220 話 動き出すアースティア世界っ!!開幕する東京サミットっ!! 4
アースティア暦 1000年・西暦2030年・7月11日・午前10時30分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・地球海洋諸国連合同盟勢力圏・日本列島・日本国・九州地方・福岡県・福岡市・博多港にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アースティア暦 1000年・西暦2030年・7月10日。
東京サミット訪問使節艦隊は、最後の中継寄港地であるコヨミ皇国・万代藩・万代市・万代港に到着した。
一方のコヨミ皇国の日本国・東京サミット外交訪問使節団は、第一皇女である暦紅葉の日本国との独自の伝手も在った為に、一足早く日本国入りを果たして居た。
先の日本国・コヨミ皇国使節団が、皇都・星都市と星都城への外交訪問した事の返礼でも在るコヨミ皇国政府、コヨミ国皇家として、初の正式な日本国入り。
既に反帝国同盟諸国よりも先に防疫検査とワクチン接種を済ませて居るので、簡単な入国審査だけで済んで居た。
そんなコヨミ皇国の日本国・東京サミット外交訪問使節団が、他の使節団よりも逸早く日本国入りをするのには、訳が在った。
日本国政府が用意した豪華客船・高千穂に乗った、コヨミ皇国の日本国・東京サミット外交訪問使節団。
博多港に到着すると、先に現地入りして居たコヨミ皇国・対日本国外務連絡事務所に詰める外交官や派遣官僚職員達が、国皇族を中心とした使節団一行を出迎えにやって来て居た。
コヨミ皇国・対日本国外務連絡事務所とは?
福岡市内に在る異世界国家交流総合支援省内の敷地の中に在る施設の事で、元マンション4棟、更に隣に4棟。周囲の無人住宅地とビルを含む建物群内に在るコヨミ皇国に割り当てられた施設の事を指して居る。
そのマンションは、完成仕立てで、売り出そうとした矢先に転移災害在ってしまう。
そのマンションを購入したいと希望して居た人々は、転移災害を切っ掛けに、失業等に成ってしまった事を理由に、誰も買えなくなってしまったと言う。
予約までキャンセルされてしまっては、不動産屋と此処を管理して居る持ち主は商売が上がったり状態である。
其処に第一次龍雲海沖海戦で、捕虜とした者達を収容する為の臨時の捕虜収容所の話が持ち上がる。
第一次龍雲海沖海戦で捕らえた捕虜達の一時的な勾留場所を欲して居た法務省と防衛省らは、その仮施設を設けるのに、地理的にも場所的にも丁度良いと言う事に成り、周囲の空き家ごと政府が買い上げられる事に成った。
その後、捕虜達が本格的な収容所とする場所が決まった瀬戸内の収容施設へと移った後に、此処は政府の重要な省庁たる交援省が設置が決定される。
その広さは、一つの町内を丸々買い入れた形で、交援省の官庁施設は設置されて居るのだ。
その中には、異世界国家の一つであるコヨミ皇国を含めた日本国と国交を希望する国々から派遣されて来た、各国の官僚職員達が、詰める外務連絡事務所が在るのだ。
この福岡市の施設は、何れは領事館と成る事が決められ、東京サミットが終れば日本国政府から東京都に大使館を用意して貰える事に成って居る。
その大使館には、各国外交官として、本国政府との連絡が断たれ、孤立してしまった国々が使用して居た、空き屋と成った大使館の中から、抽選会で選ばれた建物が丸々貰える事に成って居た。
因みにコヨミ皇国は、日本に先乗りして居た反帝国同盟諸国と中立諸国を含めた外交官達が参加した抽選会で、旧駐日本国大韓民国大使館を貰える事に成って居る。
