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異世界の国々が驚いた異界国家日本は本当にすごーいデス~ネ。  作者: 伊達教宗
第15章 動き出す異世界国家達と日本国と亜人特別地域の動き 1
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外伝17話 新世界日本風土記 亜人部族自治区法案成立編

 アースティア暦 1000年・西暦2030年・5月10日・午後14時35分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・地球海洋諸国連合同盟勢力圏・日本列島・日本国・日本国首都・東京都・千代田区・永田町・一丁目・国会議事堂・参議院議会場にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 日本が異世界に転移してから一月が経過し、5月に成って発生した珍事件。


 いや、その少し前に沖ノ鳥島での出来事が、日本政府へと伝わった時点で、既に分かって居た事なのだが、日本政府はこの際、国民に対して広く、この事態を発表をする事にしたのである。


  転移災害の影響で、日本本土との連絡が取り難い状況下に在った沖ノ鳥島の沖ノ鳥島海洋気象観測所は、彼の地に転移した北小島と東小島の二等は、オオエ島諸島と合体してしまう事になった。


 しかも海洋気象観測所は、北小島と東小島と共に大小40の島々が連なって形成されて居るオオエ島諸島と言う島の最高峰であるオオエノ山の山頂へと転移してしまい、その互いの島々が合体してしまった。



 幸いな事に、沖ノ鳥島が岩礁島だった事と建物が、近場の岩礁地帯に観測所一棟しか無かった為に、転移災害による大きな被災は無かった。


 其処はハイ・オーガ族と言う2メートル50センチから3メートルくらいの大柄な種族で、とても大らかで大人しい性格をしている種族。


 日本風に言うのなら大鬼族と言うべき存在であった。


 オーガとはゴブリンとオーク、サイクロプスと並ぶ鬼型の分類される事も有る亜人または魔族に類するとファンタジー世界作品では、様々な分類で解釈されて居る種族。


 この世界のハイ・オーガ族は、屈強な身体とパワー自慢では有るが、ちゃんと勉学を教えれば人間と変わらないし、世界各地に隠れる様にして暮らしている為か、争いごとに巻き込まれずに居る部族が多いらしいとの話だった。



 日本国は発見したオオエ諸島のハイ・オーガ族の事をオオエ族と呼称し、沖ノ鳥島観測所の職員を中心として、友好的な交流と現地調査を始めた。


 幸いな事に簡単な免疫抗体検査を含めた検査をオオエ族に対して行った所、お互いに特に問題なしと言う事が判明し、日本としても感染症によるパンデミックの発生が起きずに済んだ事に胸を撫で下ろしてたのだった。


 これは南洋に広がる日本国領内と接触問題と成って居る亜人種族居住地域領に住まう部族全体にも、同じ調査を行った際の検査結果も同様の結果であった。



 まぁ、後はガラパゴス諸島の自然保護と同様の処置さえすれば、亜人種族居住地域領付近の自然の保護と、当然ながら文化風習形態の保護をする事で、相手側に不都合が生じる事は少ない筈である。


 此処で、その他の亜人種族居住地域に関する事柄に付いても、幾つか触れて置く。


 南鳥島付近には、妖精族の居住地域が発見されたコロロッポ諸島島と言う35もの島々からなる諸島を発見した。


 発見した時の状況はと言うと、現地の海自隊員や気象庁等から成る駐在員から、転移災害直後に、辺り一帯を見回した際に見慣れぬ島々を発見したの報告で、その存在が公と成ったのだった。



 その姿格好に付いても、青髪で背丈が155センチから160センチ程度の小柄な種部族であるとして、交援省へと報告された。


 また、少数ながらも海獣系統の海獣人族と海獣妖精族達らが、少数の規模ながらも、同地方に群生地を形成しながら暮らして居ると事であった。


 日本国は、これらの亜人族の総称をコロロッポ族と名付けて、引き続き交流をして行く事を計画して居た。


 妖精族とは二種類ほどに別れた種族で、その二種族から更に多数の種族に枝分かれをして、進化して行った亜人種族でも有る。


 その二種族とは、フェアリー族種とリトルフェアリー族種である。


 詳しく分けると人間と然程変わらない背丈と容姿をして居るのが、フェアリー族種。


 手のひらサイズ、又は人形くらいの背丈で主に蝶の翼と良く似た羽で飛び回る種がリトルフェアリー族種である。


 進化の系統上では、リトルフェアリー族種が古い種で有り、其処から様々な地域へと進出して行った系統が、フェアリー族種と言う訳である。


 また妖精族には有羽種と無羽族種、退化羽種等に別たり、中には現存する様々な生物に近い姿を持って居たり、人に近い姿をして居たりと、その分類が数多有るので、これと言った決まりが無い亜人種族達でも有るのだ。


