9話 出会い 1
アースティア暦 1000年・西暦2030年・4月4日・午前10時00分頃・日本国・東シナ海近・コヨミ皇国・南西国藩領及びローラーナ帝国領・シャッポロ州・龍雲海沖近海にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この日の午前9時頃、海上保安庁の巡視船やしま以下、巡視船7隻が到着し、海自護衛艦隊と合流した。
海上自衛隊のあさくら号救援派遣艦隊は、帝国とコヨミ皇国の両帆船の曳航を開始する。
諏訪部外務大臣の命を受けた外務省官僚である藤原敬二は、東京から部下を引き連れて、急ぎ新幹線で福岡市まで行き、空自基地で待機して居た海自の哨戒ヘリコプターで、同派遣艦隊と合流を目指して居た巡視船団に乗り込んだのであった。
彼が命じられて居たのは、帝国海軍を名乗る武装勢力との戦後処理と半島国家及びこの世界の情勢を聞き出す事だった。
おおよその各陣営と世界事情に付いての情報に関して、聞き出して居るが、詳しい事を知るには、日本政府の関係者が直接聞きに行くしかない。
帝国艦隊の生き残り戦艦とコヨミ皇国の水軍船は、護衛艦と巡視船、それにシードラゴンに曳航されながら、その一路を福岡市へと向うのであった。
アースティア暦 1000年・西暦2030年・4月4日・午後10時05分頃・日本国・東シナ海近・コヨミ皇国・南西国藩領及びローラーナ帝国領・シャッポロ州・龍雲海沖近海・ヘリコプター搭載型護衛艦いせにて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
外務省は、いせの士官室を会談場所に指定し、今回の海戦の主な関係者を集めたのである。
前日の戦闘後に行われた際の事情聴取の様な形式では無く、本格的な会談である。
この会談には、帝国のアディーレ・グレッサとミルディーナ・ネービィーナとコヨミ皇国の暦紅葉。
それに紅葉の近衛隊からは加藤絵美里と言った上官と従者が出席していた。
嶋津義隆はコヨミ水軍と自領藩水軍の航行の指揮を執って居る都合で、此処には参加しては居なかった。
「初めまして異世界の方々、日本国・外務省から派遣されました藤原敬二と言います。」
藤原の挨拶に、その場に居る異世界人達らが一礼を受ける。
「先ずは、この場に居る両国の皆さん申し上げて置きますが、これは講和交渉や国交交渉を話し合う場では有りません。」
「日本国政府が、この世界に付いての情報を聞き出す為に設けた席で在る事や、公平な情報収集を我々が求めての事なのです。」
「両国の事情を公平に聞きだし、対応をする為に本海戦に関わった両国の方々に、詳しいお話を聞きしたい。」
「わたし達、コヨミ皇国の事情から話してしまうのも上手くないわ。」
「はい、姫様。此処は帝国のアディーレ殿から、ニホンの方々に世界情勢をご説明され方が宜しいかと思います。」
「それは何故でしょう?」
藤原が疑問を聞いて来た。
「まぁ、こう言うのもお恥ずかしいのですが、この世界の6割以上は帝国勢力なので、反帝国勢力にして、負けが込んで居る側の主張を先に聞いても、色々と話が上手くないと思います。」
「負けている側の言い訳と言われたり、そう聞えたりされるのが、お嫌と言う事なのでしょうか?」
「有体に言えば、そうですね。それにもう一つだけ、理由が有ります。」
今度はアディーレが発言を始めた。
「皇女殿下、それは600年前の開戦の理由の事ですか?」
「それも有ります。まぁ、それが一番の理由に成るでしょうね。」
「我々には、何を言って居るのが益々分からない。」
「藤原殿、簡潔に言えば、我が帝国が開戦当初の近隣諸国への宣戦布告の理由が未だに不明で、謎なのですよ。」
「宣戦布告が謎?」
「はい。どんな歴史書でも公文書でも残るはずの帝国の周辺国への突然の侵攻。」
