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異世界の国々が驚いた異界国家日本は本当にすごーいデス~ネ。  作者: 伊達教宗
第15章 動き出す異世界国家達と日本国と亜人特別地域の動き 1
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外伝16話 新世界日本風土記 小笠原・人魚自治区 ・サクラ諸島県編

 アースティア大戦の戦後に流行ったアースティア世界ウルルン滞在記と言う民放テレビ局系列のテレビ番組では、日本国内と成った特別地方地域に指定されたサクラ諸島県は、マーメイド族と言う人魚族達が暮らす日本国内の最東端の観光地域として知られて居る。


 小笠原諸島から南東方向に300キロ沖合付近に浮かぶサクラ諸島は、桜の花の色と同じ桃色の尾ひれを持った人魚達が平和に暮らして居る忙しい大陸の世情とは無縁の地域。


 アースティア世界のマーメイド族の頂点とも言うべき元締めの亜人大国の一角たるマーメリア海洋王国からは、西に凡そ、900キロほど離れて居る場所では有るが、 マーメリア海洋王国とは別の独立した部族地域として、同王国を含めた同胞達からもマーメイド族の一地方部族地域とされて居る独立自治地域と成って居た。



 後に小笠原諸島とサクラ諸島は、その特異な地域性と日本本土からかなり離れた離島で有る事から、同地域の統廃合と合併をする事に成り、新しい地方自治体であるサクラ諸島県となり、県庁所在地と定められ場所は、サクラ諸島内のサクラ島本島のサクラ海浜市と成った。


 この時に小笠原諸島を含む各島々は、その執政下を東京都から離れ、サクラ諸島県と移行合併をしたのである。


 それは何故かと言うと合併統合決まった事で、将来的に観光を始め、インフラや自衛隊基地を含めた数々の経済振興策が見込めるとの試算が有った為に、東京都の莫大な税収から来る援助金を受ける必要が無く成って行く事に有ったからだ。


 それにサクラ諸島県は、アセニア亜人連合同盟諸国との貿易や文化交流の為のハブ港としての利用価値も高まった事で、財政的に一気に裕福と成って行く事も見込めて居た。


 それにサクラ・マーメリーア部族の総人口が3万8千人と日本国内の南方亜人族居住地域内では国内最大の亜人居住人口率を誇る事に成る。   


 それに加えこれは後々の話だが、 日本本土からの移住希望者も多く居て、その多くが男性だったりする。

 

 それら日本人の男性達がやって来る事を考えても独立地方自治体としても、サクラ諸島県が十分に、やって行ける筈だと見込まれて居る事が、主な理由と成って居た。



 開拓編入し始めた最初の頃は、主に観光や自衛隊に海保、警察や消防に行政機関の役人の人達等が、職務の為にやって来ただけであった。


 それに対して、マーメイド族と言うのは一部を除いて9割近い人口が女性種族と言う特異な生態系を持った種族で、常に結婚や子孫を残すべく異性を求めて居る傾向が強かったりする。


 当然ながら彼女達の故郷では、男の心を射止める事は、早い者勝ちの取り合いで有り、子作りや結婚がしたければ最終的に行き着く先が、他所の異種族の異性を頼るのが常であった。


 だからマーメイド族の女達は密かに他所の土地で尾ひれである下半身を二本の足へと生やして姿を変え、その土地の人々に紛れて子作りや結婚を為して、各々の心情に従って第二の故郷に居残るか、こっそりと故郷へと戻る事が、先祖代々子孫を残すやり方としてやって来て居たのである。


 マーメイド族との異種族の男女出生比率の割合は7対3と女性率が高く、その内マーメイド族の女性が産まれる確率は3対2と、マーメイド族が圧倒的に高く成って居る。



 これらの生態系を見るに、マーメイド族と異種族が結ばれ、子を為した場合は、異種族の子は産まれる確率は低いが、その対比率は必ずしも絶対では無いと言う事であるらしい。



 こうした托子種交配と言うべき種族は、この世界の中でも割と多く存在して居る有り触れた種族なのである。


 何故こんな歪な進化を遂げたのかは、戦争が終わった遠い未来世界と成った時代であっても、良く分かって居ない生命進化の神秘とも言われて居るのだった。



 

 アースティア暦 1000年・西暦2030年・4月23日・午前8時30分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・地球海洋諸国連合同盟勢力圏・日本列島・日本国・日本国首都・東京都・小笠原諸島・小笠原村・父島・小笠原諸島近海・小笠原漁協組合所属漁船・ざとう丸にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 西暦2030年4月1日に起きた転移災害に措いて、日本本土から遥か遠くの離島諸島地方である此処、小笠原諸島でも、例外無く異世界転移災害の余波に見舞われて居た。