 エルフも妖精種とも言われるが、何処から枝分かれしたのかもハッキリしないが、近い親族種で更に枝分かれした若い種であり、羽無し妖精種に属して居る部類と思われる。



 沖縄県の大東諸島地方では、お隣近所に狼や狐から成る犬系獣人族のワーウルフン諸島を発見。


 日本政府と沖縄県から視察団を派遣して現地調査を始め、交流を開始する。


 後にこの島の獣人族達は、総纏めで大神族と呼称されて行く事に成る。


 まぁ、これに関しては適当過ぎる種族名であるとは思うが、イヌ科系統の獣人族達が居るからで、どれか一種の名前で呼ぶと失礼に当たるかもとの配慮からこの名が付いたのであった。


 そして、最後はサクラ・マーメリーア部族が、暮らすサクラ諸島。


 サクラ諸島は、サクラ・マーメリーア部族が自治統治して居る部族集落で、マーメリア海洋王国の領海から西へ300キロの海上に浮かぶ島諸島地域で、海底洞窟と繋がる100の島々から成る大陸から離れた群島の島々であった。



 マーメイド族の宗主国であるマーメリア海洋王国とは交流が有るが、直接的な統治下に無い島々なので、彼女達の立場は完全に独立した部族でしかない。



 今の所、日本国領海内で発見された亜人種族居住地域も同様で、アースティア大戦の長い影響や古代大戦の影響から、大きな大陸から逃げ延びたり、移住を目的としてアセニア亜人連合同盟の地域を目指した結果であると見られて居る。


 また、その他の理由として、海上で迷った部族の先祖が偶々居住可能な島へと辿り着いたと言うのが、群島の島々の行き着いた彼らの事の顛末と見られて居た。


 特にこれ等の地域は、コヨミ皇国やシベリナ連合各国から流れ着いた大陸人から伝えられた技術や文化が色濃く残って居て、それらの痕跡を証明が出きる漂流者達の墓も発見されて居た。


 後日、これらの事実は、シベリナ連合各国へと伝えられ、行方不明者の子孫の家々が同地の島々へと訪れた際に、慰霊祭が日本国の取り成しで行われる事と成った。



 問題なのは此処からだった。


 それは新発見した亜人種族地域の全てが、何処の国でも無く、日本国の領有権が無い土地であり、更に国家や準国家を名乗らず、名乗る気も無い地域をこのままにして置くと、何れはローラーナ帝国が、勝手に領有権を主張する可能性が出て来て居た。


 何れは太平洋に浮かぶ日本国領と連なる亜人種族地域の島々の存在が世の明るみに成れば、防衛戦力が無いに等しいこれ等の地域は、ローラーナ帝国との新たな係争地帯と成るかも知れないと考えられた。



 特にローラーナ帝国の独立外征艦隊は、あちこちに出没すると言うのだから、この様な無防備な所に現れれば、非常に厄介な事に成るとも言えた。


 其処で日本国政府は、南洋亜人種族居住地域地帯のそれぞれの長達と現地在住の住人達を対象にした、聞き取り調査を行った。


 その聞き取り調査とは、独立国家を立ち上げたり、又は独立自治地域として日本国の保護下に成る。


 それとも直轄統治を目的とした、日本国の地方自治体の県として日本国の執政下に入るかをアンケート形式で調査した。


 勿論、現在の世界情勢をキチンと説明した上で、各部族に決断を迫った。


 そして、彼らに取っての初めての民主主義的な住人投票をも行った。


 文字が読めない、書けなれば、手形の判で〇×形式の投票用紙に意思表明し、日本国の選挙管理委員会と地球系人による選挙監視委員会の管理の下で賛成か反対を書かれた投票箱へと投票する様にしたのである。


 住人投票の投票率100パーセントで、その投票結果は、それぞれの地域が日本国の地方自治体とした県と成って、日本の執政下に入る事を選ぶ事と成った。



 そうなれば、日本国政府の対応も素早く成ると言う物。


 瞬く間に交援省を中心にして、南洋亜人種族居住地域地帯・日本国への編入法案と南洋地域市町村区の都県所管区変更法案が国会に提出されたのだった。


 衆議院で賛成多数で法案は可決され、今日の参議院で法案が可決されば、南洋亜人種族居住地域地帯が日本国領と成り、小笠原諸島と大東島諸島等の島々は、東京都と沖縄県から独立した県として、近隣の亜人種族地域と共に、4つの新しい県として新たに出発する事と成る予定だ。