「帝国がユールッハ地方の一小国であった頃、ローラーナ王国と呼ばれた時代。」
「英雄王と呼ばれ、我が国の初代国王にして、後の初代皇帝と呼ばれているギルバート・メリッシュ・ローラーナ。」
「彼の中盤から後半生の人生に付いては謎が多く。突如として狂気に満ちた性格となり、共に戦った筈の戦友や友好国ですら敵に回してしまいます。」
「そして、彼は全世界を統一を掲げて戦端を開いたのです。」
「更に600年前に何が起きたのかすら、今では忘れ去られ、記録すら無い始末。」
「今では彼の後を継いだ歴代の皇帝は、如何なる人物でも性格が豹変するらしく。」
「進んで皇帝の座に就きたがるのは、覇権主義に染まった皇族だけと成って居るのですよ。」
「アディーレ殿。貴女は、まともに歴史を学んで居るようですね。疑って済まない事をした。」
紅葉が謝罪をして頭を下げて来る。
「いえ・・・・ですが皇女殿下。只、私は学んだ事を申し上げて居るだけです。」
「ですが、帝国の中には、妄信的な覇権主義者や世界統一主義者に、自己保身と出世にしか興味を持たない者らが多いせいで、善政を敷く人物は地方へと飛ばされるのが当たり前に成って居ます。」
「人が良い者の出世は、精々地方や辺境の侯爵位か軍司令官に地方長官、市長、州長官などの帝国本国から遠く離れた僻地な地域に配置されるだけでしょう。」
「私からは以上です。帝国の臣民である手前、国家の機密に関して余り多く事を外国には言えませんので、この辺りでこの手の話に付いては、ご勘弁を願います。」
「それに私の様な者は、元々下っ端の役人兼軍人であり、地方領主に過ぎないので、余り多くの国事に関わる機密に関わって居ないので、話せない、知らないと言うが本音なのでずが・・・・・・」
「その他のこの世界の付いての帝国とは別の視点や情勢や地理に関しては、コヨミ皇国の方々からのご説明でも十分でしょう。」
「分かりました。」
アディーレの大まかな説明を聞き終わる藤原。
続いて紅葉が世界情勢と地理に付いて版画で印刷されて居る地図を指差しながら説明をして行く。
「先ずは、此処から直ぐ西に在る世界最大の大陸、ユーラシナ大陸があるの。」
「そして、その大陸の遥か西方に地域。ユールッハ地方に通称帝国と呼ばれる国。ローラーナ帝国が在るわ。」
「その帝国が盟主を務める同盟の名が西方バルバッサ帝国同盟。その構成国家は次の通りよ。」
「ローラーナ帝国、オムジネ―ル帝国、べムジャール帝国、べズーラ公国、ペールジャ王国、カレールーナ帝国、ガルマニア皇国」
「タリアナ都市国家連合国、パリランカ海洋王国、バジリアナ王国、ドラグナー皇国、ムゾリナ公国、シオン公国、ペリソナ首長連合国。」
「バルゾナ王国、サカドラ国等の同盟国・属国、属領、殖民地等を合わせると120以上に成りますね。」
「帝国は、この世界の凡そ5割5分を勢力支配をして居ます。」
「そして、帝国と対立国をして居る地域は、アセリナ王国を中心としたシベリナ地方王国連合同盟です。」
「通称名シベリナ連合は、アセリナ王国、アルガス公国、ラクロアナ王国、ダバード・ロード王国。」
「コヨミ皇国、ドラグリア白龍大帝国、オローシャ帝国の7カ国からなる同盟連合で、両勢力の均衡と言うのは、元々はユーラシナ大陸を二分するほどの勢力で在りました。」
「所が帝国との戦争政策の違いから、幾つかの勢力に分かれたり、滅ぼされたり、中立を取ったりして分散してしまって居るのよね。」
「今の同盟の形は、今から250年くらい前に締結完成されたわ。」
「また、ローラーナ帝国の北と西の一部には、未だに抵抗を続けて居るリユッセル北欧同盟がある。」
「大陸西方の海に浮ぶ島国のアルビオン王国を中心にして、ガリア帝国、ヒスパニア皇国、オーランタ商業都市連合国。」