 小笠原諸島の治安を預かって居る警視庁・小笠原警察署と海上保安庁・第三管区海上保安本部・横浜海上保安部・小笠原海上保安署。


 そして、小笠原諸島の国土防衛と監視を任務として居る海上自衛隊・横須賀地方隊・父島基地分遣隊も、同地方を厳戒態勢を敷いて周囲を見張って居た。



 しかし、転移から間も無く一月が経過しようとして居るのに対して、相分からず南の離島諸島地方たる小笠原諸島は、大した大きな事件も起きずに、前世界の時と変わらず、のんびりと穏やかな日々か続いて居た。


 何か有るとすれば、偶に見かける異世界生物が近海や島の上空を通り過ぎるくらいで、テレビの在るご家庭のお茶の間を賑わす程度の事だった。


 島民たちは、本土で起きて居る社会的、外交的な大問題で混乱が続いて居るとは知っては居るが、天災での災害や世情での混乱と言う奴は、本人たちが当事者と成らない限りは、他人事と言うのが、世の人間の性と言う物だろう。



 そんな平穏な日々が続く小笠原諸島にある日突然、珍事件が起きてしまう。


 それは地元の漁師達が、小笠原諸島から少しだけ離れた沖合いで、漁をして居た時の事である。


 小笠原近海では、まき網漁で新たに良く取れ始めたアジ、サバ、イワシ等の大群で回遊する魚類の漁獲高が、異世界に転移した事が原因で、生態系の一部に変化が訪れ、小笠原諸島の島民に取っては、ある意味、状況が良く成って来て居た所だった。



 小笠原諸島で採れる魚は、メバチ、キハダ、クロマグロ、キンメダイ、カンパチ、アオリイカ、シマアジ、ハマダイと結構高級魚の類が多いと思う。


 日本本土から遠い遠洋に在る島諸島と言う地理的立地を活かした漁場は、この地方の重要な基幹産業であった。


 特にカジキ類(メカジキ、バショウカジキなど)やイセエビ類(シマイセエビ、カノコイセエビ、アカイセエビなど)は特産品の一つで、カジキは沖縄沖でも取れる大型魚であり、とても美味しいとされて居るが、小笠原諸島の近海で取れた伊勢エビは、この地域特有の固有種で市場には滅多に出回らず、自然保護と漁獲量の厳しさから漁解禁時期にしか食べられない物との話である幻の珍味の一つして知られて居る。



 小笠原諸島の漁師である田島直行は、30歳を過ぎてから親から船と家業である漁師を継いで本格的な船長を始めたばかりの男である。


 そんな彼が異世界転移が起きて一月過ぎてからの、とある日の事だった。


 小笠原の漁師仲間と供に地元の漁協組合と農林水産省から依頼で小笠原近海に措ける試験漁を始めてからも一月が過ぎて居た時の事でもあった。


 事件と言う奴は、ある日突然に起こるもので、4月から小笠原諸島の近海では、シーサーペントと呼ばれる巨大ウミヘビや青い龍族たる青龍族を始めとする海竜と魚竜等の亜竜種族の姿が見受けられて居た。


 他にも空飛ぶ巨鳥やワイバーンに加え、ハルピュイア等の亜人族の渡りをする光景も見られ、今の小笠原島民達らは、それらの異世界の光景を単に物珍しいな程度にしか捉えて居らず、特段には気にしては居なかった。


 今の彼らは自分達の生活優先で働く事を選び、身の回りで遭遇した変わった出来事と言うのは、役場や海自と海保に任せて、特に気にする事をしない様にして居たのであった。


 そうでないと、最悪の場合は、全島の島民が本土へと緊急避難と成り、代わりに島へと入るのは自衛隊と海保に政府の特命役人だけと成ってしまう恐れが有ったからだった。


 この異世界に措いて、離島諸島の島に住み続けるには、大きな災害や異世界地域との無用な争いを避け、本土政府の役人に協力的な方が、何かとやり易いマシな方法であるとも考えて居た故の結論だった。


