159話 移動要塞戦艦デストロイヤー再びっ!この泥沼な大紛争に、中二聖天使と雷帝の手で終止符をっ!11
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月20日・午前13時55分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島西部・セイジョン・ローグリア島・セイジョン・ローグリア城・セイジョン・ローグリア城各周辺及び第二防衛ライン・ナガシノ野戦陣地全域にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日シベ合同作戦軍とグリクス地方軍団・レジェンダリア諸島遠征軍の両軍は、ナガシノ野戦陣地を挟んで対峙し、セイジョン・ローグリア島内の限られた僅かな平原で激突を開始する。
「がははーはっはっはっ!!」
「それえええええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!主砲っ!撃ちまくれええええええええぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーっ!!!」
「撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!!」
ウイイィィィィン・・・・・・・・・・・ダダッ、ダダアァァーーーーンッ!!
移動要塞戦艦デストロイヤーの主砲と副砲塔群が、ナガシノ野戦陣地に向けて一斉に火を噴く。
それと同時に、日シベ合同作戦軍のアルガス大砲大隊と陸自特科大隊も撃ち返した。
「こちら日シベ合同作戦軍・射撃指揮所。」
「各アルガス大砲大隊並びに各特科大隊へ通達する。」
「射撃開始っ!繰り返すっ!射撃開始っ!繰り返すっ!射撃開始っ!」
「目標っ!移動要塞戦艦デストロイヤーっ!!」
「撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーっ!!」
ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!
ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!
ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!
ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!
99式自走155ミリ榴弾砲と155ミリ榴弾砲FH70.12ミリ迫撃砲RTと81ミリ迫撃砲L16を使った一斉砲撃である。
前線各所では、アルガス大砲大隊が同様に初弾だけ一斉射撃を演じていた。
ヒュウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・ドカドカドカッカーンッ!!ドカドカドカッカーンッ!!
ヒュウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・ドカドカドカッカーンッ!!ドカドカドカッカーンッ!!
ヒュウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・ドカドカドカッカーンッ!!ドカドカドカッカーンッ!!
ヒュウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・ドカドカドカッカーンッ!!ドカドカドカッカーンッ!!
ヒュウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・ドカドカドカッカーンッ!!ドカドカドカッカーンッ!!
「被害報告ーーーっ!!」
「アルガス軍負傷者多数っ!負傷者別に中傷者3千っ!軽傷者二千五百っ!」
「自衛官および聖天使騎士隊に目立った被害は無し、送れっ!」
「負傷者を後送しろっ!」
「陸海自衛隊へ、全てのロケット弾及び対艦ミサイルの使用を許可する。」
「各艦っ!各隊へっ!」
「目標っ!移動要塞戦艦デストロイヤー・・・・・・・・・」
「目標のロック完了・・・・・・・・・・・」
「てえええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!」
遂に総司令官の置鮎一佐は、温存していた自衛隊の虎の子の兵器全ての枷を解いた。
すると特科大隊とダバ派遣艦隊は、タイミングを示し合わせて、射程内圏内停泊して居る17隻の護衛艦隊から第一波攻撃にして、虎の子であるミサイル兵器を34発を一斉射する。
特科大隊の待機して居る一角で、出番が来るまで待たされていた第4特科中隊の多連装ロケットシステム自走発射機M270(MLRS)20両からは、227ミリロケット弾が発射される。