「デボン王国、コーランド王国、スカジナビア王国、ホムル王国、レイオス皇国が600年もの長きに渡り頑強に抵抗し続けて居るわ。」
「帝国は自国の南部と西方の国々を次々と制圧したり、従属させたり、従属式同盟を組んだりして、今も勢力を伸ばし続けて居るわ。」
「このままではリユッセル北欧同盟は、ジリ貧状態が続き、後百年しか持たないと囁かれて居るのよ。」
「次にシベリナ連合から南方には、ミンフィル王国東南諸国同盟の勢力が在るわ。」
「此処は西方バルバッサ帝国同盟の東南戦線の最前線の国家であるカレールーナ帝国が、帝国から侵攻制圧を任せると約束されたレノア地方と呼ばれる地域が在るわ。」
「この地方も長い間、西と東に分かれて戦争が続けられて居たの。」
「其処へムジャール帝国、ペールジャ王国がカレールーナ帝国を支援する形で参入し始めたわ。」
「そこへ東南諸国の筆頭であるミンフィル王国が小国の寄り合い同盟を作って対抗して以来、膠着状態が続いて居るわね。」
「最後に南西に位置する所に中立大国が有るわ。」
「エルフの大国であるアルブヘイム王国を中心としたアセニア亜人連合同盟と言って、この地域は所謂のエルフ・ドワーフ・獣人・人魚・龍人等と言った、人に近い姿をした亜人族国家の集まりよ。」
「それ等は種族事に国家を持って居るの。」
「中には諸島の国土と海底洞窟に都市を作って居る人魚族や浮き島に都市を築いて居る翼人族や竜人族も居る変わった地域でも在るのよ。」
アルブヘイム王国は、ユグドラシル大陸を治めるエルフ王国で、とても気難しいとされて居る種族だ。
エルフの世界に分散して住み着いて居る亜人族で、住んで居る地域事に文化や生活様式に風習も姿も違う種族である。
エルフ族は、複数の部族と王侯部族が居て、多数の政体を持った国家が現存する。
寿命は数千年と言われて居るが、事故に病気や戦災で命を落とす事も有るので、実際の最高寿命に付いては、誰にも分からないし、エルフ族達も知らないから、正確な記録も無い。
ダークエルフ族・シルフエルフ族、イフリートエルフ族、ウンディーネエルフ族、ノームエルフ族等と種族多岐に渡る。
この世界で一般的にエルフ族と認識されて居る代表格はシルフエルフ族と言われて居る。
他にもマーメリア海洋王国 人魚又はマーメイドと呼称される人魚族が暮らす国家。
日本から東へ3千キロ付近に点在する3千もの群島に列島諸島と海底洞窟等を利用して国家を築いて居る。
人魚族と言うのは、世界中の海底に居住区が在るらしい。
名産品は海産物や珊瑚に真珠等の装飾品や塩と貝殻を加工して作った粉を売って居る。
特に貝殻は肥料等に用いられるので、地上との取り引きは頻繁に行われて居る事が多い。
だが、女性が多い種族性のせいか、愛玩具奴隷として人攫いに会う同胞も多く居て、人魚は奴隷市場で高値が付くらしい。
マーメイド族
人魚またはマーメイドと呼ばれている亜人間種族の総称。
主に女性主体の種族で、男性が生まれて来るのは稀である為に、他種族男と交配する事で繁栄して居る。
この世界に来て新たに出きた人類学部である高等知的人類種族学の分類では他種卵子依存交配人類に分類される。
他にもラミア族等の女性主体の亜人間族らが、この分類に当たるらしい。
海中で尾鰭と鰓呼吸と水かきで行動し、陸上では二足歩行と肺呼吸で活動して居るが、皮膚の水分を保つ意味で定期的な水浴びかお風呂等がが欠かせない。
これを怠ると皮膚が乾いてカサカサと成り痒みが露に成って爛れてしまい、最後には皮膚病が蔓延してしまう事態と成るので、尾ひれと足のケアが欠かせないのだと言う。
平均寿命が300歳から500歳の間と言われて、やや長命らしい。
短命主相手だと結婚が3回するのが当たり前で、性格がオープンで大らかなな性格で海に生きる女性で、素っ裸で人前を歩くのに気にしないほど羞恥心が無いらしい。