 そんな島民たちを騒がす、一大事事件が起きた。


 ウイイイィィィーーーーンとエンジン音やモーター音を響かせながら、朝早くから働く漁師たちは、互いに協力し合って機械やクレーンを使って網を巻き上げて行く。


「なぁ、今日は妬けに網が重く無いか?」


「それだけ大漁って事だろう。」


「それもそうだが、これは流石に重過ぎるぞっ!!」


「このグラグラと揺れる感じの重さだと、下手をすれば、クレーンがへし折れるぞっ!!」


「気にし過ぎだって、地球じゃ生態系が荒れて、100年前みたく漁師が御殿を建てられる事なんてさ、今じゃ夢物語だけどよっ!!よいしよっと!!」


「この世界に来てからと言うもの、此処最近じゃ網を投げ入れれば、大漁っ!大漁っ!ばっかじゃんかよっ!!」



「全く本当に異世界様さまだよな。アハハっ!!」


 小笠原諸島の島民達はこの一月の間に収入が5倍に膨らんで居た。


 それは全く人に荒らされて居ない異世界の大自然の恵みを享受して居たからだった。


 今の日本国は深刻な食料不足では有るが、それは余剰が無いと言うだけで、国内の国民達が飢え死にする程では無かった。


 日本の人々が飢える事が無かったのも、異世界の海の恵みのお陰でも有った。


 困ったと言えば欧州系の人々の食生活が激変して居るくらいだった。


 地球人勢力圏内では麦系の穀物が、全く手に入り難いので米食が進んだ事なんだろうが、日本食ブームを含む米類を中心とした食事文化が根付いた事も有った事で、別段不満を言う者は少なかった。


 そんな事情が有った事で小笠原諸島の島民達は、日本本土に送る魚貝類を定期的に送る事で、小笠原は特需好景気に沸いて居たのであった。


「ううっ、それにしても重いっ!!」


 余りの重さに網の巻きの機械や漁師の男達の手が止まってしまう。


「本当だな。」


「おおーいっ!!後ろで補助に回って居るのも手伝ってくれっ!!網が重過ぎるんだっ!!」


 余りの重さにベテランの漁師達や中堅の漁師達は、新人や補助仕事に回って居る漁師達を呼び集めて、ベテラン勢の手伝いを始めさせた。


「せええぇぇーーーのっとっ!!」



 ウイイイィィィーーーーンとエンジン音やモーター音を響かせると共に、漁師たちも一気に網を引き揚げて、海上へと引き上げた。


 引き上げていく中で水面が一気にピンク色に染まって行くのを見た漁師の一人が、大きな声を上げて叫んだ。


「よおおぉぉーーーしっ!!今日も大漁だあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!!!!」



 この漁師達を含めた周囲の船を含めた漁師達も大きな歓声の声が沸く。


 だが、直ぐにその声は消し止んでしまった。


「?!」


「何だこりゃ?!」


 彼らは引き上げた網の中を見て驚愕する。


「いや~んっ!!何なのっ!!この網はっ!?」



「なぁ、田島。」


「・・・・・」


「確かに大漁だけどよ、これは食えんよな。」


「ああ、幾ら何でも食えんし、まさか俺も人魚の女の子を大漁に釣り上げるのはなぁ・・・・・・・・・・・・・」



 田島を含めた20隻の漁師船団の者達はこの日、綺麗なピンク色の尾ひれ持った人魚達120人を水揚げしてしまったと、お茶の間を含めた日本全体と地球系国家全体にニュースが流れて大変な話題と成ったのだった。


 

 この状況に困惑した小笠原漁協組合に所属して居る漁師達は、取り敢えずは、綺麗なピンク色の尾ひれ持った人魚達120人を保護と言う形で、小笠原村へと連れ帰った。


 ただ、これは少々厄介な問題だった。


ただ連れ帰ると成ると、漁師達は彼女達の事を拉致をした事に成る可能性が有るし、そのまま帰らせると入管法の類の法律に引っ掛かる可能性も有ったからである。


 小笠原村役場では、この一件を一村役場では対処できないと考え、東京都へと連絡するが・・・・・・これは直ぐに日本政府をへと上げれ、政府を巻き込んでの大きく揉めてしまう事となった。


 網に掛かった人魚達、彼女達はサクラ・マーメリーア部族の者達だと名乗り、早く解放してくれないと、人魚族の宗主国であるマーメリア海洋王国との戦争沙汰にも成り兼ねないと述べて居た。



 ・・・・・とは言え、密入国に近い形で、日本国領である小笠原諸島とその領海でもある近海に、無断で出入りして居た事も、また事実なのであった。


 国交か何らかの形で協定を定めて居ない地方の亜人種部族が、日本国が国内と定めて居る領海を無断で出入りされるのも・・・・・・と転移災害以降に成ってからと言う物、法務省を含めた省庁は未知地域からの人の出入りに神経を尖らせて居て、この手の騒ぎが何時かは起きるのではないかと、とても神経が過敏にも成っていた。 