第5特科中隊の88式地対艦誘導弾20両からは、80式空対艦誘導弾が発射され、それらを併せた第一波攻撃としての総数は、合計40発が一斉に飛び立って行く事に成った。
ゴオオオオオオオオオオォォォォォォォォォーーーーーーーーッ!!!と言う轟音を響かせ、天高く飛び立って行く。
それらは北側と西側から自衛隊初と成る陸海同時に発射した多数のロケット兵器による実戦での一斉射であった。
日本政府と防衛省は、西方派遣での戦闘記録を残す方針を定めていた。
折角作った自衛隊装備が、実戦(本番)でキチンと使えるのかを確かめたり、後世の世に措いて、自衛隊はちゃんと規律ある活動したと、多くの人々に伝える目的が有るからだ。
その記録員を任されていた各地の隊員達は、その様子をドローンカメラやビデオカメラで撮って居た。彼らは興奮しながら夢中でその様子を取って行く。
「凄いっ!凄いぞっ!」
「何て光景だっ!これは・・・・・・丸で映画を撮って居る様だ・・・・・・・・・・」
「こんなを俺達が撮影して居るとは・・・・・」
「ああ、俺達の名は残らないが、これを撮って居るのは、紛れもなく俺達だっ!!」
「俺達は歴史を作って居るんだっ!!!」
「正に生き証人。」
国内での合同演習でも、海外ですら自衛隊が経験した事の無い光景が、初めて撮られ見られて居るのだった。
その光景の記録を取る事を任された広報隊員達は、余計な独り言まで入って居ると、帰国後に上官たち怒られるが、小西大臣たちを始めとする防衛省上層部は、返って迫力ある臨場感が視聴者に伝わり、緊張感と凄まじさが出て来るから構わないと言う事に成った。
それがハッキリとするのは、数十年の時を待たねば成らない先のお話である。
「各誘導弾、デストロイヤーに向けて進行中・・・・・・・・・」
「弾着まで凡そ推定・・・5分・・・・・・・・」
「弾着10秒前・・・・・・・・」
撃ち放たれた40発もの誘導弾、機体からは白い煙のロケット噴射が吹き荒れ、移動要塞戦艦デストロイヤーを包囲しつつ、落下軌道に入って行く。
「9・8・7・6・5・4・3・2・1・・・・・だんちゃーくっ!今っ!!!」
ドカドカドカドカドッカーンッ!!・・・・・・・・・・・
「全弾っ!目標に命中を確認っ!」
「反撃の隙を与えるなっ!続けて、第二攻撃を開始する。」
「直ちに航空攻撃を開始っ!」
「了解っ!しょうかく、ずいかくの全航空隊は発艦せよっ!」
北側に陣取って居るダバ派遣艦隊の旧支援艦隊。
その中で、移動要塞戦艦デストロイヤーと戦いに備えて、出撃を見合わせていた空自航空隊と海自航空隊は、全力出撃を開始する。
「サシバリーダーより各機へ、これより移動要塞戦艦デストロイヤーへの総攻撃を開始する。」
航護衛艦しょうかくとずいかくからは、続々と空へと艦載機が上がって行く。
神谷一佐が率いる空自の第9航空団那覇基地所属の101小隊、202小隊、303小隊、404小隊、505小隊、606小隊。
三沢基地所属の第2航空団所属のF-2戦闘機20機からなる101小隊、202小隊、303小隊、404小隊。
そして、海自第一航空隊・海自第二航空隊は、部隊に配備されたF-18J改が一斉に大空へと飛び立つ。
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月20日・午前14時09分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島西部・セイジョン・ローグリア島・セイジョン・ローグリア城・セイジョン・ローグリア城各周辺及び第二防衛ライン・ナガシノ野戦陣地・先行試作量産型・移動要塞戦艦デストロイヤー1号機艦内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
40発もの誘導弾の直撃を喰らった移動要塞戦艦デストロイヤー2艦は、激しい衝撃に晒された。
同時に大量に積まれている爆薬が爆発すると、2艦は炎の中へと飲み込まれた。
「ぐううっ、なななっ何て威力だっ!」
「ニホン軍の鉄槍による一斉攻撃が、此処まで強力だったとは・・・・・・」
ギンジェム大佐は、以前の攻撃で空自航空隊とダバ派遣支援艦隊から喰らった多数ミサイルは、バラバラな攻撃であった。
それにあの時は、ミサイル温存と言う方針からのピンポイント攻撃方法だった故に、護衛艦を含めたミサイルによる積極的な総攻撃を避けられて居た。
だが、今回のダバ派遣隊は、移動要塞戦艦デストロイヤーと言う的であり、これを撃破すれば、この戦いに完全な勝利が可能と踏んで、全力を出すと置鮎一佐は決断するのに至ったのである。
「ギンジェム大佐っ!北側からニホン軍の鉄竜の航空隊が、接近して来やすっ!」
「・・・・・・・先の戦った部隊の奴らみたいですぜっ!」
「直ぐにキメラドラゴンを向わせろっ!」