 その法案の参議院での最後の審議が日本国民の注目される中で行われて居た。



「それでは、此れより採決を致します。」


「南洋亜人種族居住地域地帯・日本国編入法案と南洋地域市町村区の都県所管区変更法案に付いて、賛成の方はご起立ください。」


 与党政権の自由国民党(自国党)と連立政党の公明民権党(公民党)に加え、中立政党の日本一新党(日新党)が賛成を表明する。


 これ等の政党は、安全保障の観点と日本固有の領土が南洋亜人種族居住地域地帯と密接に接続して居る事で、ローラーナ帝国に狙われる恐れが有る事から、現島民部族の要望を踏まえ、更にはしっかりとした住民説明会を行って居る事も国営放送のJHKと、その他の民放テレビ局の取材からも、明らかに成って居る事から、同議題には賛成すべきとして居た。


 一方の反対派である野党は、あくまで与党政権に対する政策的な部分と真っ向から違う提案で反対をし、与党政権とは違った形での政策を推し進めて行く姿勢を国民にアピールする事で、次回の選挙で政権を勝ちを得るべく法案に反対をして来て居た。


 反対理由として、ローラーナ帝国とは対話を通じて講和政策と融和政策外交を図り、この世界の国々や南洋亜人種族居住地域地帯の独立部族の地域とは距離を置いて交流をすれば良いし、出入国に関しても厳正なる管理の下で渡航を認めれば良いとするべきだとした。


 また、南洋亜人種族居住地域地帯は、無理に日本国領とするべきでは無く、今回の住人投票も現政権に由る現地住民を誘導洗脳した形での強引なやり方による日本国への編入政策で有り、悪く言えば植民地支配や保護国領を半ば強引に日本国内へと、国土編入した様な物だと、声を大にして国民に向かって高らかに叫んで居た。


 その様なやり方は、民主主義国家としては、到底認められる事では無く、即時に現地域を独立した国家として認め、その支援と賠償保障するべきで有るとまで、言い放って居る。


「法案は賛成多数で可決。よって本法案は可決されました。」


 安元総理が、賛成派に拍手喝采の中で、お辞儀をして居た姿が、テレビカメラに映る。


 この姿は日本国に取って、新しい社会の始まりだと言う印象を国民に植え付け、後世では歴史を変えた大きな決断だったとされて居た。


 こうして与党の議長が議決されたと述べた事で、南洋亜人種族居住地域地帯・日本国への編入法案と南洋地域市町村区の都県所管区変更法案は、正式に可決されたのだった。



「法案反対いいいぃぃぃーーーーーっ!!」


「こんな強引なやり方を認めるなあああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!!」


「そうだっ!!そうだっ!!」


「日本国を再びっ!!植民地支配帝国主義国家時代に逆戻りさせるなああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」


 野党議員から大きな声で、様々な反対のヤジが議会内に飛び交う。



 この法案を熱心に進めたのは、現政権内閣と竜史である。


 本当なら一年以上の時間を掛けて事を進めたいが、そんな余裕が今の日本には無いので、少々強引で裏技を用いた形で南洋亜人種族居住地域地帯を日本国へと編入させたのだった。


 この法案が成立した結果、小笠原諸島とサクラ諸島は合併してサクラ諸島県と成った。


 小笠原諸島は東京都の管轄から新しい地方自治体として出発するが、当面は東京都と総務省が支援して行く事で、小笠原諸島の島民たちとの間で話が付いて居る。


 行き成り東京都の財政支援が途切れるの不味いし、今の現島民達のこれからの事と、今の暮らしも有るからだ。



 同じく大東島諸島も、ワーウルフン諸島と共に、大神諸島県を立ち上げた。


 名前は犬系獣人族が暮らす狼と大神を掛け、更に大東島諸島の大の字を掛け合わせたネームを付けた事と成った。


 此方も沖縄県から独立した県として出発するが、東京都が小笠原諸島に行った事と同じ様な処置を総務省と共に、支援して行く事に成って居る。



 また、沖ノ鳥島を取り込んでしまったオオエ島諸島は、そのままオオエ島諸島県と成った。


特に今までの暮らしに変化は起きなかったが、本土から行政長官と行政官が派遣され、現地で知事選挙が行われるらしいが、オオエ族の部族長がそのまま立候補するらしく、他の者が立たなければ、そのまま委任当選と成るとの事だった。



 最後に南鳥島付近に住まう妖精族が発見されたコロロッポ諸島と言う35の島からなる諸島は、そのままコロロッポ諸島県とし、小妖精族の部族長をして居る者が知事として、委任当選と言う形で就任と成る予定らしい。



 

 こんな形で一先ずは、南洋亜人種族居住地域地帯の問題は、取り敢えずは騒ぎを鎮静化して終息して行く事に成る。


 だが、今回の一件が日本国では初めての民族主義的な問題へと発展し兼ねない社会問題へと発展する爆弾を抱え込む、可能性がある事を此処に付け加えて置く。


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