人魚族と一緒に暮らして居る他種族の男性は、エロ本や他種族の裸で興奮出来なく成ると言われて居るほどに、見慣れてしまう事を残願ってしまう贅沢な悩みを抱えてしまう事に成る。
何せ多重婚が当たり前な種部民族社会だからだ。
それは何故かと言うとだ、人魚族の女性の一人と結婚すると最低一人目を合わせて3人は付いて来る。
姉妹・親戚・知人に友人、オマケに母娘って場合も有る。
特に母親が未亡人だった場合は、特に注意が必要だと言われて居る。
確実に母娘二人で、尻に敷かれるからだ。
ドワーフ部族連合国
ロックアイランド亜大陸に住まうドワーフ族の連合国で、主に鉱山を開拓して様々な工業製品を売り出して居る国。
山脈地帯と盆地地帯や地下洞窟に住みながら、工廠商会を中心とした職人社会で、鉱山から取れた地下資源の鉱物を用いた加工品や鉱物素材を輸出する事で経済を支えている国。
ドワーフ族
平均寿命が300歳前後で、身長が145センチから160センチ前後と小柄な背丈とドップリとし体型に筋肉質な身体つきである。
とても勇敢で強靭なパワーと手先が器用な事で知られて居て、主に鉱山と併設された都市や地下都市を築いて暮らして居る。
彼らの鍛冶工房等で、作られている工業製品は、成果でも指折りの一級品と言われて居る。
ジャパリンランド獣人部族連合国
獣人族が住まうと言うジャパリランド大陸で、各部族が平和に暮らし居る言われて居る獣人族の連合国。
殆んど他の部族が足を踏み入れて居ない土地で、物好きが探検した書物くらいしか文献でか彼の国の諸情勢を知る事は出来ない。
だが一つだけ注意する事が有ると言われて居る。
それは彼の土地から帰った者達は、何故だかケモナーとか言う精神の病に掛かると言われて居る。
獣人族
様々な獣の容姿を持った半人の亜人間の総称で、人型タイプと獣人型タイプが居るが、何方も同じ獣人族である。
種族や部族によって差異が有り、様々な特徴が有るらしい。
ブリリアイランドキングダム王国 王都・メイプル市 居城・メイプルランド城
アセニア亜人連合同盟内に在る最も東の果てに在るメイプルシロップランド大陸と言う地域内に、多種多様な妖精族達が暮らして居る多種多民族王制国家のこと。
その陣容は多彩で、ヒト型タイプから獣人・無機物・植物等々と言った感じに、これと言った法則のない変わった進化を遂げた種族である。
妖精魔法と言う人間族・亜人族達が扱う魔法とはチョッとだけ違う変な魔法を扱う事で有名な所で在る。
現在は妖精人族ウィステリア王家の正統血筋たるラティファ・ウィステリアが成人した姿と成るまでアーシェ・カムルン・アーカーイム宰相が政務を取り仕切って居る。
妖精人族
人間族に近い姿をして居る妖精族の亜種型種族の事で、人間族とそっくりそのままの姿をして居るが、成長するのが個々人によって差が在り、寿命も同じく長いが個体によってバラバラと成って居る。
その殆んどが国を持たない地域で、人間族や他の亜人族らに紛れて暮らしており、その正体がバレる前に違う地域に移動する生活を送って居る。
妖精族
妖精族とはエルフ族とは進化の過程で枝分かれした別種の亜人種族の事である。だが、エルフのとの違いは、彼らの暮らしがとても人に近い生活圏や独特な地域に分布して居る事に有る。
例えば人の暮らしに紛れたり、、ひれとは反対に人里から離れて暮らしたりと住む場所を進んで選べるのが特徴的と言える。
種族としての特徴的な部分を置きく分けると、羽有り族と羽無し族に小人族の3つに別れて居る。
羽有り族と羽無し族は単に羽が有るか無いかの違いで、世界中に妖精族が広まる過程で、羽が居るか要らないかと進化を選んだ事に過ぎない。
小人妖精族は、所謂手のひらサイズの妖精族達の事で、此方もそれぞれ好みの地域で暮らしたりして居るので山野や町中等で稀に旅人が見かける報告がなされて居る。