「ああっ!正面から地竜軍団らしき姿が現れました。」
「あんな種類は、見た事も有りやせんぜっ!」
各方角を監視して居る士官達から戦況報告が次々と上がる。
そんな中で、空の鉄竜航空隊とは空自の航空隊の事である。
地上の地竜軍団とは、ダバ派遣隊に派遣されて居る陸自機甲科隊の事である。
10式戦車を中心にして、ナガシノ野戦陣地の前線馬防柵塹壕の通用入り口を開いて全車前進を開始して居た。
「そいつ等には、エレクドラリュウム・ゴーレム隊を向わせるんだっ!」
「了解しゃしたっ!」
エレクドラリュウム・ゴーレムは、魔導師操者の手によってコントロールされて居る。
エレクドラリュウム・ゴーレム隊の随伴して居る魔導師達は、ゴーレムの肩の上に乗り、ゴーレムを意のままに操りながら、陸自機甲科隊に戦いを挑む。
一方、空では航空護衛艦しょうかく・ずいかくから発艦した空自・海自航空隊は、ナガシノ野戦陣地上空に到達する。
「移動要塞戦艦デストロイヤーの艦載機多数を確認っ!」
「こちら池田だ。露払いは任せるぞっ!神谷っ!」
「了解っす。」
「サシバリーダーより各機へっ!!第9航空団所属の全機体へっ!!迎撃フォーメーション・ベータ発動っ!!」
「F-2隊の進路を守れっ!!」
「海自航空隊は、池田隊の直営を命じると同時に、隙が有れば、池田隊と共に連携して、敵艦への爆撃も敵機の撃墜も好きにして構わない。」
「遊撃って事ですか?」
山崎が質問して来た。
「そうだ、デストロイヤー砲だけは、絶対に撃たせる訳には行かない。」
「何としてでも発射口を叩き潰せっ!」
「了解ですっ!」
「先輩っ!如何やら発艦して来た敵機が、此方に気が付きました。」
「目標方向をナガシノ野戦陣地から、此方へと進路変更して向って来ます。」
「よーし、やるぞっ!お前らっ!」
「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーっ!!」」」」」
神谷一佐が率いる空自の第9航空団のF-15戦闘機J改の各隊のパイロット達は、デストロイヤーの航空艦載機であるキメラドラゴンへと進路を向けた。
「ギャオオォォーーーンッ!!」
「機体機種って、行っては居ますが、どう見ても目標は生き物ですけど・・・・」
「まぁ、まだ異世界アースティア世界の兵器関連の専門用語が、自衛隊の規則要綱には、無いからな。」
「機種名・・・キメラドラゴンとの話ですが・・・・・・」
神谷一佐の後輩の長谷川健児一尉が、敵機種に対する言い回しに違和感があると言う。
「何でも生物兵器らしいぞ、ワイバーンより早いし、火炎弾の威力もスピードも段違いと聞いた。」
「果たして、どれ位の実力だろうな。」
「戦って見れば分かりますよ。」
「お二人供、軽口はそれくらいにして、良い感じに射程内です。」
「おおっ、色男の速水が突っ込みとは珍しいな。」
「ってな訳だ。野郎共っ!!覚悟は良いかっ!?全機っ!FOX1っ!」
「「「「「FOX1っ!」」」」」
30機のF-15戦闘機J改から一斉にミサイルが発射される。
空自航空隊に立ち向かって来た目標の半数が撃破されたが、残りは散開して神谷隊へと襲い掛かって来る。
「こっちも散開するぞっ!同士撃ちに注意しろっ!」
神谷一佐達も散開攻撃に移る。
「こいつ等、お頭は悪くない。」
「それにソコソコ早く成って居ます。」
「狙いが付け難いぞっ!」
ブロロロロロオオオオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーッ!!!
「ふっ、ワイバーンの能力から見れば、30パーセントの強化って所だな。」
「ええっ!先輩っ早すぎですよっ!」
「お前らがトロ過ぎるんだよっ!」
神谷は意図とも簡単にキメラドラゴンの動きに対応して見せた。
池田空将補が率いるF-2戦闘機隊20機と山崎一射と小安一射に率いられたF-18J改で編制されている海自第一航空隊・海自第二航空隊。
この2部隊は、神谷一佐達がキメラドラゴン隊を引き受けたお陰で、然したる障害すら無いまま、移動要塞戦艦デストロイヤー2艦へと攻撃を開始しする。
「ターゲットロック・・・・・・」
F-2戦闘機とF-18J改の2機種には、空対艦ミサイルが4発とJDAMが4発づつ取り付けられていた。
「ウィークポイントは、デストロイヤー砲塔の中心部と後部左右に見えている動力外壁装甲版部分だ。」
移動要塞戦艦デストロイヤーの弱点は、グリクス地方軍団所属の18・19・20飛竜航空隊とダバ派遣支援艦隊との激突し、交戦した時に空自航空隊が直感で、ミサイル攻撃を仕掛けた時に発見した。
移動要塞戦艦デストロイヤーは、その巨大さと高火力に加え、歪な構造故か、船体設計上の欠陥が有ったりする。
それは動力炉とデストロイヤー砲塔内部に強力な一撃の攻撃を喰らうと大爆発を起こすのだ。
これは古今東西全ての巨大兵器に共通する弱点と欠陥と言えるのだ。