本国政府と連絡が絶たれ、金銭的な待遇も無くなった地球系諸国は、徐々にその活動範囲を狭めて行き、最終的には、このアースティア世界に来てしまった自国民達の暮らしをサポートする事や自国文化を伝える団体へと、その組織の地位が降下して行く事に成って居る。
それに倣い、旧駐日本国大韓民国大使館も、5月末日で閉鎖と成った。
その後は日本各地の領事館も在日韓国人達の身の振り方の整理手続き完了が終ると、次々と閉鎖されて行く。
その後は70年程度は在日本国大韓民国民福祉法人財団と名称を名乗って、韓国人達のアースティア世界での暮らしをサポートする事や朝鮮半島文化を伝える団体へと組織の地位が降下して行く事に成って居る。
コヨミ皇国の日本国・東京サミット外交訪問使節団は、日本国・福岡市・博多港にコヨミ皇族一家を伴って、九州地方の玄関口である博多港国際ターミナルへと到着する。
コヨミ皇国使節団の先頭に立って現れたのは、少しやつれた感じの風貌で、背丈は170センチで、イケメンでは無い物の、パッとしない中年男性。
その隣には、サラサラとして肩まで生え伸びて居るロングストレートヘアー、身長170センチの背丈。
その身体付きは引き締まった筋肉を有しながらも、女性らしさを残しつつ、バストサイズは美乳クラスの90センチ程度。
温和そうな顔立ちだが、やや気の強い感じの眼つきをして居る。
その姿は紅葉が成長をしたら、こんな感じに年齢を重ねた老けた方をして居る女性に成るなと言った感じな、大人の女性で在ると言た。
声色は落ち着きの在る数多く女性を演じて居る事で有名な声優の能〇麻〇子さんと瓜二つの声と思える程に、そっくりな声色をしていた。
恐らくそれなりの年齢を超えて居ると思われ、少しだけ顔立ちに皺が出て居るが、それでもスタイルは少しも崩れては居なかった。
その力仁国皇の右後ろには、成人男性が二人居り、葛葉皇后の左側後ろには、年下の女の子が二人立って居る。
その成人男性の一人の顔立ちは、力仁国皇に似て居り、背が高く見た目は武骨者風で、その右側には、小柄な背丈に顔立ちは母親である葛葉よりの顔立ちをしていた。
その雰囲気は、とても落ち着きのある感じの男性が立って居た。
残る女の子の二人は、竜史より年下であった。
その内の1人は青い紐でポニーテールをして居る女の子と、短いが黄色い紐で短いツインテールをして居る女の子である。
そんな女の子達が、様々な目線で、竜史の事をまじまじと見つめて居た。
(くっ!!こんな奴がお姉様に選ばれ・・・・気に入られて居るなんてっ!!絶対にっ!!認めないっ!!)
(ぜっーたいにっ!!その中を引き裂いてやるわっ!!)とグッとキツイ眼つきで、睨み見て居り、特徴的な青い紐のポニーテールをして居る女の子。
(ふふーん。この人が、あたしのおにーさんに成る人なんだ~)
(えへへ、あたし、この人のこと、気に入っちゃたな。)
(何だか、おとーさんとお兄ちゃん達と同じような匂いがするもの。)と軽く舌舐めづりをするのは、ヘアースタイルが短く、黄色い紐で短いツインテールの女の子。
彼女は、如何やらコヨミ皇族家の星読みの巫女姫として血が騒ぐ様だ。
子孫を残すのならば、星読みの巫女の血を色濃く残せるのに便利な、気優しい性格を男の子種を取り込めと本能が囁いく様である。
「主上たる力仁国皇陛下、 葛葉皇后陛下。」
「そして、皇族御一家の方々及び政府首脳の方々、遠路はるばるご苦労と存じるでごわす。」
「在ニホン・コヨミ皇国・対日本国外務連絡事務所の所長を拝命し、所長を務める南西国藩士、南郷幸之助でごわす。」
「同じく副所長を務める南西国藩士、小久保仁蔵です。」
この二人は 南西国藩の次期藩主である嶋津鳴彬から、コヨミ皇国政府から通達された命令で、日本国へと向かうと九州地方の視察をしながら、在二ホン・コヨミ皇国・対日本国外務連絡事務所の管理者と成って居た。
