居たからだった。
「悪い冗談は止めてよ母さん。麻衣ちゃんも抱きつくのは・・・・・」
「酷いよぉっ!おにーさんっ!あたし、本気なのにっ!」と益々竜史に抱きつく麻衣。
それをジト目で睨みつける姉の姉妹達。
特に清香の方は、俺の妹がこんなにとか言うラノベに登場する妹キャラクターの親友が、妹の兄に向ける様な、何かしたら殺すと言って居る様な冷たい殺気立った視線を放って居た。
「りゅーじっ!」
「・・・・・・・・」
「えっ?これって悪いのは・・・・・・・・・・・はい。僕です・・・・・・・・」
何を言っても無駄であると悟る竜史は、反論する事を止めたと言うより、抵抗を諦めたと言った方が良いだろう。
出会ってから三ヶ月、紅葉にべったりとした付き合いの中で学んだ、彼女と付き合って行く上で、身に付けた処世術であった。
奇しくもそれは、紅葉たちの父親である力仁と同じ処世術なのであった。
「分かって居るなら、話は早いわね。」
「あはは、今日は・・・・・・」
「分かって居るから、大丈夫。短期お仕置きコースだから・・・・・・・」と紅葉に引きずられ、路地裏でたっぷりと紅葉にお説教を喰らう竜史であった。
此処で清香と麻衣の二人は竜史の両親に引き取られ、9月から霧野市の中学校と高校へと、それぞれ通う事に成って居る。
表向きは高見家の遠縁の親戚筋の子供で、転移災害で外国に出張して居た両親達と離れ離れと成った為、霧野市に住まう高見家に養女として引き取られたと言う事に成って居る。
戸籍等の類に付いても、日本国政府が話を合わせてくれていたので、公式な偽装書類が発行されて居るし、群馬県と霧野市も、その事実を了承して把握して居る。
この二人が後に竜史とも深い関係を持つのは、もうちょっと先のお話。