デストロイヤーの外壁装甲版も其れなりの防御力を誇って居るが、それに加え、魔導連金付加魔法による防御力の向上と魔法防御障壁が薄い膜の状態で二重に張られて強化されている。
この強化された装甲版のお陰で、並みの魔導砲と火薬式大砲、それにあらゆる攻撃魔法さえも防いでしまう効果と能力を有していた。
だが、それにも限界が有った。ミサイル・徹甲弾を含めた科学の粋を集めた強力な兵器。
そして、魔法ではアセリナ族の祖先達がエクスプージョンを強化改良して、編み出されたエクスプロン・ランサーから撃ち出されるエクスプロトンバスターと言う爆裂砲。
リナが苦労の末に編み出した雷撃上級破壊魔法のサンダースレイブ。
爆裂魔法として有名なエクスプージョンもそうだか、一撃破壊か一転突破を目的とした攻撃がデストロイヤーに取っての最大の弱点にして、最も効果的な破壊方法で有るのだ。
帝国がデストロイヤーを研究解析を行い量産化まで扱ぎ付けようとして居るが、まだまだその道のりは、険しく果てしなく遠い物だ。
この要塞戦艦は、圧倒的な防御力と火力、そして艦載機による敵国軍の殲滅制圧を目的とした兵器。
だが、その一方で、敵からの強力な一撃打に弱いと言う面を持って居るのだった。
要塞基地と敵大軍の殲滅を目的として居るので、一撃で破壊される事は想定外であり、帝国と敵対して居る国が、対デストロイヤーへの対抗手段が無いと言う考えを前提で建造されて居るから、この様な想定外の欠陥が有るのだった。
「各機っ!撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!!」
「「「「「FOX1っ!」」」」」
各機のコックピット内のでロックオンが鳴り響く。
対艦ミサイルが、F-2戦闘機とF-18J改の両機体部隊から、一斉に撃ち放たれた。
デストロイヤーからは、激しい対空砲火が撃ち出されて居るが、ジェット機のスピードには、追い付ける筈も無く、第一攻撃を喰らってしまう。
ミサイルを撃ち放ったF-2戦闘機とF-18J改の両機体部隊は、置き土産にJDAM4発を投下させ、大爆発と成った。
「神谷一佐っ!池田空将補殿達がやってくれました。」
第9航空団那覇基地の中でも、お調子者とし有名な柏崎二射が一番に不味い台詞を発してしまう。
「柏崎のバカっ!その手の台詞は禁句だっ!」
慌てて長谷川一尉が、柏崎に突っ込みを入れたが、最早それは遅かった。
キュイイイイイィィィィィンンン・・・・・バシュウウウゥゥゥゥゥゥーーーー・・・・・・・・・・・ドッカーーーーーーーーーーンッ!!
「あっ、ああ・・あれは・・・・・・・」
「デストロイヤー砲ですよ、先輩っ!」
「柏崎君が、余計な事を言いますから・・・・」
「そんなぁ~・・・・・・・」
第9航空団の隊員達が、総勢で突っ込みを入れられて行く柏崎二射。
彼は出撃前にも、異世界に来てしまった人達が、ここぞと言う時に限って、言っては成らないお約束の台詞を口走って居た。
この場合、必殺技や必殺兵器で止めを刺すシーンでは、「やったか?」禁句である。
必ずと言って程に、敵はある程度の負傷で済んで居ると言うのが、お話の展開敵には、お約束と言う物であった。
そんなジンクス的にせいかも知れないが、兎に角デストロイヤー砲はぶっ放され、セイジョン・ローグリア城を霞めて特科大隊から6キロ離れた島の崖に直撃し、大爆発をして居た。
「此方、前線指揮所の井上だ。」
「デストロイヤーが現れた時点で、セイジョン・ローグリア城からは既に退避を開始していた。」
「今の城内は蛻の殻だよ。」
「ふぅーっ、心臓に悪いっすね先輩っ!」
「ああ、だが如何する?」
「そうですね・・・・・」
「次に撃たれたら何所が全滅させられるか・・・・・・・」
其処へあの年寄りが出しゃばって来た。
「何じゃ、何じゃ、もう根を上げるか小僧共っ!」
「あれっ?」
「この声は?・・・・・・・・」
通信に割り込み、空に現れたのはエリン達、ドラグリア白龍大帝国の白竜人と白龍族である。
「エリン陛下っ!」
「かかっ!!さぁて、小僧共っ!!まだ戦を続ける気力は有るか?」
「勿論、有りますよっ!」
問われた日シベ合同作戦軍の面々の中で、真っ先に即答したのは、置鮎一佐だった。
「成らばっ!置鮎の小僧よ。」
「大砲にミサイルとやらを有りったけ撃ち続けよ。」
「わし等が魔法防護シールド防いで居てやる。」
「リナとハンナに止めを刺させる時間を稼がせよっ!」
「了解ですっ!」
「クリスっ!お前は二人を徹底的に守り通せっ!」
「はっ、はいっ!」
「ユキカゼっ!最前線でドラグリア者共を集結させつつ、ドラグシールド展開っ!」
「アセリナの連中とリナが魔法を撃つ時間稼ぎをせよっ!」
「分かりました。」
「それでもダメなら、わし等でもう一押しよ。」
白い巨体姿で、不敵な笑みを見せたエリン。ドラグリア者達は味方の防護に入り、戦局を支えんと奮起した。