どうせ管理者に成るなら見知った者が、所長と成る方が良いと、紅葉は人事が固まって居ない事を良い事に、顔見知りであり、南西国藩の役人としても良い働き振りとの評判が良い、南郷達を所長に推薦する。
この事に二人は、下級藩士が一足飛びで、上級藩士に匹敵するお役目を受ける事が、出来たと二人は大いに喜ぶ。
幼馴染同士で、とても仲が良かった二人は、何方が大事なお役目である所長に成るかを話し合うが、全く決まらずに居た。
其処で仕方なく紅葉の立会いの下で、所長職を公平に成る様にと、くじ引きで決めて、所長札を取ったのが南郷であったと言う訳だ。
「二人とも、役目ご苦労である。」と力仁国皇が、二人の労を労う。
「二人とも、この二ホンでは紅葉が迷惑を掛けては居ませんか?」と葛葉皇后が、娘である紅葉の無茶で破天荒な性格と自由気まま行動が、南郷と小久保の二人に迷惑を掛けては居ないのかと心配する。
「いいえ、いいえ、とんでもないでごわす。」
「姫様は、立派に我が国と二ホン国との間を取り持って下さいまする。」と二人は社交辞令的な事を言う。
まぁ、今の所は紅葉も、大人しくして居た。
面白いおもちゃ(竜史)も居る事だし、珍しい国に居るから、お転婆な性格も成りを出来るだけ潜めて居る様子であった。
「お久しぶりです。力仁国皇陛下。 葛葉皇后陛下。」と竜史も、交援省大臣として、コヨミ皇国・日本国・東京サミット外交訪問使節団を出迎える。
「チョッとっ!!お母様、私が何時、無茶苦茶をして居るって言うのよっ!!」と頬をむくれる紅葉。
「貴女が過去に仕出かした数々の前例を上げると、今回の事も、色々と小言を言いたく成るわよ。」
「まぁ、全ては星読みのお告げの儘にと言う事に成るけど、先に相談くらいは欲しかったわね。」と葛葉皇后は、娘に向かって愚痴る。
しかしながら、その娘が星読みのお告げの力で、とても素晴らしい未来を得た事を喜んで居たりする。
星読み又は星読みのお告げと呼ばれる能力とは、コヨミ皇国皇族の女系皇族にだけ遺伝する能力で有る。
コヨミ女性皇族の直系には、代々超能力的な力が備わっていて、一般の国民には星読みのお告げと呼ばれて居る。
皇族や力の知る臣下や皇族に近しい者達の間では、先読み力と呼んで居た。
その力とは、予知と読心能力である。
力の度合は天性の才で個々人よって違うが、直系だけは別格に強いとされて居る。
特に時々に黒い瞳が赤く染まる時、その力が強力に発揮される。
しかし、覚醒状態の力の扱いが未熟だと、意識が保てずに要る為、意識が飛んでしまって居る。
この力の厄介な所がもう一つ有るのだ。
それは皇女の家系は代々見合いや諸侯貴族から選ばれるのでは無く、皇女の力に由って選ばれた男子を婿に迎えて居ると言う事実である。
これは先読みの力を悪用されない為に、一族の血脈が本能的に無害無欲の男子を見つけさせて居ると言われて居る。
だだ、皇女に見初められた男子は、身分の例外なく結婚を無理やりさせられてしまうのであった。
独身や素行など、その他の問題も考慮された予知で選ばれるので、変な者をが選ばれる事は決して在り得ない。
皇女に見初められ、相手となる男が1人きりの所を狙って訪れた皇女は、子孫を残す為に男の寝込みを襲うと言われて居る。
この時の皇女自身は力のせいで覚醒率100%の状態となって居るので、正気を失っており、お相手の男は、その赤い目の眼力のせいも有ってか、抵抗すら出来ずに、そのまま皇女の魅惑に酔いしれたまま抱かれてしまうのである。
ぶっちゃけ言えば、出来ちゃった婚が多いのである。
「まぁまぁ、二人とも、此処で立ち話も何ですから、宿舎である福岡国際ホテルで、ゆっくりと話し合って下さい。」と竜史は言う。