別名は雑多な種族と言われるが、自然環境や生活環境の汚染に敏感と言われ、彼らが暮らし難いと感じると、あっと言う間に、それまで暮らして居た土地を放り出して何処かへと消えて行く。
一説の報告では、彼らは半年間で国を立ち上げ、人間の国と交易で栄えたが、その20年後には、妖精族との交易目的で滞在中の人間達が、どうしても出てしまう日常生活から出された廃棄物の処理が追いつかないくなり、大量の汚染物質とゴミで町が溢れると、一夜にして国が崩壊したという記録が有ると言う。
小人妖精族
別名はリトルフェアリーと呼ばれる羽根つきの小妖精のこと、地域によって姿格好が違い、女王制の女系種族で種族種類の7割が女性タイプ。
平均寿命が200年から250年程度と言われているが、はっきりとした記述が無いので分からない。
女系タイプの種族は渡り飛行をして気に入って地域に降り立つと繁殖活動の為に、人間と同じ様な等身大の背丈と変身し、羽すらも隠して町中で暮らしたり人里に近い地域で男を誘い命を繋ぐ為に子作りに励む。
ギガンテス連邦国 首都 プロトカルチャックシティ
ユグドラシル大陸から南東270キロの地点にあるファンタジー系の巨人族とSF系の巨人族達の連合国で、その歴史は巨人戦争時に転異して来たSF系の巨人族達が、この世界に住まう在来巨人種族と同化して暮らし始めたのが始まり。
ガテン系ボディビルダ―の様な肉体美を持った爽やかな感じの人達で、ダンベル何キロ持てる?とか、思わずナイスバルクと言ってしまうかも知れない。
総人口は一千万人。
ギガンテス亜大陸
ユグドラシル大陸から南東270キロの地点にある巨人族達が暮らす亜大陸。その殆んどが草原と山脈地帯が多い。
巨人戦争の名残りで、巨大な宇宙戦艦が今も多数稼働状態に在るが、燃料不足で飛べず、今は便利な家電製品扱い兼居住スペースとして使われている。
ゼントラーメルート巨人族
宇宙生活に適応する為に、とある世界の宇宙文明で、生体品種改造した人間族の成れの果てで、長い年月が経つに連れて、本来何の目的で巨人化したのたのかすら忘れてしまっい、戦争することしか出来なく成ってしまった巨人族のこと。
巨人戦争時に、リトルリアンとゼントラーメルート巨人族達が呼んで居たアースティア世界の人々と戦い、和解する事で戦うこと以外の活動を知る事が出来た。
某巨大要塞型宇宙戦艦が登場するSFアニメの宇宙人の様に、この世界の巨人族達は、ゼントラーメルート巨人族の技術力で人間体サイズへと変身が出来るらしい。
今は似たような見た目を持つギガンテス族と共生しながら静かに暮らしている。
平均身長18メートルから22メートル。
ギガンテス族
アースティア世界に古くから暮らしている巨人型の亜人族で、その巨体ゆえに、同種同士でしか繫殖交配できない珍しい亜人族。
だが、巨人戦争時に出会って戦い合ったゼントラーメルート巨人族との出会いで、その技術力を用いる事で人間体サイズへと変身が出来るようになった。
今現在の同種族は、静かに仲良く暮らして居る
平均身長18メートルから22メートル。
リトルリアン
ゼントラーメルート巨人族達からみた通常サイズのヒト族達の総称。
祖先の姿をしている意味もある。
ホビット族
手先が器用な農耕種族で 身長が150センチ程度の小柄な亜人族の人々。
これといった能力は高くないが、同胞達の中には、何故か英雄伝説に登場する英傑と共に戦うトラブルに巻きまれる事が在るらしい。
翼人族
アセリア族を含めた翼を持った亜人族で、飛行能力を始め、魔法や身体能力に優れている亜人族の総称。
因みに翼人族中で、アセリア族だけが中二病である。
「って具合かしらね。」
「色々と居そうな地方ですね。我が国の国民が聞いたら、是非観光して見たいと言うかも知れません。」