 そんな中でのマーメイド族の大量のグレーゾーン入国問題の発生である。



 彼女達の目的は、ユーラシナ大陸東側の反帝国を掲げて居る安全地域へと渡り、婚姻を目的とした繁殖活動をする事だとも言って居る事から、更に面倒な問題だと言う事に成ってしまう。


 詰まり、ユーラシナ大陸の東側の反帝国国家内の安全指定地域へと向かう渡りをして居る最中に、我が国の漁師の網漁に引っ掛かったと言うのが、この珍事件に関する事の顛末なのである。



 彼女達の代々使って来た渡りの進路上に日本列島が現れ、その通過点の一つに小笠原諸島が偶々転移して現れた事に成る。



 ややこしいが一人一人調書をして行くと、そんな話が見えて来た。


「こりゃ~、面倒な事に成ったな。」



 竜史は交援省大臣に就任してから有る程度は、面倒な事態に成る事は覚悟して居たが、これはある意味、難題だった。


「それで、何人が口説かれたんですか?」


「30名ですね。」


「はぁ~・・・・・」


「確かに早く気が付くべきでしが、もう既に遅いです。」


 調書に送り込んだ交援省を含む各省庁の職員や医療スタッフに専門学者の独身の方々は子孫繁栄を是非とするマーメイドの美女たちにあっさりと口説かれて居た。


 これに関わった小笠原諸島の中小企業の加工食品会社や主な行政機関の職員の中では、女性関係者が少ない為に起きた・・・ある意味、不味い事態を引き起こして居た。


 特に独身男性に対して、マーメイドの女性達は毒に等しい容姿を持って居た。



「勾留の彼女達の中では、毎日男を巡って取り合いに成りそうだとも・・・・・・・・」


「小笠原村の人口や派遣職員の数を考えると、うん、そうなるか・・・そうなるよなぁ~・・・・・・・・・」


「まぁ、托子種交配を主とする女系種族がそれなりに多いとは聞いて居たけど、交流の無い地域から行き成り、それが現れるとはね。」


「結果的に彼女達は、日本に結婚目的と子育てを目的としたお見合いや恋愛婚を主とした定住者申請を申し出て居ます。」


 今回のマーメイド族の問題を竜史に相談を持ち掛けて来た部署である交援省の法務課・外務課・国交課・警備課・海保課の5課は、小笠原村のそれぞれの大本に類する省庁の職員からの問い合わせで、てんてこ舞い。


 人魚達をどう処するのかの対応を決め兼ねていた。


 何せ、日本国は疎か、地球世界でもすらも、こんな前例が案件が無いからだ。


 前世界では国境の領海を泳いで渡るか手漕ぎボートで渡る場合は、事前に関係国に断りと許可申請さえして居れば良かった。



 だが、今回の場合は通行する船舶や航空機では無い亜人民族の伝統的な大陸や他の地域へと向かう為の渡り遠泳。


 これは本当に前世界では有り得ない事である。


 だから関係各省庁の本省では、この対応に苦慮してしまって居た。


 日本は旅行やビジネスに留学や文化交流の渡航に関しては、あっさりと許可を出すが、移民や難民等の定住許可を出す場合は、異常に時間を掛ける所で有名な国家でも在る。


 これは今後の日本社会を根本的に変えてしまう大問題として、国会内の各党派の議員達もマスコミ各社も、そして、国民達も見て居るらしい。



「はぁ~迂闊に返事がし辛い上に、断れば亜人種族社会からケチを付けたと言われるか、人種差別であると言われ、今後の外交問題に大きく関わる問題へと発展してしまう恐れが有りますからね。」


「ですが、簡単に許可を出せば、別の種族に対しても法整備をしなければ為らない事に成り兼ねませんっ!」


「下手すれば、国内に未だに居残って居る本国と切り離された帰還困難の外国人やこれを機に日本へと移民をしたいと言い出す、地球系外国人の許可すら、考えなければ成りません。」