「そうね。婿殿もそう仰っる事だし、あっ?そうそう。竜史さんには、ご紹介したい子達が居ますの。」
「えっ?!」と首を傾げる竜史。
(今、何か物凄く心に突き刺さる様で、意味深で不穏な言葉を聞いた気がするが・・・・・・・・・うん。聞き違いだろう。そうに違いない・・・・・・)と竜史は、葛葉皇后がポツリと呟いた意味深な一言を聞き違いと切って捨てしまった。
まさか・・・・・これが、その言葉が、その後の彼の人生を大きく左右して居る一言だとも知らずに・・・・・・・・・・・・・・・・
「二人とも、これからお世話に成るのです。ご挨拶なさい。」
一人の女の子が竜史をまじまじと見つめて居た。
「・・・・・・・・・」と母に言われると どキツイ眼つきで竜史を見つめながら、更に頬を剥れさせた女の子。
「こらっ!!清香っ!!」
「・・・・・・姉様の事は渡さないっ!!それとっ!!わたくしはっ!ぜっーたいにっ!!貴方の事をお兄様とは認めませんからねっ!!」
「あらあら、御免なさいね。気の強過ぎる性格の子で、真面目で融通が利かない子なんですが、打ち解ければ大変に良い子なんですよ。」葛葉皇后が、気の強い、二番目の娘をフォローするが、当の清香本人は頬を剥れさせて、プンプンに怒って居た。
「はぁ・・・・」と余りにも突然で意味不明な事を言われた事で、あっけらかんとしてしまう竜史。
「フンだっ!!」と更に機嫌を損ねたらしい。」
「この子は、暦清香 と言います。」
「別に覚えなくても結構ですっ!!ふんっ!!」
竜史はこう思った。「ああ、そう言うパターンの娘か、全く面倒な娘だなぁ~」と。
清香は、何を隠そう、お姉ちゃん大好きっ子である。
当然ながら、同じく姫様大好きの加藤絵美里とも、大の仲良しのでもある。
そんな訳で近頃、噂を耳にする姉の側で、ウロチョロする竜史の事を目の敵にして居た。
「こらっ!!清香っ!!」
「姉様・・・・・・」と紅葉に怒られた清香は、シュンとしてしまう。
「竜史、御免なさい。」
「この子は、特に私に懐いて居る妹なのよ。」
「何だか高見家への養子の話が在ってからと言う物。貴方の事を毛嫌いして居るって、聞いては居たけれど、まさか・・・・・此処までとはね。」
「竜史くん、済まないな。普段はここまで頑な態度を取らないのだが、昨日、養女の事を話してからは、急に機嫌が悪くてね。」と娘の無礼に関して、力仁国皇からも謝罪の言葉を言う。
「はい?」と国皇と皇女の二人から、何やら聞いた事が無い言葉を聞かされ、竜史は首を傾げる。
「今は何て言いましたか?」
「清香が機嫌が悪いって。」
「いやいやいやいやっ!!それよりも最も前ですってっ!!」
「ああ、養子の事?」
「はい、初耳なんですけどっ!!って言うか、何で家(高見家)なんかに、養子に来るんですかっ!!」
「何だ、竜史君は聞いて居なかった様だな。」
「実は其処に居る娘二人を日本で面倒を見る形で、保護して欲しいのだ。」
「日本へ?それは何でですか?もしかして、留学を名目にした疎開ですか?」
「それなら別の担当者に頼んだ方が、早いと思いますし、事務手続きだけても構わないと思いますよ。」
力仁の表情が少しばかり硬くなったようだった。
「いいや、違うのだ。留学では無い。」
「高見家へ養子に出したいのだ。つまり、君の家に養女として、迎えて貰う話に成って居る。」
その事を聞いた竜史は一瞬だけ、ポカンとした顔つきで、キョトンと目が点となって呆然となり、お約束の叫びを上げた。
「え、えっ、え、え、えええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっっっっ!!!!」
それは、それは、大きな叫び声だったと言う。