「まぁ、今しがた言ったのは、ざっくり大まかな種族の説明ね。」
「他にも少数種族の部族なんかも散らばって暮らして居るから、全部見て回るのに大変な労力が居るわ。」
「それにとても気難しい人々も多い土地だから、国交を開くには必ず誰かに仲介をして貰う必要が有るのよ。」
「それ以外に方法が有るとするならば、何か貸しを作る様な出来事が有れば、ある程度の要求は通ると思うわよ。」
「何せ、彼らは変な所で義理堅い人達なのよ。」
「勢力規模は、世界で約三番目に大きい人口を持つ地域なのね。」
「でも基本、人口の多いだけの中立地域国家だから、戦争関係の話を嫌って居るわ。」
「特に人口が減るのを気にして居るの。」
「単一種族な上に、繁殖能力に癖が多いのも関係して居るわね。」
「例えに上げるならば、人魚は女性9割を越えて居るとかで、繁殖相手の男を求めて渡りをして居るとかね。」
「その辺の話は興味が有るのなら、国元に使いを出して置くから、後で資料を渡して上げましょうか?」
「はい、是非ともお願いします。」
「亜人族は我が国でも、とある理由で大変に人気が有りますしね。」
「それに地球では、昔話や創作の中でしかない人種ですし、我々は大まかな伝承創作の言い伝えの話でしか、亜人の人達の事を知りません。」
「是非、その手の資料を提供して頂けれる事は、我が国としても、大変に有り難い事と思います。」
「他に何か知りたい事はありませんか?」
「いいえ、時間もそろそろ丁度良い頃合いです。」
「今日はこの辺でお開きにして、後日、また日本での会合で今し方聞いた事とその他に何か聞きたい事を整理してから、改めてお聞きしたいと思います。」
「それでは皆さん、ご昼食をご用意しました。」
「間も無く到着しますので、その場にお待ちください。」
藤原と外務省の官僚らは席を立って士官室を後にした。
程なくして海自の自慢のカレーが振舞われた。
食べ方を知らない彼女達は、茶色いソース風スープを見てギョッとして居たが、一口食べると目の色を変えて、カレーを頬張って食べて居た。
「何これ?!美味しいっ!」
「姫様っ!はしたないですよっ!!」
「絵美里の方こそっ!!口の周りが茶色いスープたらけよっ!!!」
「姫様だってっ!!」
そんな二人は、揃ってお代わりをする始末。
「うーん、これは軍事食に向いて居るかも。」
「閣下、この様な食事を敵国の者にまで振舞う日本は何者なのでしょう?」
「それは分からんっ!」
「外務官僚の藤原殿が言うには、我々を奴隷や身代金目的の材料にはしないとも言って居た。」
「奴隷制度や借金の肩代わりに、人を連れ去る事も娼婦にする事すら無いらしい。」
「ですが・・・国許には、何時ごろ帰えれるかは分からないとも言って居ましたし・・・・・・」
「それは二ホン国が異世界から現れた国だと言う事や我が帝国との外交ルートが無いせいだ。」
「だから私は、本国からの迎えはや帰国に付いては、当面の間は無いだろうと考えて居る。」
「我が帝国の上層部は、負け戦の将兵の捜索など滅多にしませんからね。」
「それもある。」
「それに面子が有る事情も有るが、日本と言う国が、どの様な国家で有るかが判明すれば、帰国への道筋に我らが協力できる面も有るだろう。」
「長い道筋に成りそうですね。」
「しかし、捕虜待遇の面で心配が無いのは有り難い。」
「我々からすれば、やり過ぎと言う感も否めないが、コヨミ皇国もシベリナ連合も捕虜待遇も我がより良いと聞くが、犯罪者を扱うのと然程変わらない筈だ。」
「私達は捕虜の身で有りながら未知の国家に行く事は、私達に取っても何かを得られる物に成るかも知れないからな。」
「はい。」
未知の異界国家日本。
その全貌を目にするまでの間、色々な事を2カ国の4人は話し合ってい行くのである。