「そうなれば、治安や国内の就業者問題に拍車を掛けて、異世界問題の過激派団体の反対運動が、激化する恐れも有ります。」


「その辺は欧州系の人と違った意味で、我が国はデリケートだからぁ・・・・・・・・」


 我が国は他の国々と同じく人権問題を尊重して居るし、人権や他民族の事を軽視しないのも、道徳教育が行き届いて居るからでも有る。


 日本国内で移民問題も大きな社会問題とならないのも、単一民族としての一定数の人口が有るので気に成らない事が大きな要因の一つと成って居るからだ。


 これが将来的に日本人の人口総数が、7割から6割に激減する事に成るかも知れないと思うと、過剰反応を起こすかもしれない。



 地球の先進国では、元々の地元系民族と出稼ぎや難民等で安全国へと渡る他国民が住み着く事で職を得たり、居住権と市民権を得るて居る事が多い。


 この事態は、ヨーロッパ統合を進めるヨーロッパ各国で、様々な社会問題を抱えて社会的な対立を招いて居る。



 親切をして居たら、他所の住人達がいつの間にか母屋の主の家を半分ほど乗っ取って居る状態と成ってしまって居る事が、今の地球世界の各先進国内での社会的問題なのだ。



 移民の多い北米では雑多な人種が混ざり合った事で、フリーダムな考えを持って居る人々の社会的な対立が社会問題と成って居ると言えた。


 何が一番に問題なのかと言うと、言葉の壁と文化形態の違い、宗教観と言った様々な事で、移民先の国家で移民が、地元住民とのコミュニケーションが取り難いと言う理由から、移民先で独自のコミュニティと町を作り上げて、其処を自分達の土地に造り変えてしまう事が問題であるからだ。


 これがお互いに助け合って、普段から交流の深い近所付き合いが出来れば、良いんだが、故郷を追われ、逃げ出した人々が移民先の国々で、あなた達は裕福な暮らしと住まいが在るのだから、少しくらいは、貧しい我々に対して、親切をするのは当然の事だと、思われてしまうのは、良くないし、互いの為にはならないのだが、しかしながら、残念な事に、これが先進国の間では大問題と成って居る。


 日本がそう言った問題とは、有る程度無縁に近いのも、日本民族が8割を超えて居るから、比較的に日本社会全体が安定して居るからである。


 まぁ、詳しく言うと日本民族とは、本土の日本人。琉球諸島や奄美諸島等の琉球系人。北海道のアイヌ民族を合わせた人々の事を指して居る。


 其処に今度は新たにファンタジー世界の亜人族と国を無くしたり、色々な理由から日本へと移民や定住者として住みたいと言う地球系外国人と異世界系人族外国人が入って来る。


 そうなれば、何の対策もして居ないと、地球世界の先進国の様な移民問題を抱える事態になり兼ねない。

 

 特にヨーロッパ地方での移民問題と難民問題は、対立構図の典型的な社会問題と成って居るし、特に酷いは自分達の国で面倒を見るのは嫌だからと、隣国への嫌がらせも兼ねて、自国を経由させて、その国境線で行く事も戻る事も出来ないやり口で難民を苦しめるのは許されない事で在る。


 この様な事態になり兼ねないので、異世界に転移してしまった日本にとって、本当に非常に大きな大問題だった。


 特に日本は、移民問題には積極的に取り組んで居ない面が強いので、一から新たに法律や社会の仕組みを構築しなければ成らなかった。


「うーん。そのまま帰らせても・・・・・」


「また来るでしょうね。地球世界の地中海であった難民問題の出来事の様に・・・・・・・・・・」


「そうそう、アレは酷かったね。特に行く事も帰る事も出来ないのは、非常に卑怯なやり方だったよ。」


「これが国だったら、楽なんだが、亜人の自治部族か・・・・・・・・」


竜史は暫し考えて妙案を思案する。


「仕方が無い。今回は一旦、お引き取りして貰って、今後は話し合いした上で検討する事にしよう。」


「無断越境に関しては?」


「まぁ、今回はお互いに様々な事が知りませんでしたと言う体裁で済ませて、今後はユーラシナ大陸への渡航や他の地域の渡航する場合は、小笠原村を窓口にする形で進めて、安全航路を決めた上で行くと言う感じ事にします。」


「そして、徐々に事故を無くして行くと言うのは、如何だろうか?」


「それが今回の問題に措ける折り合いが、可能な妥当な落とし所の判断での回答でしょうね。」


「今回の問題に関係した各省庁は、その様にして処理する事にします。」


「サクラ・マーメリーア部族とサクラ諸島へは、視察団を派遣し、両者の間で今後の事に付いて協議に入ろうか。」


「分かりました。その様な方向性で、各省庁と話を纏めます。」



 こうして後に小笠原・サクラ諸島事件と呼ばれるマーメイド族との初接触問題は、穏便に片を付ける事で、この問題に関しての出来事は事無きを終えたのであった。



 そして、この事件の顛末がアセニア亜人連合同盟諸国と人魚族の宗主国であるマーメリア海洋王国に、日本国と言う国への興味を抱かせる結果に成ろうとは、それはが分かるのはチョットだけ先の話に成る。 



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